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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

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シャルロットの住まい探し 紅魔館編

学年別トーナメントは、第1回戦のトラブルによって頓挫となり中止
データ収集のために、全ての生徒は試合をするらしい。
閃輝とシャルロットは、戦いを終えて部屋に戻り荷物を纏め始めた。

「遂に幻想郷に行くけど大丈夫か?」
「うん、でもワクワクしているよ」

閃輝はバックをベットの近くに置き、ベットに腰掛けているシャルロットに尋ねる
シャルロットはまだ見ぬ世界にワクワクしている。魔法が存在する世界と言われて
とてもワクワクしている。が、問題はまだ解決していない、シャルロットの幻想郷での
住まいだ。紅魔館か人里、この2択になっているが実際に行ってから決める他無い。

「それにしても巧い事、祭日が重なって3日間の休みになったよね」
「まあそうなる様に、行く日を調整してたんだけどな。さあ行くぞ」

閃輝はバッグを担いで、扉近くに立つ、シャルロットはバックやポーチを持って
足早に閃輝に付いて行った。二人は廊下を歩いていく。不気味な暗さと夜の冷たさが
肌に触れる、シャルロットは少しびくびくしながら閃輝に付いて行く。

「あっでも外泊届け出してないんだけど・・・」
「それなら俺が出して置いた。山田先生も快く受け入れてくれた」

シャルロットはあまりの手際の良さに笑いしか沸かなかった。そして靴を履き替えて、IS学園から出た、そのまま歩いていくと誰かが立っていた。それは紫ではない。

髪は明るめの金色で、髪の質が良いのかとても艶やかで靡かせていて、服装はダークブルーのズボンに白いシャツを着用して、首に掛けている龍を模したネックレスが印象的。
とても柔らかな顔付きで優しさが滲み出る様。彼の名は龍刃 覇狼。
幻想郷の中では最も長く生を重ねており幻想郷を作り上げる際にも一役を担っていて、紫の大事な友人でもある。

「待っていましたよ、閃輝君」
「へ!?は、覇狼さん!!?ゆ、紫さんはどうしたんですか!?」
「彼女はもう二人を送り届けています。闇夜君と魔理沙ちゃんは先に戻りましたよ。
お二人は私が幻想郷へお送りする事となりました。おや、そちらのお嬢さんは・・・」

覇狼は視線をシャルへと向けた。シャルロットは緊張しているのか、硬直してしまう

「どどど、どうも!シャ、シャルロット・デュノアっと言いまふ!」
「ふふふ、そんなに固くならなくてよろしいですよ。自然体で結構ですから、リラックスを。
おっとまだ自己紹介がまだでしたね、これは失礼。私は龍刃 覇狼っと言います。幻想郷で甘味処を経営している、年寄りですよ」
「へ?でも、覇狼さんって・・・随分とお若いんじゃ・・・」

シャルは覇狼の顔を顔を凝視する。覇狼の顔にはシワ等は一切無く、若々しい肌をしていて、背筋はピーンっと伸びている。とても年寄りには見えない。すると覇狼はクスクスと笑った。

「確かに見た目は若いですが、これでも立派は老人でしてね。もうどれだけの年月を生きてきたのか・・・自分でも良く覚えていないのですよ」
「えええ!!?覇狼さんって妖怪なんですか!!?」
「まあ、そんなものですかね?兎に角、私は若くはないので、覇狼かお爺さんと呼んでもらっても結構ですよ?」
「ええ!?いえそんな・・・じゃ、じゃあ覇狼さんと・・・」

覇狼は満足したように笑って、閃輝達に背を向けて指を鳴らした。

すると、空間が真っ二つに裂けて行き、広がっていく。そして裂けた空間には沢山の竜の紋章が見えているが、その紋章はやや禍々しくも感じられる。

「!!?なんですかこれ!!?」

シャルロットは思わず大声を上げて驚いて、閃輝の後ろに隠れる

「大丈夫だ。これは『ディラ』覇狼さんの能力で作り出される一種の亜空間だ」
「で、でもなんでこんなに怖そうな模様いっぱいあるんですか・・・?」

シャルロットはディラから見えている紋章に怯えてしまっている。覇狼はその質問に答える。

「それはですね、これは元々紫が扱うスキマっという物を参考にしたものでね。スキマが一面にあるのですがそれでは落ち着かないので、ちょっと紋章にしてみたんですよ。さっ行きますよ」

そう言って覇狼はディラの中に入って行った、閃輝もあとに続いて入ろうとするがシャルロットは恐いのか、入ろうとしない。

「恐がってないで来いよ」
「う、うん・・・」

シャルロットは閃輝に言われて漸くディラの中に入った、それと同時にディラは閉じた。

「それでは、紅魔館までで宜しいでしたっけ?私がそのまま共に行動しても宜しいですよ?」
「いえ、流石にそこまでして貰うのは、弟子として申し訳ないので」
「『元弟子』でしょう?貴方は私の弟子を卒業しているのですから」

閃輝は覇狼と会話しながら、ディラの中を歩いていく。シャルは閃輝から離れない様にしっかりと閃輝の服の袖を掴んでいる

「は、覇狼さんって閃輝のなんの師匠なんですか?」
「私はですか?私は閃輝君に剣などの剣術や、魔法などを教えていたのですよ。ですがそれはもう以前の話です。閃輝君は卒業試験に合格していますからもう弟子ではありませんよ」

覇狼は昔を懐かしむ様に言った。閃輝は若干、思い出したくないような顔をしているが

「卒業試験って・・・覇狼さんに正面から究極の一撃をぶつけただけじゃないですか。しかも
覇狼さん、俺の最強の魔法食らってもピンピンしてたじゃないですか・・・あれは流石に凹みましたよ・・・」
「そうですか?あれは耐える身としては少し堪えたのですがねぇ」

少しすっか・・・と閃輝は落胆したように肩を落とす。実際、当時の閃輝の最強の魔法は今に比べ、威力は劣るものの十分過ぎる威力を誇っていたが覇狼はそれを、正面から食らっても、全く問題がないように立っていた。その様子を見たシャルは苦笑いをした


話をしながら3人は光に向かって歩いていくとディラが終わりを告げ、ディラから二人は出る事が出来た。
目の前に現れたのは、まるで血の色のような赤で、配色されたかなり大きな館と椅子に座って門の壁に凭れ掛りながら眠っている美鈴だった。それを見て閃輝は溜息を吐く。

「たっくまたかよ・・・まあ良いや、後で咲夜さんに言っとこ」
「ここが・・・紅魔館ってところなの?」

シャルロットは紅魔館を見上げながら、感嘆の声を漏らした。外界ではこれほどの館は少ない、しかも紅魔館は中々良い造りで美しい。

「そうだ、紅魔館(ここ)は俺の友人が主人の館だその他にも、さっきの門番、紅 美鈴さん、
動かない大図書館、パチュリー・ノーレッジさん、俺のナイフテクを教えてくれた完全で瀟洒なメイド、十六夜 咲夜さん、そして主人の妹フランドール・スカーレットが住んでいる、シャルロットの住まい候補の一つだな」
「で、でも受け入れてくれるのかな?」

シャルロットは不安がっている

「まあ、が受け入れてくれるとしても、一旦人里の方に行く必要があるし直ぐに決定する訳じゃない」
「そ、そうなんだ・・・」
「では閃輝君、もしも人里に顔を出すのであれば私の店に寄ってくればお菓子でもご馳走しますよ」
「はい、ありがとうございました」

そう言い残して、覇狼は再びディラに入り姿を消した。一方、閃輝の言葉を聞いたシャルロットだったが先程の紅魔館の住人の一人が気になっていた

「(動かない大図書館って・・・唯の引きこもりじゃ・・・)」
「ほら行くぞ」
「あ、うん。レミリアって人はどんな人なの?」

閃輝は紅魔館のドアに手を掛けながら、シャルロットを呼ぶ
呼ばれて閃輝が開けたドアをくぐるシャルロットは、紅魔館の主人がどんな人物か聞いた

「ん?どんな奴かって?」

閃輝は少し考えるように、顎に手を当てて、少しするとこう答えた。

「妹思いで優しい奴だぞ。まあ人間じゃなくて吸血鬼だけどな」

ある単語を聞いた途端、シャルロットの思考は停止した

「え・・・?吸血鬼・・・??」

シャルロットはその言葉を聞いたらある考えを持ち始めた

「(どう考えても此処って危険な館じゃ・・・)せ、閃輝!此処って普通じゃないよね!?」

確かに普通ではない、が閃輝は笑いながら答えた

「何言ってるんだよ、此処は幻想郷だぜ?常識に囚われてたら身が持たないぜ。頭を柔らかくして、柔軟に思考しな」

そう言って閃輝はどんどん紅魔館の廊下を歩いていく

「ええ!?ちょっと待ってよ~!!」

シャルロットは慌てて閃輝を追いかけた。

「はぁはぁ・・・」
「大丈夫か?」

シャルロットはあまりの廊下の長さに、肩で息をしていた。

「だ、大丈夫だけど・・・(はぁはぁ)なんなのこの廊下の長さ・・・」

シャルロットが前を見ると、まだまだ廊下は続いていた、とても先程見た館からとは思えない長さである。

「可笑しくない・・・?もう15分は歩き続けてるよ・・・外から見た時はこんな長い様には見えなかったy「それは私が紅魔館を広くしているからよ」え?」

シャルロットはいきなり聞こえた声に反応して、後ろを向くとそこには紅魔館のメイド長 十六夜 咲夜が立っていた。

「あっ咲夜さん、お邪魔してます」
「ええいらっしゃい閃輝君歓迎するわ、(でもこの女は一体)」

咲夜は閃輝に挨拶されると、眩しい位の笑顔で答えた。それは同姓であるシャルロットも、ドキッとしてしまう物だった。

「咲夜さん、こっちはシャルロット・デュノア、新しく幻想郷の住人となる俺の友人です」
「そう、私はこの紅魔館のメイド長をしている十六夜 咲夜よ」
「はい!僕はシャルロット・デュノアです!」

シャルロットは咲夜に、挨拶を返したが、咲夜は違う事を考えていた

「(・・・外来人・・・でも閃輝君は渡さないわよ、絶対に。雛に後で連絡しておきましょう、あの事を実行を移すときね)で、閃輝君、この子が新しいメイド候補なの?」

咲夜はシャルロットに興味が無くなった様に、閃輝に向き直った

「そんなところですね、まあ人里の方が良いって言うんなら別でしょうが」
「成るほどね・・・じゃお嬢様のところまで案内するわ」
「え?良いんですk「着いたわよ」早!?」

シャルロットが周りを見回すと、周りの景色は変わり、廊下から室内に変わっていた咲夜と閃輝の能力を組み合わせて、一気に部屋に移動したのだ。
この二人は、以前にもコンビを組んで異変解決の重要な役割を成した事があるのだ、能力は相性が良く、咲夜は閃輝のサポートがあれば時間を戻す事さえも可能にする事
出来る。なのでこの二人は良く異変時には、ペアを組む事が多い。

「じゃ、閃輝君、今夜待ってるから、必ず来てね」
「え?良いですけど何を待ってるって居ないし・・・」

閃輝は何をするのか聞こうとしたが、既に咲夜は居なかった
そして、咲夜が退いた所からは、レミリアが顔を出していた。

「来たわね閃輝に、シャルロット・デュノアさん」
「え?」

シャルロットの目の前には、大きめの椅子に座った大人のような雰囲気を見せている
幼い少女にしか見えない。

「私はレミリア・スカーレット、この紅魔館の主よ」
「ええ!!?レミリアが!!?」

シャルロットは大声を出して驚いた、まさかレミリアが主だと思わなかったのだ。しかもIS学園と会った時とは身長が明らかに違う

「シャルロット、言っとくがレミリアは吸血鬼だ。俺達とは生きてる日々が違う」
「ち、因みに何歳なの?」

シャルロットは恐る恐るレミリアに尋ねてみた、レミリアは紅茶を口に含んでからそれに答えた。

「そうね、最低でも500年は生きてるわね」
「5、500年!?うっそ~!!?」

シャルロットは予想外のレミリアの年齢を聞かされて、シャルロットは驚愕する

「まあ当然の反応よね。でも私は吸血鬼、貴方達人間とは次元が違うわ」
「それに真っ向から戦って勝つ、魔理沙姉や霊夢さんはどうなるんだよ」
「そうね、軽く人間は辞めてると思うわ」

シャルロットが唖然する中、閃輝とレミリアは、普通に会話をしていた。

「で、でもIS学園に居る時より縮んでない?」
「これが私の本来の身長よ、学園では魔法で大きくなっていたまでよ」

そしてレミリアはシャルロットに視線を移すと、少し笑みを浮かべた。

「?どうした?」
「いいえ、シャルロット、貴方は人里の方が良いわよ。運命はそう言ってるわ」
「へ?運命?」

シャルロットはいきなり運命と言われても訳が解らないが、閃輝は少し真剣な顔をした

「どういう事だ?レミリア」
「そのままの意味よ」

そう言って再び紅茶に口をつける、レミリア

「彼女の運命はとても面白いわ、まるで螺旋状のように渦巻いて何が起きて可笑しくは無い運命ね。それに紅魔館より人里の方が色々と便利でしょ?」
「まあ解った。シャルロット、人里に行くぞ」
「え?う、うん」

シャルロットは、慌ててレミリアに頭を下げて、部屋を出て行く閃輝の後を追った
一人になった部屋でレミリアは、再び笑いを浮かべた。

「それにしても・・・面白い運命と能力を宿しているわね」

レミリアが見た運命、それは・・・

「あの子は、その内幻想郷で面白い役職に就く事になるわね」

「ねぇ閃輝、さっき運命がどうとかって言ってけどどう言う事なの?」

シャルロットは漸く紅魔館出た所でISを展開して閃輝の案内で、人里に向かっていた

「レミリアの能力だ、この幻想郷には、固有の能力を持った人や妖怪、妖精が存在する。
レミリアの能力は運命を操る程度の能力。自分や相手の待っている運命を変えたり、その運命を見る事が出来る。さっきはお前の運命を見られてのさ」

シャルロットはその事を聞いて、驚いた。そんな能力を持った人達が幻想郷には沢山居るのかと

「閃輝も持ってるの?」
「勿論だ、『あらゆる速さを司る程度の能力』『不幸を幸せに変える程度の能力』
それが俺の能力だ」
「二つも!?でも司るって操るとどう違うの?」

シャルロットが気になったのは『あらゆる速さを司る程度の能力』の司る、操るとはどう違いのか解らないようだ

「司るって言うのは、支配し管理下に置くという意味だ。操るとはだいぶ違いがある
操るのは自由に使用できるだけで支配はしていない。俺はあらゆる速度を支配している
時間の速さ、自身の移動速度、老化、攻撃の速度などと言ったあらゆる速度を俺の意志で変幻自在に変化させる事が出来る能力だ」
「と、とんでもない能力なんだね・・・」

シャルロットは改めて閃輝の凄さを知った。司るというのは操るの上位互換だとシャルロットは理解した。

「僕にも能力はあるのかなぁ?」
「さぁな、有るかもしれないし無かもしれない。あるとしたらその時、覚醒するだろな。
俺の場合は死ぬかけて覚醒したが・・・まあとにかく次は人里だ」
「うん」

そのまま二人は飛び続けた、人里を目指して 
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