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砂金運び

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第一章

               砂金運び
 李楽生と黄政秀、チャドラーバリーン=ナツァグドルジの三人は今は李の神託で韓国のソウルに来ていた。
 ソウルに着くとすぐにだった、李は一緒にいる年長者二人に話した。
「こっちの世界では半島は一つで」
「あのおかしな国もないわ」
「あれ以上はないまでに訳のわからん」
「僕がずっと治めてます」
 こう二人に話すのだった、李氏朝鮮末期ではなく日本統治自体の趣の街の中を歩きつつ。
「半島全体を」
「そうしてるな」
「ずっと」
「はい、そしてこの街は」
 今度はソウルの話をした。
「この通りです」
「人多いな」
「色々な種族でごった返してるな」
「こっちの世界でも半島最大の街で」
 それでというのだ。
「この賑わいです」
「台北以上の賑わいやな」
 こちらの世界のとだ、黄は自分の治める地域から話した。
「これは」
「この街だけでモンゴルより多いか?」
 ナツァグドルジは自分の治める地域全体の話をした。
「おおよそ」
「七千万の人口があって」
 それでとだ、李は二人に話した。
「そのうちの十分の一がこのソウルと周りの諸都市に集まってます」
「じゃあこの地域全体で七百万か」
「それだけおるんやな」
「まさにこの半島の心臓です」
 そうなっているというのだ。
「工業も商業もここが中心です」
「それで政もやな」
「ここからしてるな」
「そうしてます、まあ今は僕等は神託で来てますから」
 それでとだ、黄は二人にこうも話した。
「その神託適えましょう」
「ああ、まずはな」
「それからやな」
 二人も李の言葉に頷いた、そうしてだった。
 実際に三人で旅の冒険者と素性を隠したうえでソウルの冒険者のギルドに入った、すると李はある依頼を見て二人に話した。
「これやと思います」
「一旦春川の金山まで行ってか」
「そこの砂金をソウルまで運ぶ輸送隊の護衛やな」
「まあ冒険者の依頼のお約束やな」
「モンスターとか賊の護衛やな」
「この半島あんまりモンスターとか賊いませんけど」
 それでもとだ、李は二人に話した。
「やっぱりおることはおりますし巨人軍も」
「連中もか」
「半島におるか」
「それで砂金とかもか」
「狙って来るか」
「連中は何でもありですから」 
 巨人軍、この狂気のテロリスト集団はというのだ。
「砂金の輸送もです」
「襲ってくるな」
「そうしてくるな」
「そうしてくることも普通にありますから」
 それでというのだ。
「そうですさかい」
「砂金、金の輸送隊の護衛も」
「この半島でもあるな」
「はい、ほな」
 是非にとだ、李は二人に言った。
「この依頼受けます」
「よし、ほなな」
「わし等も一緒や」
「ここは三人でや」
「依頼受けような」 
 二人は李に笑顔で応えた、こうしてだった。 
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