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星河の覇皇

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第七十二部第一章 マウリアの人口統計その十一

「そうしていきだ」
「徐々にですね」
「先に進むのですね」
「一本ずつ」
「そうしていきますか」
「そのつもりだ、こうすれば暗黒宙域でもだ」
 その果てしなく広い宇宙の大海原もというのだ。
「突破出来る」
「そして突破して」
「そのうえで、ですね」
「先に進み」
「そうして」
「先に手に入れる、そして暗黒宙域の星系達だが」
 星団、星雲単位のそうした場所はというと。
「エウロパ領としても独立されるとな」
「それは本末転倒ですね」 
 アランソはすぐに答えた。
「やはり」
「そうだな」
「はい、かつての植民地の諸国の様に」
「それはさせない」
「その為の政策も、ですね」
「既に考えてある」
 今の時点で、というのだ。
「あちらに辿り着いてだ」
「富を得て移住を進めても」
「それで独立されてはだ」
「まさに意味がありませんね」
「だからだ」
 そう考えているからこそ、というのだ。
「私もだ」
「それを防ぐ政策もお考えですか」
「最早な」
「ではその政策は」
「首都の移転とだ」
「エウロパの首都をですか」
「そうだ、移転させてだ」
 今あるオリンポスからというのだ。
「暗黒宙域にも目が届く」
「そうした場所にですか」
「首都を置く」
 遷都、それを行いというのだ。
「まさにな」
「そこまでお考えとは」
「首都は何の為にあるか」
「国政を万全に行う為です」
「それならばオリンポスがそれに相応しくないならだ」
「遷都もですか」
「行う」
 当然として、というのだ。
「そう考えている」
「左様ですか」
「そしてだ」
 キロモトはさらに言った。
「例えば暗黒宙域の中心にだ」
「首都を置いてもですか」
「いいと考えている」
「コロニーの首都ですか」
「そうも考えている」
 ギルフォードは淡々として語った、その淡々とした口調にこそ彼の確かな、迷わない決意が出ていた。それも強く。
「必要とあればな」
「星系に置かず」
「それもよしだ」
 エウロパの万全な統治の為にはというのだ。
「暗黒宙域の先の新天地を手に入れたならばな、そしてだ」
「さらにですね」
「政策がおありですか」
「新天地を統治し独立させない」
「エウロパのままで維持するものが」
「そうだ、その権限は弱める」
 新天地のそれはというのだ。
「権限は中央に集中させたままだ」
「これまで通り」
「そうしたうえで」
「新天地には権限を与えず」
「そのままで、ですか」
「国家として認めてもだ」
 それでもというのだ。 
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