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レーヴァティン

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第百十九話 ナイル川へその三

「だからね」
「三角州の辺りの占領だけでもな」
「必死になってね」
 そのうえでというのだ。
「抵抗してくるわよ」
「そうなるな」
「それこそ何度も攻めてくるし街の守りも」
「相当だよな」
「だからね」
「激しい戦になるな」
「三角州の辺りはね、そこはね」
 このことはというのだ。
「頭の中に入れておいて」
「戦っていくか、それじゃあな」
「戦っていきましょう」
「そうしような」 
 久志は双葉に応えてだ、そのうえで水軍と歩調を合わせてまずはナイル川の三角州の方に進んでいった、するとだった。 
 それまで守っているだけで砂漠に来た時のみ狙おうとしていた古王国の軍勢が次第にだった。
 久志達の軍勢の近くに姿を現わしてきた、久志はそれを見て全軍に命じた。
「盾、それに術や長弓、鉄砲の兵をな」
「前に出していくな」
「ああ、そしてな」
 そのうえでとだ、正に話した。
「駱駝騎兵や軽騎兵の散兵的な弓での攻撃にな」
「対するな」
「あと軽騎兵はな」
 ヌミディアの彼等もというのだ、今は彼等も軍勢に参加しているのだ。
「今はな」
「使わないか」
「そうするな、ちょっとな」
「軽騎兵には軽騎兵はか」
「同じ兵種で戦うのは基本でもな」
「今はか」
「積極的に攻める時かっていうと」
「違うな」
「俺達は今は三角州の辺りの掌握だよ」
 それが戦略目的だというのだ。
「だからな」
「連中は放置だな」
「どっちにしてもやがてな」
「連中とは戦うな」
「ああ」
 その通りだと言うのだった。
「向こうから来るさ、やばいと思ったらな」
「だからか」
「連中は今は放置だよ、ただツブルクから陣への補給ルートはな」
「それは守るな」
「輸送隊に護衛はしっかりとつけてな」
 これは忘れないというのだ。
「そうしてな」
「しっかりと守ってだな」
「あと船も使ってな」
 こちらも忘れないと言うのだった。
「そうしてな」
「補給は続けるな」
「ああ、そしてな」
 さらに言う久志だった。
「三角州を掌握するな」
「ではな」
「進軍していくな」
 こう言ってだった、久志はツブルクから三角州を目指してそうしてだった、そのうえでさらに進んでいき。
 三角州に向かっていった、そうしてその入り口に来た時に湖の方には水軍がいた。その彼等を見て久志は言った。
「よし、じゃあな」
「これからだな」
「水軍も使ってな」
 そしてとだ、ここでも正に答えた。
「三角州の街を全部攻めていくな」
「そして三角州一帯をだな」
「まずは全部な」
 まさにというのだ。 
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