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オズのキャプテン船長

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第九幕その四

「三色団子を食べる時は」
「ジャムを舐めないで」
「飲んでいこう」
「わかりました」
 恵梨香は船長の言葉に応えてでした、三色団子を食べる時はジャムを舐めない様にしました。すると三色団子の味がそのまま楽しめてです。
 ロシアンティーも楽しめました、こうしてお茶とお菓子を楽しみつつ海の景色も楽しんでいるとです。
 ふとです、船の近くにでした。
 巨大な濃い青の鱗を持つドラゴンの頭が出てきました、頭の大きさは皆が乗っている船位あります。
 その巨大な頭を見てです、船長は恵梨香達に言いました。
「あのドラゴンがね」
「さっきお話していたリバイアサンよ」
 トロットも恵梨香達に言います。
「オズの国にいる海の獣の一匹よ」
「そうなんですね」
「凄い大きさでしょ」
「はい」
 驚きを隠せない声で、でした。恵梨香は答えました。そしてナターシャ達四人もトロットに口々に言います。
「凄い大きさですね」
「頭だけでこの船位あって」
「身体も凄く大きいですね」
「そうですね」
「ほら、見て」
 ここでトロットは船の甲板や船底を透明にしました、そうして海中にあるリバイアサンの身体を見せましたが。
 その海蛇みたいで鱗に覆わせ背鰭が連なっているそれはです。
 二キロはあります、その大きさに皆驚きました。
「とんでもない大きさですね」
「まさに海の獣ですね」
「モビィーディッグやクラーケンよりも大きいですね」
「物凄いですね」
「これだけ大きいなんて」
「凄いでしょ、私も最初見た時はね」
 トロットは自分のこともお話します。
「あまりもの大きさにびっくりしたわ」
「そうですね、この大きさだと」
 ここでこうも言った恵梨香でした。
「この船も一呑みですね」
「お口も大きいしね」
 トロットは物凄く鋭い牙が連なっているリバイアサンのお口も見ました、お口も凄い大きさで耳まで裂けています。
「あれだとね」
「この船も」
「一呑みよ」
「そうですね」
「そうしたことはしないからね」
 ここで、でした。そのリバイアサンがです。
 船の方にお顔を向けてそうして一行に言ってきました。
「僕は」
「あら、聞こえていたの」
「うん、そうだよ」
 こうトロットにも答えます、物凄く大きな声で雷みたいですがそれでも穏やかで聞きやすい声です。
「さっきからね」
「そうなのね」
「確かに僕は大きいけれど」 
 それでもというのです。
「船を食べるとかはね」
「しないのね」
「絶対にしないよ」 
 そうしたことはというのです。
「何があってもね」
「それでいつも海を泳いで」
「そうしてね」
 そのうえでというのです。
「困っている人がいるかどうかね」
「探して」
「そして困っている人がいたら」
 その時はというのです。
「助ける様にしているんだ」
「そういうことなのね」
「だからね」
 さらにお話する海獣でした。 
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