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魔法少⼥リリカルなのは UnlimitedStrikers

作者:kyonsi
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Duel:16 合宿最終日・巡り巡って勘違いは加速する


――sideアリシア――

 私、アリシア・テスタロッサは。とある疑問を胸に抱き注意深く観察をしております。
 その内容は1つ。
 サトと響の関係性を。ガッツリ観察しています!

 と、言うのも。

「「……もふもふ」」

 寝ぼけ眼で、朝食を並んで食べてる姿を見てると。完全に同じ行動パターンなのよねー。
 きれいな箸使いに、三角食べ。時折お茶を飲む動作も……全部同じ。
 だから、私は1つの仮定を建てたんです。
 昨日、響のお父さんのお話をした時に。そっくりなのは親子だからという話の他にカードを見て違和感。
 確かにそっくりだけど、それ以上にサトと響がそっくりなことに改めて気づいた。
 そこからぼんやり考えて、未来からやってきた皆の状況を少し考えてみる。
 異なる世界の未来のフェイトは、単身で留学、私やお母さん、小さい頃から家庭教師をしてくれてるリニスと離れている。
 同じくはやても多少違うという点が有るけれど、アインスの単騎留学と、飛び級をしていないこと。 
 中島姉妹も、二人だけお父さんに引っ付いて別れて暮らしている……。
 きっと、その頃を再現……? するために、異なる過去に飛ばされたとしたら納得行くし……嬉しいことなんだよね。

 でも、響とはな、奏も来た理由が今一分からない。
 奏はフェイトの後輩で、はやての助手をしてるって言ってたから……おそらく本当に巻き込まれたんだろうけど。
 問題は緋凰姉妹だ。
 こちらも偶然だと思っていたけれど、響のお父さんの性格を聞いて、その違いに驚く半面。あんまり性格面は似てないのが分かる。
 だけど、そこでふと閃いた。
 外見……特に髪色はお父さんからで、性格面は。

「サトから持ってきた。つまり、響とはなのお母さんは、将来のサトなんじゃないかっていうのが私の推理。どう?!」

「それを何故我に言うのか、些か疑問なのだが?」

「いや、アインスと二人で寂しそうだったから」

「寂しいわけあるかぁ!」

 ばしぃと持ってたパンフレットを叩きつけて。埃を払って綺麗にし直してからページを開く辺り。流石王様、きっちりしてる。

「王の言う通り。いつもの面々に話せばよかったのでは?」

「……フェイトは、なのはに相変わらずお熱だし、アリサとすずかはイチャイチャチュッチュ。チーム中島ーズはおっきなお姉ちゃん達と沢山遊んでるし……気になったことを話そうと思ったら、消去法でこうなったの」

「……我等は余り物か」

「フフ、だが余り物には福が有るというじゃないか」

 はーっと疲れたため息を吐く側で、楽しそうに笑うアインスを見ながら私も笑っちゃう。

「……だがまぁ。確かにちびひよこの言う通り。無関係……ということは無いだろうな」

「……しかし、でもそうか。サトにも恋人ができて、生まれるのは響とはななのか……そうか」

 考え込むような王様と対称的な、少し落ち込むようなアインス。
 ……おや? 咄嗟に王様とアイコンタクトで意思疎通。

 ―――このリアクションってなあに?

 ―――知らぬ。が、我にもわからん。

 短く交信するけど、二人して分からない。だって、そんな様子は今まで無かったから。
 恐る恐る首を傾げながら……。

「……アインスは、サトのこと好きなの?」

 一瞬顔を赤くしたかと思えば、視線を泳がせながら。

「……なんだかんだで、家の皆や主以外でここ一年で、一番接した人だからな好意位は持つさ」

「「……あー」」

 確かに、と思う半面。ベルカ式の設定するためにサトがよく八神堂に行っては作業してたもんねぇ。
 うちのお店には震離が、総本山では流がやってたけど……そっかぁ、アインスって、そっかぁ!
 すぐに王様に視線をグリンっと向けて。

 ―――LOVEかな? LOVEかな!?

 ―――……色々形が有るだろう。親愛、敬愛、Likeの派生かもしれぬ。

 なんて、目では冷めた事言ってるけど、顔が若干紅い辺り、やっぱり王様も気になってんじゃーんって。
 だけど、主はやてLOVEだと思ってたアインスがねー。
 
 まぁ分からないことはないけどねー。なんだかんだで気配り上手だもん。多く話さない代わりに、エスコートしてくれるし。さり気ない仕草は見てて感心するし。
 そのお陰で男性人気よりも、女性人気が高くて。シグナムとうちのフェイトと人気を争う程だもんねぇ。
 騎士っぽいシグナム。王子様っぽいフェイト、その中であまり試合に出ないのに人気を確立してるサトは凄いなぁって。
 実際、初心者の育成……と言うかはじめてのプレイヤーに丁寧に教えてくれるしねぇ。
 ……お蔭で、ベルカプレイヤーすごく増えた時期も合ったしね!!
 
 あれ? でも待って。皆食事してた中で確か七緒が気になることを……あれ?

「七緒が言ってたけど。サトと響とよく似た人が居たって言ってたから。

 ……将来サトの旦那様になる人?」

 思わず呟いた一言で、空気が凍りつきました。そして、ふと視線を感じて振り返ってみれば。

「……聞いたシュテルん?」

「えぇ、面白い事を聞きましたね」

 シュテルが今まで見たこと無いような顔で、ニヤリと笑った瞬間。

「ま、まて二人共。今のは―――」

 王様が慌てた瞬間、二人共ダッシュで移動してった。マジかぁ。


――side七緒――
 
「「っくしゅん」」

 ……やっぱり似てる。いや、似てるじゃなくて、同じ行動パターンなんだ。

「大丈夫ですか?」

 慌ててティッシュの箱を二人に差し出すはなは、やっぱり妹っていうより、少し違うように見えるし……。

「ん、平気。ありがと、はな」

「……ありがとう、はな」

 鼻を拭いて、くしくしと鼻を擦って……そのままチリ箱に入れて。不思議そうに首を傾げるタイミングまで一緒。

「変なくしゃみでしたね」

「フフ、なんだろ突然だったから驚いた」

「……ん」

 響は少し驚いたように困ったような笑みで、サトも口元は動いてないけど。目元は優しそうに……困ったような、ちょっと難しい目を。

 だけど、サトと響は違う人。響が成長したからって、サトには成らないし。違う未来からきた以上、サトの過去は響じゃない。
 なのにこんなに似てるのはやっぱり関係が有るのかな?
 雰囲気は似てるけど。髪の色や、瞳の色。よくよく見たら違うところの部分が多い。

 でも……。

「……また、この皆で温泉入りたい。ダメ?」

 一瞬間が出来てから、はなが笑って。

「行きましょうよ! すぐ!!」

 私の手を取って、二人で万歳。それを見てた二人は優しく笑って。

「夕方には帰るんだ。入らなきゃもったいないし、な?」

「……あぁ。そうだな」

 すぐに用意してくれる。こんなに早く、聞いてくれるとは思わなかったけれど……うん。

「……せっかくだから、大浴場行きたい。いろんなお風呂あったし……」

 ……あ、二人して固まっちゃった。

 

――sideフェイト――

「知るわけ無いじゃないですか。普通のカポゥが何してるかなんて。というか、失恋した人にそんな事聞くなんて、先輩ドSですね」

「フェイトちゃん、その質問は無いわー」

「いや……あの……ゴメン」

 何気なく、はやてと奏に普通のカップルについて話を聞こうと思ったんだけど……一言で切られました……。
 私が悪いっていうのは分かるんだけど、うん……ごめんなさい。

「……まぁ。カップル……というより、夫婦と長年の好き同士を見た限りだと。ゆっくり詰めていけばいいじゃないですか。人によって解なんて違うんですから。
 そもそも響ならそれこそ普通に受け入れてくれぶくぶくぶくぶく……」

「あー、フェイトちゃんのせいで奏がいじけたー。どないすんねーん」

「ちが……奏もゴメン。いじけないでー」

 肩まで浸かっていたのが、いつの間にやら沈んでるし。
 
 今日の夕方には旅館から撤収して帰路につくことになったのだけど。偶には……というより、実はこの三人で温泉に入ってないよねという事で、三人で入ってるんだけど……気心しれた仲ということもあって、相談した結果がコレです。
 結論言うと、知れてなかったのと、傷を抉っただけの様です……ごめんね奏……。

「ぷはっ。まぁ、それは冗談……にしてはひどい冗談ですけど。ゆっくりゆっくり紡いで行けばいいじゃないですかー」

「せやんなぁ。で、1つ気になったんやけどなー。夫婦と好き同士って、誰のこと指してるん?」

「へ? あぁ……優夜と時雨。煌と紗雪ですねー。前者が夫婦、後者が長年想い合ってる組ですねぇ」

「「へー」」

 それは意外というか、いや。順当なのかな? 六課が始まった時も、その組で別れてそれぞれ教えてたらしいし。その時もその組み合わせ。そして、4人が戦えるって分かった時も。優夜の側には時雨が居たらしいし、煌のサポートに紗雪が。
 そう考えると分かりやすい事にはなっていたのかな?

「……AMFの中でも普通に動ける忍に、指揮を取り、超長距離狙撃も出来る弓術使い、手負いながらもSランクを圧倒する槍使いに、2対1でも勝った上に強化ガジェットと戦闘する斧使い。
 残りの響や奏、震離に、教会のアーチェとそれと拮抗したリュウキと全員数えたら割と頭おかしい戦力しとるよね?」

「んなこたーないですよー。だって、本当に頭おかしいって捉えられてたら……機動六課に集まるなんて事、無かったもん」

 湯船の中で膝を抱える奏。響から聞いた過去から察するに……皆それぞれ辛い思いもしてたんだよね。
 だけど、もし皆が正当に評価されていたら、きっと今みたいに交流することは出来なかったんだろう。

「まぁ、それぞれの……機動六課に来る前の部隊長達は実は仲良しでしたっていうのは驚きましたけどねぇ。だから、うまい具合にそれぞれ合わせられたんだーって。もっと言えば、私達の過去を知ってての異動指令を取ったんだーって」

「色々あったけど、ほんまそれ。居なかったらもっとえげつない事になってたんやろうし……せやけど、怪我させてもうたしなぁ」

「あぁ、別にそれは皆気にしてないですよ。寧ろ、優夜は時雨愛おしさで敵放っといたのを悔やんでたし。紗雪は頭に血が登りすぎて雑な攻撃してしまったって悔しがってましたからねぇ」
 
 へー、と。はやてと二人で驚く。そう言えば、ゆりかご戦直後から、時雨と行動してるシグナムが面白いことを聞いたって言ってたのはこの事なのかな?
 ……そう考えると、あの4人についても私は全然知らないんだなぁって。

「せや。あの4人についてシビアな所以外おしえてーや。それこそ、皆の―――」

 そこまで言いかけた瞬間。

「姉様! あそこに滝湯があるんですよ。入りましょう!」

「……滝湯だから微妙だけど、基本は浸かりましょうっていうのが正しいと思うよー」

「サト、サト。あそこにね。露天風呂があってね。紅葉になりかけてるのが綺麗なんだ」

「……そっか、それは楽しみだ」

 声が聞こえた瞬間、咄嗟に3人揃って岩陰に隠れる。慌てて視線を向けるとそこに居たのは……。
 響とサト、はなと七緒が揃ってた。


――sideサト――

「……なぁ。この世界に俺たちって存在してんの?」

 唐突に露天風呂の縁に座って、半身浴のようにしながらコイツは言う。
 考える間もなく一言だけ。

「……わからん。関係ない話だけど、エリオやキャロの存在……あぁ、一年生程度の歳で居るのは分かってるし。あとは……あぁ、あの召喚士の女の子も居た。後は……ナンバーズ、ここに居ない子たちはそこに居るかな」

「……ぁー、確かリインさん達が留学してる先に居るんだっけ? 確か、テスタロッサ家に泊まった時にそんな事聞いた覚えがある。
 それにしても、次に何聞こうかってしてるのが分かるのは助かるなぁ」

「……あぁ、お互いに」

 遠くではなと七が仲良くお風呂巡りをしてるのを横目に。眼の前のコイツと同じ風呂で温まってるのはやはりこそばゆいような、妙な感覚だ。
 こんなタイミングだし、気になってたことを聞いてみるか。

「……緋凰の名はつかわんの?」

 ピクンと、体が反応してしまい。お湯が跳ねるのが分かる。

「……その名前を名乗るのも良いと思うけど。世界にそんなに無い名字で、母さんから貰った性だ。
 今は難しいかも知れないけれど……何時かまた、名乗ってくれよ」

 ぱちゃぱちゃとお湯を蹴って波を立たせながら、コイツは……響は言う。ふと、昔に……。

「……そういや震離が言ってたっけなぁ。子供が出来たらサトネって名付けるといいって」

「あぁ、言ってた言ってた。そこから名前とったの?」

「へ? だから震離が……あれ?」

 そこまで考えてふと止まる。自分がアイツらと出会った時。自分のことをサトと呼んだ。
 だけどそれは、アイツラの過去に出会った自分が、サトと名乗ったって言ってて……あれ?

「……すまん。ちょっと……あれ? じゃあ、この名前って誰が……あれ?」

「お、おぉ……すまん。なんか触れちゃいかん所に触れたか」

「いや、そういうわけじゃ……あれ?」

 なんだっけかな。こういうの、タイムなんちゃら……初めて名乗ったのが間違いなく居るんだろうけど、変にループしてるような……駄目だ。考えれば考えるだけ、虚無りそう。こういうの苦手なんだよなぁ。

「……しっかし、話変わるが……普通スタイルの良い美人? がそこに居るのに、何も思わない俺は……なんだろうね?」

「おい馬鹿やめろ。気持ち悪い……ってことは無いが、なんか……腹が立つ」

「悪かった。だけど、有栖着物店からしたら喜ばれそうだけどな」

「……鏡見て言えよ。お前のナリも相当だぞ」

 お互いに苦笑を浮かべる。こちらは奏に近いお蔭で良いスタイルだと自負してるし。響の方は、スタイルは……まぁ、置いといて。髪質は良いし。髪の量も多分男の頃よりも細くて多いんだろうし。

 ……あぁ、やっぱり。俺は……いや、響は母さんにそっくりだったんだなぁって。改めて思うわ。それが女子になったら尚の事か。
 動作はまごうことなき俺だけど……。

 それにしても。

「「……お互いに興味持たないって大概だよなぁ」」

 はははと力なく笑う。お互いに意味を分かるからこそのことなんだけど。こうして考えると俺って相当枯れてたんだなぁって。

 なんて考えてると、遠くからタタタッと走るような足音が聞こえて。

「……風呂場で走りそうなやつって心当たりは?」
 
 苦笑いを浮かべながら響が浴槽へ体を沈めながら言うけども、首を傾げながら。

「心当たり多すぎてなぁ……誰が、とは言えんなぁ」
 
「フフ、そっか」

 なんてことを考えてると、足音は近くまで聞こえ、そして。

「サトみーーーーーっけ!」

 その声が聞こえたと同時に、派手に水飛沫が上がったのが見えた。


――sideフェイト――

「……やばい。どっちも響だと思うと……なんかこう、込み上げてくるものが」

「フェイトちゃんキモーイ」

「先輩ヤバーイ」

「……ねぇ、二人共ひどくない? ねぇ?」

 直前まで、込み上げた何かが鼻から出そうになったのが一気に引きました。
 
「……んー。なぁ、フェイトちゃん? 私なぁずっと気になってたことがあんねんけど? レヴィやシュテル。王様にユーリ、アミタとキリエに……心当たりって無い?」

 眉間にシワを寄せて分からないーって様子のはやてを見ながら、私もふと思う。言われてみればどこかで会ったような……そうでもないような。
 ……あれ?

「ねぇ、何で今それを言うの?」

「へ? だって、今響とサトの間にレヴィが突っ込んで、追いかけてきた王様達が叱りつけてるのを見てるからや」

 ちらりと、はやてと奏の間から向こうを見る。はやての言う通り叱ってるのが見えて、少し微笑ましい。
 それにしても、はやての言う心当たりは……ちょっぴりわからないというのが妥当かな。
 引っかかるのはあるんだ、勿論。だけど、違和感とまではいかないんだよね。誰かに似てるなーっていう程度の差異だけど、その誰かがわからないっていうのがあって……うーん。

「……さっきの質問の答えだけど。ある、けど、誰かに似てるっていうくらい」

「……やっぱりかぁ。いやな。私も誰かに似てるけど、それが分からへんのよねぇ。あんな個性爆発の、それぞれそっくりさんなんてそうそう忘れる訳ないはずやねんけどなぁ」

 あ、向こうでシュテルがレヴィの顔をアイアンクロー……目元が見えないから分からないけど、とにかく怒ってるのが分かる。
 その隣で、アインスがサトと響にバスタオル渡して……あ、サトの髪を拭いてるのはちょっといいなぁって。
 響の髪を拭いてるのは……あ、お姉ちゃんだ。ちょっと羨ま……あ、なんでもないです。 

「……やっぱり体に引っ張られてるんかな? サトはともかく響は女の子になって日が浅いというか、男の感覚が強いはずなのに。アインスの体見てもなんとも思ってないのは同性のせいなのか……それとも、響が興味を持っていないからか。どっちやろね?」

「「あー……」」

 女性陣の中にぽつんと響が1人居る。字面にしたらそうでもないけど、浴場の中でってことを考えたら……結構な事、なんだけど。
 視線の先の響はこれと言って気にしてる訳でもないし。
 
 あ、いや違う。よくよく見たら、響もサトもすごく遠くを見てるようなそんな様子だ。
 
「……そういや奏? 奏は響のお父さんに心当りとかはあるん? 昨日の晩ごはんの時に話題に上がってたけど」

「んー。いや、全く。写真というか、顔は知ってたりします?」

「うん、知っとるよ。確か響のお母さんと抱えられた響、そしておじいちゃんが写ってたやつがあったねぇ」

 私は他の写真も見たことあるけど、はやては響が謹慎から帰ってきた時に見せてもらってたっけ。
 確かそういう事あったなぁ。目元以外は響とそっくりだった筈。

「……もしかするとその人、おじいちゃんが響のお父さんじゃないかと思った時期もあったんですが。あの時点でかなりのご高齢ですし、何より私達は……震離も含めて話したこと無いんですよ。
 震離と響が出会ったときには既に亡くなられたので……響も覚えてはいるけれど、何時も笑ってたくらいしかわからないって何時だったか言ってましたし」

「……そっか」

「……あんまり触れられて欲しくない事かもしれないね」

 もう一度響のお母さんに挨拶をしに行きたいけれど、それはまだまだ先になりそうだ。この世界の本来の響たちがどうなってるかわからないし、元の世界に帰っても。現状ではゆりかご戦の後処理でまだまだ忙しい。
 そんな中で地球へ帰ることも難しい。時間が取れるまでまだまだ掛かりそうだし……あぁ、思い出すと震えてきたよ……。

「フフ」

 懐かしい話題のせいか奏が微笑えんで。

「……一番私が普通だった事実が悲しいなぁ」

 静かに泣いてました……。

 シクシクと泣く奏曰く。
 本当に普通の女の子であることを気にしていたとのこと。響のお母さんから手解きを受けたとは言え、そもそもクラスでも中程度の運動神経に、魔力量だけは桁違いに多いという利点のみだという事の後ろめたさ。響達に比べると適応し辛さに、両親の理解を得るまで時間が掛かったこと。
 実際、何もなさ過ぎて一度は辞めようとさえ思ったらしい。
 ただ、その際に才能……魔法を数式と捉え、その分野では天賦の才能を持った震離の合流から少しずつ変わっていった。
 一般家庭で、普通の女の子と。父が裏の仕事。母が高名な学者で、自身も天才と呼ばれた女の子はそこから絡んで、ぶつかって。
 そうして、7人揃ったっていうお話を奏から聞いた。
 
 ……いつか、皆の子供時代のお話も聞いてみたいなぁって。

「……まぁ、一番驚いたんは。そんな人材の宝庫がニアミスで今まで確認取れてなかったって言うことやんねぇ」

「エイミィやお兄ちゃんも驚いてたなぁ。だけど母さんやシグナムが言うには。何らかの手段で隠してたんじゃないかって、現に管理局の訓練校に出せるってことは独自のパイプを持っていて、だから今まで伏せることが出来たかもって」

「せやんなぁ。嘗てシグナムが幼い響から魔力を奪ったにも関わらず。再会するまでその記憶が抜けてたらしいし。なんやあったんやろね」

 ふぅ、とため息を吐きながらはやては言う。

「まぁ。結果論やけど。こうして今は道は重なったんや。それは良いことだと思おうや。体張ってくれた子に掛けられた容疑ももう少しで晴らせる事が出来るやろうし」

 ……少しだけ寂しそうな顔をしている側で、はやてや奏のやっていることを思い出す。
 特にはやては事後処理も兼ねているせいで負担は大きい。奏に至っては専任させているにもかかわらず、大変そうだというのがよく分かる。
 それ程までに難航しているんだ。
 
「……恥っ。懐かしいってほど経過したわけじゃないのに泣いちゃうって」

「まぁまぁ」

 手ぬぐいで目元を隠す奏の頭を撫でながら、私もはやても優しく笑って。

「あの子らと合流しようや、奏ものぼせせて泣いちゃったしなぁ」

「ぇ、ぁ、うぅ」

「そうだね。行こっか」

 ゆっくりと奏の手を引いて、向こうにいる皆の元へと移動して。
 その際に、響とサトが小さく目を反らしたのが少しだけ面白かったなぁって。
 

――sideギンガ――

 お昼を食べ終わって、皆がそれぞれ帰る用意を初めてるのに。
 気まずい、と思っちゃいけないんだろうけど……それでも、この状況は。

「しんどいよね。ゴメンなギンガ。自分と一緒なのは気まずいよね」

「あ、いや」

 そんな事無いよ。って言いたいのに、一瞬ためらってしまった。
 私の知ってる人とほとんど同じで、同じ記憶を持っているのに、だ。
 仲良くなれるはずなのに、このままじゃいけないのは分かってる。ならば、やることは!

「サトー。みんな集まってきたー?」

「……中島家の皆さんはしっかり集まってて、研究所組や、T&Hの皆さんがまだ」

「はいはい、じゃちょっと声かけてくるよ。流は王様の方へ、私はT&Hの方へ」

 不意に顔を出した震離と業務連絡のようなやり取り。声を掛けようとした時に限ってかぶるのは不思議だなーと。

「サト、は、引……率、してるんだね」
 
 ……何を私は聞いてるんだろう。
 せっかくスバルが気を利かしてくれて、サトと……もうひとりの響と一緒に話すと良いよって言ってくれたのに。
 お母さんや、小さな私、姉妹の皆と母さんを連れてってくれたのになぁ。

「……フフ」

「……ぁぅ」

 小さく笑われた。きっと変なこと言ったって思われたんだろうなぁ。

「……初日から……いや、この旅行の集合日。あんな態度取ってたらそう思うよね。間違いないさ」

「……気に触った?」

 恐る恐る聞いてみる。するとキョトンとした目をしたかと思えば、優しそうに目尻を下げて。

「いや、気に触る事は無いよ。あちらとこちらとじゃ、全然違うって自覚してるからねぇ。仕方ない」

 そんな事ない。そう言ってあげたいけれど……。
 私が知っている響とは同じなのに、こんなにも違うというのが痛いほど分かる。
 でも、とサトが言葉を紡いで。

「……まぁ、一度は絶望しきって、何も受け入れたくなくて……正直今でも、元の世界に帰ったらどうなるか分からない。ちゃんと受け入れられるのかって言う事。
 何より、元の世界の皆には悪いことしかしてないからねぇ」

「え?」

 悪いことをしたって、だって、それは……。

「心配してくれたのに、無理して大丈夫って言ってたけど、何いってんだコイツって話だよなぁ」

 ―――ぁ。

「自分の世界の皆の顔は……最後に会いに来てくれた時の顔は今でも忘れない。自分にとっても、皆にとっても辛い顔しか見せてない。
 ちゃんと大丈夫って言って安心させなきゃ。というか、あっちのギンガの最後の顔って泣かせたままだったし、不味いね。会ったら拳が飛んできそう」

「え、いや。飛ばさないよ……多分!」

 慌てて訂正すると、小さく笑みを浮かべて。

「……やっと、()の知ってるギンガになった」

「……ぅ、あ」

 やられた。そう気づいたときにはもう遅かった。


――side奏――

「……帰りたくなーい」

「ほらほら、そんな事言わないで帰る用意をしましょうよーっと」

 ぐでーっと机に突っ伏したままのアリシアさんに声を掛けながら私も私で荷物を纏めていく。 
 しかし、元々外部の人間なのに旅行にまで同行して大丈夫なんだろうか?
 あ、考えるとお腹痛くなってくる……やめよ。

「ねぇ奏? すずか、アリサと続いたから……次はうちに遊びに来てよー?」

「ぁー……そうだ。次のお泊りさせてくれるお家を探さないと。多分きっとお言葉に甘えるかなぁと」

「歓迎するよー。なんだろう、奏って歳上なのに妹みたい」

「あはは、アリシアさんは、年下なのにお姉ちゃんみたいですよ」

 お互いにニーっと笑って。

「お姉様、とでも呼んでみましょっか?」

「いいよー、そのかわり目一杯可愛がるよー?」

 一拍置きまして……。

「「フフフ」」

 お互いに可笑しくて、笑って……本当に気が合うなぁと改めて思いました。

 あーぁ。別れる時色々しんどくなりそうだねぇ。

「それに、おっきなフェイトの色恋沙汰も、奏なら把握してそうだし、ね?」

「色々してますよー? ただ、変な影響を与えちゃ不味いらしいのであまり話せませんが」

「えぇぇーそんな殺生なぁ……あ、でもそんな事聞いたら、ママがショック死する」

 ……え?

「そんなバカな」

「ううん、ママなら大いにあり得る。だってフェイトってば……あ、こっちの方ね。学校でラブレター貰うこと多いんだけど、一度教科書とノートに挟んだままお家に持って帰って、ママに見つかって……立ったまま気絶したし」

「……嘘ーん」

 ラブレターなんて、と思ったけど。先輩ってば同性からの人気も高いらしいしねぇ。ありえない事ではないかな。
 だけど、ママって……プレシアさんって、凄い親ばかと言うかなんというか。うん。

「もしかして男装っぽい格好したら、すごく喜んだり、とかは?」

「あったよぉ。鼻血出しながら写真一杯取ってた。なのはが白い格好だったから良く似合ってたなぁ。お姉ちゃんとしても鼻が高い事。私は丈が合わなかったけど……」

「ドンマイです」

 先輩ってば、子供の頃もこんな感じだったのかなーと。というか、ゲームの中で……全国クラスでかっこいいとかファンの数が凄そう。
 そう言えば、ミッドチルダにもそういうの有るんだよね確か。管理局員の一部の人って下手なアイドルよりも人気だもんなぁ。そう考えると改めて機動六課の人たちって凄いと言うかなんというか。
 何時だったか、地球の文化を真似てって、バレンタインもホワイトデーもやるようになったし。クリスマスも、良い子にプレゼントを送る日って感じで溶け込んでるしなぁ。
 こういう所から影響出てたのかなぁーと今更ながら思う。

「奏も騎士っぽい格好してるから、サトと並んだらおそろいっぽくて格好いいと思うよ?」

「あー、私はなんちゃってだからねぇ。なんとも言えないけどね」

「またまた、砲身の長い二丁の銃が騎士の剣っぽくていいのに。きっと人気出ると思うんだけどなー、お姉ちゃんとしては?」

「おっきなフェイトさんが話題を掻っ攫っていきますよ、そう思いませんかお姉様? 
 さ、お姉様もだべってないで帰る用意をしましょうよ。帰ったら沢山お話しますから」

「はぁーい」

 さっきまでうだうだしていたのが嘘のように、テキパキと行動を始める。
 もしかして……私と話すために待ってた、とか?
 プレシアさんたちは既に用意を終えて、なのはやフェイト達と一緒にお土産を選んでるから……そうなのか、な?

 まぁ、いずれにしても。

「……お姉ちゃんは強し、かな?」

 思わず笑ってしまう。だけど、さっきの言葉を思い出してちょっと複雑な気分。
 サトとおそろいっぽくて。
 その通りだ。おそらく、サトが……響の中に居たあちらの私がそうさせたのだろう。私のバリアジャケットに似たような格好。
 しかもあの格好は、トワイライト、ムーンリットを扱ってた時の格好。サトを護るために硬い防御のあの姿をとらせたと思えば色々納得行くしね。 
 
 ……それにしても、めっちゃ鋭くて軽く冷や汗が出てきたよ……。
 めんどくさいなぁ。響の姿はお父さんと認知されてるせいで、その響と先輩付き合ってますよ! なんて言えないし。
 というか、何!? 失恋した私に対してこの仕打ってなんなの!?

「あーりっしあー、おーわった……って、奏どうしたの? なんか凄い、なんというか怒ってるような悲しんでるような……あ、能面みたいな顔しっ?!?」

「シッ!」

 そこからやってきて開口一番でひどいことを言う親友に対して思わず脳天チョップ。

「何すんの!?」
 
「いきなり能面みたいな面って……喧嘩売ってんの!?」

「なんとも言えない顔だったからそういったんじゃんよ!? 何、ストレートにキモいって言ったほうがッ……打った、二度も?!」

「うっさい、幸せオーラが疎ましくてずるいわ!!」

「ず、ずるくないし! 髪長い頃はお嬢っぽくて、短くなったらかっこいい系のほうがずるいわ!」 

「ずーるーくーなーいーでーすー!」

 ワーワーと、震離と全力で言い合いをしてる。

 ……あぁ。やっぱり楽しいなぁ。

「……うわぁ、ちっちゃい子みたい」

「「ちっちゃくないし!!」」

 アリシアさんのツッコミが映えました。


――side響――

「実際の所……流はどのレベルになったんだ?」

「……ヤブから棒になんです? 突然?」

 帰る用意を終えて暇をつぶしていた所にやってきた流を捕まえて。
 ふと、気になったことを聞いてみる。
 気まずそうな顔をしてるから、意味は伝わってるんだろうけど……。

「いやぁ。よくよく考えりゃ俺とサトと戦った訳だし」

「一方的に撃ち抜かれて墜とされた、それ以上もそれ以下もないですよー」

「いやいや、墜ちた後直ぐに復帰して、フェイトとやりあったじゃんか?」

「防戦一方でしたよ。ザンバー振り回すフェイトさんの攻撃力の高さは凄かったですし」

 のらりくらりと、相手が強いとかわされていくのは歯がゆい。
 そういった話をしたいわけじゃないんだけどなー。

「……じゃあ言い方を変える。流のスタイルはあれで完成なの? 双剣に小口径二門と大口径二門づつとか言うまるで城塞スタイルだけど?」

「それは……んー……」

 困ったように笑って、一応周囲を見渡してから。

「あと一歩、ですかねぇ。アンサラーとフラガラッハはまだまだギルやアークには及ばないですし、私自身まだ全力を出せないですし……。
 まぁ、出せたら出せたで困るんですけどねぇ」

「はは、それはヴァレンさんみたいに空割ったとかその辺りのこと?」

「いやぁ。それ以上ですよ……ぁ」

 ラップ音と共に空気が凍った。
 流は失言したという風に目を泳がせて。こちらは嘘だろって感じの顔をして。
 え、いやでも待って。ということは、流が全力を出せるようになったら、事実上の……。

「あ、私王様達の様子を見に行く途中でした、それではコレで」

「いやいやいやいや、待て待て……うん?」

 逃げる流の腰の辺りにしがみついたと同時に、明らかに異様な軟からさを直に感じて。そこで察する。

「……なんで?」

「……まぁ、思ってた以上にダメージを負っていたので。それに私はあんまり性別に拘って無いので、バレなきゃいいかなぁと」

 ……ウワァ。俺以上になんか可愛そうな悟りを開いているような、そうでもないような。

「変身魔法を併用しているので、見破られることは無いのですが。最近は変に無理してたので見た目だけ掛けてたんですよねぇ……それが仇になるとは」

「……よくよく思い返せば、あの一戦以来レヴィ達に抱きつかれるのを躱してたもんなぁ。なるほどコレが原因か」

「えぇ、一応男で通してますからねー。まぁ、私としては何方でも構わないんですが、それは私という存在に悪影響が出るからって震離さんに言われてるんですよ。
 ……と言ってもその当人が一番喜んでると言うか楽しんでるというオチ付きですが」

「お、おう」

 遠くを見るような目をしながら、フッと笑うのを見て考える。
 この子ってこんな笑い方する子じゃなかったのになぁと。
 確信を得てないからなんとも言えないが、自分達を知ってる俺達……震離と流のいう自分達の世界の俺達と離れて、ここに来るまで再会が無いということから割と時間も経っているんだろうなぁ。
 少なくとも、この子の考えや、心が成熟する程度には。
 
 平行世界、ねぇ……考えたくないけど、色々な可能性が具現化した世界だとしたら……思う所は色々ある。
 俺の歩んだ人生ととあるタイミングまでは寸分違わなかったサト。
 もしかすると何か知らない所で変わったことがあったのかも知れないが、それはわからないし。

「……まぁ、そちらの世界の私も基本は同じ様で何よりです。違う世界の私は……管理局と敵対してたみたいですから」

 寂しそうにそういう顔を見て、こちらにも悲しみが伝わってくる。

「IFってやっぱり怖いな。だけどまぁ、その世界もなんだかんだでうまく行ったんだろ?」

 言い切ると同時に流の表情が見えて、やらかしてしまったことに気づいた。
 悲しそうに俯いてて、慌てた瞬間。

「……ぇ?」

 自然と俺の手が流の頭を撫でた。変身魔法で成人になっているのに対して、こちらは小さい体。
 だと言うのに、手が届くように立ってから流の頭へ手を伸ばして……。

「気にするな、とは言えないが。ゆっくりゆっくり受け入れていけばいい。違うか?」

「……えぇ、まぁ……でも」

 一瞬驚いたようにこちらを見上げて、直ぐに落ち込むような瞳になって。

「成長した、と思ってたけど肝心な所はまだまだ幼いな」

「……ぅ」

 カァっと顔が赤くなるのを間近で見てついつい笑ってしまう。
 が、赤い顔のままニヤリと笑ったと思えば。

「えぇ、響お姉さん(・・・・)に比べたら、まだまだ私は幼いですよー」

 ……んの野郎。
 ならば。いっその事。

「何なら、流もお姉さんに甘えるか? 構わんぜ?」

 そう告げた瞬間。

「……お姉ちゃんプレイか……いいね」

 失言と、嫌な冷や汗が流れ落ちて、その声の方へ首を向けると……。
 鼻を抑えたフェイトさんがこちらをやや興奮した様子で見ていました。

「……あ、私はコレで。頑張ってくださいね」

「あ、ちょ、流ぇぇええ!?」

 一瞬の隙をついて流がダッシュで離脱、そして、その間にフェイトさんが接近、そのまま後ろから抱きしめられて。

「私もお姉ちゃんって呼んでいいかな?」

「……ご勘弁ください」

 ガクンと肩が落ちました。


 ――side流――

 あれから王様達の様子を見に行って確認をした所。さすがは王様達。しっかりと用意を済ませて、駄々をこねるレヴィを説得してました。
 そこからは早いもので。旅館のチェックアウトを終えて、駐車場に皆さん集まった所で。震離さんが一歩前に出てみさんの方を振り返って……。

「さて、それでは各人それぞれ送り届けますが、明日からはまた学校があったり、仕事があったりするでしょうが。良い休暇になりましたでしょうか?」

 はいはーいと、大合唱を耳にしながら保護者の皆さんも満足そうな表情をしているのを見て震離さんの顔もほころぶ。
 イレギュラーがあったとは言え、結果的に大満足な内容になりましたし、ブレイブデュエルに必要なデータも取れましたしね。
 
「あ、ねーしんりー?」

「はいレヴィ。なぁに?」

 シュバッと元気よく手をあげたのを先生のように手を向ける。
 
「おっきいへいとや、大鴉っちはともかくとして、響とはなはどうするのー?」

 ……うん?
 王様の方に視線を向けると、何言ってるんだコヤツはという風に首を傾げて、シュテルもキョトンと首を傾げてる。
 他の面々もわからないといった様子だけれど。唯一震離さんだけは。

「あー……でもなぁ。うーん」

 理解しているらしく腕を組んでうんうんと悩んで、ちらりと私の方を見てニヤリと笑う。
 悪寒を感じるけれど悪いことではないと信じて、私も頷くと。

「よし、今日は私達の部屋に招待するよ。勿論奏もね」

 あ、フェイトさんの目がカッと開いた。あ、震離さんがそれに視線合わせて意思の疎通して……あ、フェイトさんが折れた。間違いなく震離さんが何かを伝えたなぁと。
 そうすると、部屋を一つ開けて……いや、開けても無理じゃ。あれ? 本当にどうするんでしょう?
 ちらりとサトさんの方を見れば、あちらも分かっていないらしく小さく首を傾げてますし。本当にどうするんでしょうね。
 だけど、まだ響さんを受け入れてない家の皆さんは軽いブーイング。はやてさんもはやても一緒になってブーイングしてる辺り、本当に姉妹のようで良かったようなそうでもないような……。

「明日から学校だったり、仕事再開とかなのに大変でしょう? それに、八神堂はともかくとして、明日の朝普通に起きられるって自信ある人、はい挙手」

 ……八神堂以外の皆さんがさっと視線を反らしているのはちょっと面白い。
 
「まぁ、保護者の皆さんからちょっと相談を持ちかけられておりますが本日の所は一旦ご遠慮を……私も泊めたかったんです!」

 あ、本心はそれなんですね。了解です。
 クイントさんも納得された様で、満足気な顔をしておりますが、深くは聞かないでおきましょう。

 それにしても……本当に密度の濃い旅行でしたねぇ。
 
 

 
後書き
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