| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

デート・ア・ライブ~Hakenkreuz~

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十七話「来禅高校修学旅行・Ⅶ」

「敵空中艦撃破!想定被害中破と思われます!」

「よし、このまま撃墜させろ。主砲を全て敵艦に向けるのだ!」

大尉と准尉を吐き出したグラーフ・ツェッペリンⅡはその後不可視迷彩(インビジブル)を用いて(アルバテル)の後方に接近した。そして主砲の砲撃で打撃を与えると同時に不可視迷彩(インビジブル)を解いて敵の前に姿を現したのである。

「いいか、本来は対象の捕縛が優先だが同時に我らにも重要な指令がある。『世界の前に現れ我らの武威を示せ』だ。その為にもDEMとラタトスクの空中艦を落とすのだ!」

「「「Jawohl(はっ)!」」」

「艦長!ラタトスクの空中艦が動き始めました!」

「何?」

艦長はオペレーターの報告でモニターを見る。そこには煙をあげながら墜落するアルバテルの陰に隠れる形で移動するフラクシナスを姿があった。それを見た艦長は逃亡と取りにやりと笑みを浮かべる。

「ふん、この艦の前に怖気づいたか。主砲を全て奥の敵艦に向け発射せよ!」

「了解!主砲、奥の敵艦に向けます」

グラーフ・ツェッペリンⅡが誇る主砲、41cm三連レーザー砲の砲口がフラクシナスへと向けられる。一方のフラクシナスはこちらに横を見せ移動を行っていた。

「主砲発射用意完了!」

Feuel(撃てぇ)!」

艦長の指示により主砲が火を噴く。青い色をしたレーザー砲が12個の線を描きフラクシナスへと吸い込まれるように向かって行く。そして後少しで当たると思ったその時であった。

突如フラクシナスが急速に弾かれるように上昇したのである。その為レーザー砲は当たらず辛うじて上部を狙っていたレーザーがかすめた程度であった。更にそれすら敵の防性随意領域(プロテクト・テリトリー)によってダメージは与えられていなかった。

「て、敵艦上昇!」

「そんなもの見ればわかる!直ぐに主砲を向けろ!」

「!敵艦の先端部に高エネルギー反応確認!敵艦の攻撃と思われます!」

「回避!面舵下方3-5」

「了解!面舵下方3-5!」

艦長の指示によりグラーフ・ツェッペリンⅡが斜め右下に向け回避運動を取る。しかし、敵の攻撃の方が早くフラクシナスの収束魔力砲ミストルティンが命中し艦全体を大きく揺らし次いで爆発音が響き渡る。

「くっ!被害状況は!?」

「左舷中部に被弾!損害は確認中ですが決して少ないはないかと…」

「くそっ!」

艦長は思わず拳を作りそのまま振り下ろす。艦長は油断しているつもりはなかった。しかし、グラーフ・ツェッペリンⅡはDEM社やラタトスクに負けない自分たちのあの艦(・・・)に次いで世界最強の自負があった。その為敵に損害を与えられたことに艦長のプライドは大きく傷ついた。

「奴を、必ず仕留めるぞ!主砲及びV3の発射用意!」

先程とは違い怒りが籠った声で艦長は怒鳴るように指示を出した。











「ミストルティン、敵に命中!」

「ふむ、意外と敵艦は速度がないようですね」

一方フラクシナスのクルーたちは喜んでいた。神無月の指示による回避からの敵艦への攻撃は見事成功し普段の神無月かあらはうかがえない安心感を与えていた。

「このまま撤退してくれればいいのですが…」

「!敵艦の主砲に再びエネルギー反応!他にもミサイルを確認!」

「ま、希望的観測はいけませんね。防性随意領域(プロテクト・テリトリー)を展開!範囲は…」

神無月の指示を受け的確に防いでいるクルー達。しかし、先ほどよりも激しい攻撃の前に船体は大きく揺れる。

「ふむ、敵の責め…もとい攻めは激しいですが」

神無月はそう言いながらヘッドセットの様な物を取り出し頭部に装着した。

「この程度では五河の世界樹には傷一つ付けられませんよ」















一方、或美島で行われる三つ巴の戦いは苛烈さを増していた。

「はぁっ!」

「…!」

上段から振り下ろされる鏖殺公(サンダルフォン)を大尉は右腕で奇麗に逸らす。その一方で左手の手刀で十香の首元を狙い突き刺す。

「くっ!」

「…」

十香は体を大きくひねる事で躱すが無理な体制から動いたため大きな隙を生み出してしまう。その隙を見逃すほど大尉は甘くなく十香の体に回しげりを入れる。

「あぅ!」

十香は錐揉みしながら大きく吹き飛ばされる。このやり取りを先ほどからずっと続けているため十香の体は傷と泥で大きく汚れていた。更に疲労も溜まってきており十香は鏖殺公(サンダルフォン)を杖代わりにして立ち上がるが肩で息をしている状態だった。

「…」

「私を無視しないでいただけますか」

大尉は十香に追撃しようとするがそこにエレンが横やりに入りブレードによる高速斬撃を放つ。大尉はそれらを見極め躱していくが躱しきれない斬撃が少しづつ大尉の体を切り裂いていく。

「…!」

「はぁっ!」

大尉は一瞬の隙を付きブレードの刀身を弾きエレンの腹部を無防備にする。そこへ左手によるアッパーが繰り出されるがそれをエレンは随意領域(テリトリー)を発生させ防ぐ。個体に当たった訳ではないが何か独特な触感を感じ大尉は左手を戻す。

エレンは一歩下がりつつブレードを構えると警戒しつつ一気に近づき仕掛ける。エレンから放たれる剣筋が見えない速さでの斬撃w繰り出すも先ほどとは違い服にすら傷をつけることなく大尉は躱すかいなしていく。

「…」

「なっ!?」

そして挙句の果てには大尉は両手でブレードを掴みそのまま握力のみで破壊してしまう。これにはさすがのエレンも驚きを隠せず刀身がなくなったブレードを見て呆然としている。

「…」

「ぐっ、ああっ!!」

そんな分かりやすい隙に大尉は渾身の蹴りを放ちエレンの鳩尾に叩きつけた。意識外からの奇襲を受けたエレンは耐えきれるはずもなく少し離れた所まで吹き飛ばされた。

そして周囲を囲んでいたバンダースナッチは既に破壊されつくしており周辺に残骸が転がっている状態であった。

陸の上における三つ巴の戦いを制したのは大尉であった。そして大尉は蹲る士道の元に歩いていく。

「シド―!」

未だダメージが抜けきらない十香は体勢を崩し地面に倒れながらも士道の元へ向かおうと手を伸ばす。しかし、その手は全く届かず宙を切るのみだった。

そして、大尉の手が士道の頭を掴もうとした時、

大尉の腕が宙を飛んだ。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧