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八条学園騒動記

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第五百三十四話 宇宙の旅その一

               宇宙の旅
 天本博士はタロそしてライゾウと共にメカラドンに乗って銀河の大海原に出た、だが操縦は一切しておらず。
 メカラドンの快適な居住区で赤ワインを飲んでいた、そうして言うのだった。
「暫く振りの宇宙の旅もいいのう」
「あの、博士」
 その博士にタロが尋ねた、二匹も快適にくつろいでいる。
「一ついいかな」
「操縦は自動操縦じゃぞ」
「そうなんだ」
「聞きたいことはわかっておる」
 博士にしてもというのだ。
「そして身の回りの世話は全部ロボットがしてくれる」
「僕達のことも」
「トイレもあるしドッグフードもキャットフードもじゃ」
「あるんだね」
「あとじゃ」
 博士はさらに話した。
「お水もあるしミルクもじゃ」
「いつもと変わらない暮らしが出来るんだね」
「旅の間はな」
「それでだね」
「後は宇宙の旅を楽しむことじゃ」
「じゃあ幾ら寝てもいいんだね」
「食べてもいい」
 これもいいというのだ。
「楽しめばいい」
「そうさせてもらうね、お言葉に甘えて」
「思う存分な」
「じゃあおいら寝るぜ」
 ライゾウはもうそのつもりだった。
「そうさせてもらうな」
「うむ、好きにするがいい」
「博士がそうしているみたいにな」
「それでじゃが」
 博士は赤ワインを飲みつつライゾウにも言った。
「わしも飲んでおるが」
「宇宙に乗る前も飲んでたよな」
「今日は飲みたくてな」
 赤ワイン、それをだ。
「そうしておる」
「今日二本目かよ」
「もうすぐ三本目じゃ」
 飲みつつの言葉だった。
「この通りな、肴は今もチーズとワインじゃ」
「それとクラッカーもあるな」
「どうもこの三つがあるからじゃ」
 そのせいでというのだ。
「酒が進むのじゃ」
「そうなんだな」
「いや、特にチーズが美味くてのう」
 三角にスライスしているチーズをフォークに刺してそうしてから口の中に入れる、そうしてまた言うのだった。
「それでじゃ」
「飲むんだな」
「赤ワインにはパスタも肉もよいが」
 それでもというのだ。
「チーズもよくてのう」
「それでだな」
「いや、こうしてじゃ」
「どんどん飲むんだな」
「チーズはシンプルであるが」
 ごくありふれた食べものだ、連合でもよく食べられている。
「それであるからこそな」
「ワインにもいいんだな」
「特に赤ワインにな」
 こちらのワインにもというのだ。
「あと紫、青、緑、黒にも合う」
「何か濃い味のワインに合うんだな」
「そうじゃ」
 その通りと言いつつ自分でグラスに注ぎ込みまた飲む。
 そうしつつだ、さらに言うのだった。
「淡い色のものにも合うが」
「濃い色の方がか」
「合ってな」
 そうしてというのだ。 
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