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ある晴れた日に

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727部分:ある晴れた日にその一


ある晴れた日にその一

                   ある晴れた日に
 春になった。そして皆二年生になった。そのクラスは。
「おいおい、教室の中も同じ感じだし」
「中にいる連中も一緒かよ」
「何だよ、これって」
「全くだぜ」
 男組が苦笑いと共に述べていた。何と二年のクラスも全く同じ面々だったのだ。誰一人として欠けているメンバーはいなかった。
「しかも行動もな」
「中森は相変わらず北乃にべたべたしてるし」
 見ればその通りだった。凛が明日夢に抱き付いている。
「それに柳本はまたお菓子食ってるな」
「野本の服のセンスは最悪だしな」
「別にいいじゃない」
「俺のファッションにケチつけるなよ」
 咲と野本がむっとした顔で彼等に言い返す。
「コアラのマーチは素敵なお菓子よ」
「このゲバラのシャツと黄色のブレザーの組み合わせ最高だろうがよ」
「コアラのマーチチョコレートだからな」
「太るぞ」
「幾ら許婚いてもやばいだろ、それは」
 野茂に坂上、坪本に佐々の四人はまずは咲に言った。
「毎日毎日菓子食ってるけれどよ」
「太っても知らないぞ」
「太らないわよ。だって最近アルバイトでカロリー使ってるし」
 咲はむっとしながらもこう反論するのだった。
「ちゃんとね」
「っていうと山月堂か」
「そこでバイトしてるのかよ」
「御前お金には困ってないだろ」
「お金の問題じゃないの」
 かなり素晴らしい言葉も咲が言うとかなり違和感があった。手に持っているコアラのマーチがそれを何よりも助長させていたのである。
「それはね」
「花嫁修業ってわけか」
「それなんだな」
「そういうこと。あのお店に入るんだから」
 それはもう規定路線だった。咲はそれに添っているのである。
 そうしてだ。咲はさらに言うのだった。
「だから今のうちにアルバイトでお店のことをよく知らないと」
「御前も考えてるんだな」
「それでか」
「そうよ。それでカロリー使ってるから」
 お菓子を口の中に入れながら話した。
「大丈夫よ」
「まあ働くとカロリー使うからな」
 佐々もそれには頷いた。
「それは確かだな」
「そうでしょ。じゃあこれでわかったわね」
「しかしよ」
「それでもよ」
 しかしであった。四人は全く納得しなかった。そうしてそのうえで今度は恵美を見てだ。そのうえでまた咲に目をやって言うのだった。
「安橋も自分の店で働いているのによ」
「安橋は全然スリムなのによ」
「御前は何かよ」
「ついでに遠藤もな」
 静華にも言うのだった。
「顔丸くなってきたな」
「さらにな」
「空手って普通痩せないか?」
「だよな」
「悪い!?」
 静華も顔を顰めさせて言い返してきた。
「体重は変わらないわよ」
「筋肉は落ちてないよな」
「それは」
「落ちてないわよ」
 こう言って憚らない静華だった。
 
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