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星河の覇皇

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第七十二部第一章 マウリアの人口統計その二十二

「大学を卒業と同時に政界入りしてか」
「瞬く間に功績を重ね僅か二十八歳で主席か」
 アウトカースト層の政府のだ。
「凄いものだな」
「その功績も凄い」
「アウトカースト層の社会の問題を次々に解決している」
「そのうえで発展させている」
「出している法案も的確だ」
「しかも法案の全てが議会を通過し承認されている」
 アウトカースト層の政府のだ、見れば彼等の議会はマウリア政府と同じ二院制であり衆議院と参議院になっている。
「一月に一つは出してだ」
「それが承認されている」
「素晴らしいものだ」
「二十三歳で立候補し当選し二十五歳で閣僚か」
「そして二十七歳で主席選に出て当選か」
「信じられないな」
 この人物もというのだ。
「まさかこうした人物がいるとは」
「予想していなかった」
「今回の統計と調査は彼等の政府からの要望も強かったが」
「主導したのはこの主席らしいしな」
「二十八歳で国家主席か」
「そして主席になってからも実績を挙げていっている」
 それがゴールでなくだ。
「恐ろしい人物だな」
「今回の調査と統計は正確だが」
「それは彼の協力が実に大きいしな」
「かなりの辣腕家だ」
「そしてそれが辣腕だけで終わるか」
「果たしてどうなるか」
 こう口々に言うのだった、彼の実績等を見つつ。
「まさに裸一環でのし上がっているしな」
「アウトカースト層の中で」
「一体どうした人物なのか」
「より調べる必要がある」
「その様だ」
 こうした話をしてだ、クリシュナータの耳にも入った。すると彼はまずはいぶかしむ顔になってこう言ったのだった。
「政府の主席のことさえだ」
「わからなかったことはですね」
「それだけアウトカースト層の社会を我々が除外していた」
「そうしたことですか」
「そうでもありますか」
「まずはそう思った」
 こう側近達に述べた。
「調査してわかるとはな」
「その調査もですね」
「今までしてこなかった」
「考えてみればこのことも問題ですね」
「彼等に軍事力を持つカーストが存在しないことをいいことにして」 
 つまり武力で蜂起なり叛乱を起こすことは考えられない、このことはマウリア政府もチェックしていた。だがそれでもだったのだ。
「全くチェックしてこなかったことは不明だった」
「そうですね、我々の」
「数百年来のことですね」
「国家主席のことすら知らないということは」
「そのことは」
「調査、統計の段階でだ」
 まさに今になってというのだ。
「それがわかるとはな」
「失態ですね」
「今言っても仕方のないことですが」
「それでもですね」
「そう思わざるを得ないですね」
「そう思って仕方ない、そしてだ」
 クリシュナータはさらに言った、今度の話はというと。
「そのマガバーン=ジャパル主席だが」
「はい、その御仁ですね」
「若くして功績を挙げ続けている辣腕家ですね」
「そのアウトカースト層の政府の主席」
「件の御仁ですね」
「彼についてよりだ」
 今以上にというのだ。 
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