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星河の覇皇

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第七十二部第一章 マウリアの人口統計その三十五

「マウリア社会に戻ったら力を見せてやる」
「俺達の力をな」
「俺達だって出来るんだ」
「絶対に何かが出来るんだ」
 それこそというのだ。
「一千億もいるんだぞ」
「しかも金も持っている」
 あくまでそうした職業の者であり産業の問題にしてもだ。
「それならだ」
「かなりやれるぜ」
「俺達を甘く見るな」
「社会に戻ればアウトカースト層を除外させないぜ」
「主張することは主張してやる」
「絶対にな」
「そうしてやるからな」
 恨み、排他されてきたアウトローの怨みであろうか。そうした感情も彼等の中から出てしまっていた。しかし。
 彼等の中にはだ、こうした者もいた。
「まあ別にいいか?」
「このままでもな」
「生きていけてるしな」
「ずっと昔からな」
「差別は嫌でもな」
「飯だって食えるし風呂にも入られる」
「第一に仕事もある」
 それで、というのだ。
「カリーもナンも食えて休める家もある」
「ならこのままでいいだろ」
「そうだな」
「じゃあ別にな」
「どうでもいいな」
「そうだよな」
 こう言う者達もいた。
「あっちの戸籍に載らなくても」
「子供も学校に通えてるし」
「大学にも行ける」
「それで何で不満なんだ」
「もう充分だろ」
 こうも言うのだった。
「今のままでもな」
「アウトカースト層の社会のままだ」
「別にサハラの中にいなくてもな」
「それでもな」
「いいと思うけれどな」
「これまで通りで」 
 こうしたことを話すのだった、丁度アウトカースト層と正反対の感じである。とかく彼等はこうしたことを話していた。
 彼等の意見もそれぞれだった、しかし。
 彼等の調査と統計が出てだ、マウリアも他国も騒然となった。その出た数字が彼等にとってあまりにも意外だったの。
「千億か、多いな」
「全くだな」
「本当にな」
「滅茶苦茶な多さだな」
「まさかそこまでいるとは」
「産業も」
 そちらもだった。
「凄いな」
「かなりな」
「一千億分の総生産だな」
「かなり多い」
「しかもな」
「整った社会システムだな」
 このこともわかったのだ。
「政府もしっかりしていて」
「統治も出来ているな」
「教育、福祉の制度も充実している」
「思った以上の政府だな」
「そんな政府まであるなんてな」
「誰も気付かなかったのか」
「見ようともしていなかったってことか」
 マウリアだけでなく世界の誰もがだ。 
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