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オズのキャプテン船長

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第九幕その十

「観られるのがオズの国よね」
「そう、お伽の国だから」
「だったらね」
 それでというのです。
「思えばいいのよ」
「行きたいって」
「それじゃあね」
「今から願おうか」
「イトマキエイも観たいって」
「海面から出て来るね」
 船長はこう言ってでした、そのうえで。
 実際に願うとでした、船の右手海豚達がいる方から反対側にです。
 そのイトマキエイが出て来ました、イトマキエイは平べったくて大きな姿でお空を華麗に飛ぶ様にです。
 海面から出て跳んでいます、その姿を観てでした。
 恵梨香達五人は茫然となってです、思わず言いました。
「うわ、これは」
「本当に観られるなんて」
「外の世界じゃ滅多に観られないのに」
「オズの国じゃ願えば観られるなんて」
「しかも夕陽の中でなんて」
「そう、これもだよ」
 船長が茫然となっている五人にお話します。
「オズの国なんだよ」
「そうなんですね」
「願えば滅多に観られない光景も観られる」
「どんな美しい光景も」
「今のマンタの姿も」
「こうして」
「そうだよ、いやわしもね」 
 船長もそのイトマキエイを観て言うのでした。
「最近ずっと観ていなかったんだ」
「そうだったんですね」
「海の中から跳ぶイトマキエイは」
「そうだったんですね」
「それで観たいと願われて」
「そうして」
「そうだよ、そうして観られて」
 船長の目はうっとりとしています。
「幸せだよ」
「外の世界にいても」
 それでもと言うモジャボロでした。
「観られる光景にしても」
「本当に滅多にだよ」
 船長はモジャボロにもお話しました。
「観られないからね」
「けれどだね」
「オズの国はね」
 まさにというのです。
「願えばだから」
「このことは素晴らしいね」
「まことにね」
「このことがどれだけ素晴らしいか」
 まさにというのでした。
「お伽の国ならではだよ」
「これは学問的にも素晴らしい光景だよ」
 ここで言ったのは教授でした。
「イトマキエイという生物の生態についてもね」
「学問的にもなんだ」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「素晴らしいものだよ」
「では教授としても」
「奇麗だよ、そしてね」
「学問的にも」
「素晴らしいものを観ているよ」
 実際にというのです。
「だから私も満足だよ」
「わしはそうした意味でもいいことを願ったんだね」
「そう、一つのいいことはね」
「一つだけいいとは限らない」
「二つも三つもいい場合があるんだよ」 
 今の様に奇麗な景色を観られただけでなく学問的にも大事な場面を観られてです。そうしてだというのです。
「時として」
「そういうことだね」
「しかし、オズの国の海は」
 教授はその学問の話をさらにしました。
「本当に様々な生きものがいるね」
「わしもそう思うよ」
「外の世界にいる生きものがいれば」
「いない生きものもね」
 その両方がというのです。 
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