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レーヴァティン

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第百二十五話 姫路入りその九

「備前と備中、美作、備後の兵を入れてな」
「そこまでになったことをですね」
「喧伝してだ」
「こちらに入れていきますね」
「そうする、そしてだ」
「降らない者達は」
「兵を送ってだ」
 やはりこれまで通りというのだ。
「降す、しかし降ればな」
「戦った相手にしても」
「それでいい」
「我等に加えるのですね」
「そうしていく、ではことを進める」
 こう言ってだ、そしてだった。
 英雄は岡山城から安芸の方に使者を送った、すると安芸の国人達も使者の話を聞くと大抵の者が降った。だが。
 島にいる海賊達の中には降らない者達がいた、英雄はその話を聞いてそのうえでこう言ったのだった。
「ならだ」
「仕方ないというのだな」
「そうだ、水軍を送り」
 幸正に対して答えて話した。
「そのうえで破りな」
「降すな」
「そうしていく」
 こう言うのだった。
「ここはな」
「そうするな」
「そして俺達の勢力に入れる」
「海賊達もだな」
「どうしても降らないなら仕方ないが」
「これまで幸いそうした勢力はないな」
「それは何故か」
 戦になろうとも滅びるまで戦った相手がいなかったことはというのだ。
「やはりこちらの出した条件か」
「降れば許し領地も命も保証するな」
「その条件がいいのだな」
「国人達は領地だ」
 土地、それがというのだ。
「生きる場所で全てだ」
「それが保証されるならか」
「最初は反発してもな」
「そして戦になる場合があってもか」
「最後の最後まで戦わずにな」
 滅びるまでそうせずにというのだ。
「降るものだ」
「大事なものを奪わないことか」
「命も保証するしな」
「殺されるならとなるな」
「この世界は復活も出来るがな」
 術や道具でそれは可能だが、というのだ。
「それでも寿命まで放置されると死ぬ」
「魂自体がなくなりな」
「ならだ、殺されるならとなることはな」
「この世界でも同じだからだな」
「それでだ、しかも立場も保証されるなら」 
 この要素も加わればというのだ。
「尚更だ」
「降るか」
「最後まで戦う奴はそうはいない」
「しかもそれをあんたは守るだろ」
 降る時に言った約束をとだ、桜子も言ってきた。
「絶対に」
「それはな」
「あんたはそうしたところは律儀だしね」
「こうした時に嘘を言う様な奴はな」
 どうしてもとだ、英雄は桜子に答えて述べた。 
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