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八条学園騒動記

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第五百三十五話 焼き肉食べ放題その五

「いやらしいこともしていたって」
「それは事実だよな」
「けれど元々の言葉の意味は」
 肝心のそれはとだ、野上君はハチノスを食べつつ友人に話した。
「本当にお酒のお池を造って」
「林の木々に肉を沢山吊るしたんだよな」
「干し肉をね」
「そうした宴だったんだな」
「当時干し肉は一番のご馳走だったから」
 殷の頃の中国ではだ、古代の生産力では干し肉もご馳走になったのだ。
「しかも昔だからお酒も」
「そちらもか」
「そう、お池にする位に集めたら」
「かなり贅沢か」
「お肉と合わせてね」
 それでというのだ。
「途方もない贅沢だったんだよ」
「古代の中国だと」
「そうだったんだよね」
「そうだな、しかしな」
「今はね」
 それこそとだ、野上君は赤ワインを飲みつつ話した。
「こうしてね」
「何でもないか」
「多少奮発したら」
 それこそというのだ。
「楽しめるね」
「そうしたものだよな」
「酒池肉林っていっても」
「今はそんなものか」
「そう、そしてね」
 それでというのだ。
「今の僕達は」
「リアル酒池肉林を楽しんでいるな」
「そうだよ、干し肉じゃないけれどね」
「焼き肉だからな」
「こっちの方が贅沢かな、それに」
 野上君はさらに言った。
「お酒も池じゃないけれど」
「好きなだけ飲めるってことだからな」
「それでも当時のお酒よりもね」
「あの頃焼酎とかワインとかなかったな」
「当時の中国には。というか古代の酒は弱いし」
 野上君はぁワインを飲みつつ話した。
「ワインだって酸っぱくて何かと割らないと」
「飲めなかったんだな」
「何でもそのまま飲むと」
 所謂ストレートでというのだ。
「野蛮とか言われたそうだし」
「それはあれだろ」
 友人は野上君のワインの話にこう返した。
「ワインが効高価だからな」
「そのまま飲むと高いからだね」
「それでそう言ったんだろ」
「そうだろうね、当時はやっぱりね」
「生産力が低かったからな」
「ワインにしても」
 中国の酒の様にというのだ。
「高価で」
「そうそう飲めなかったんだな」
「そう、それでね」
 それでというのだ。
「飲めなかったんだよ」
「それでストレートじゃなくてか」
「水割りだったんだよ」
 この酒を飲んでいたというのだ。
「そうだったんだよ」
「そういうことだな」
「それで今は」
「酒池肉林は簡単に出来てな」
「ワインだって」
 この酒もとだ、野上君は赤ワインをストレートでぐいと一口飲んでそれから友人に笑ってこうしたことを言った。
「この通りだよ」
「ストレートで幾らでもだな」
「飲めるんだよ」
「そうだよな」
「だからね」
 それでと言いつつまた飲む。 
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