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星河の覇皇

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第七十二部第一章 マウリアの人口統計その九

「世界は正しく動いていたな」
「はい、まさに」
「我々の指導の下」
 カミュだけでなくアランソも言う。
「今の連合各国、マウリアやサハラもです」
「我々に教えられそのままに動き」
「勝手なことはせず」
「世界も平和でした」
 エウロパではこう言われている。
「我々の間で戦争はありましたが」
「第一次世界大戦もありましたが」
「しかしです」
「連合の混沌、サハラの戦乱もなかったです」
「そうした時代をだ」
 ギルフォードは二人の話を聞いてまた言った。
「もう一度だ」
「戻す」
「そうするべきですね」
「その為に発展はだ」
 復興からのそれはというのだ。
「何時か連合を超えてだ」
「連合以上の力を備え」
「連合を凌駕してですね」
「彼等を軍門に降す」
「その為にも」
「ここはマウリアから受ける」
 その技術をというのだ。
「そうする、そしてその技術をだ」
「すぐにですね」
「使う」
「そうしてそのうえで」
「国内の開発、開拓を進め」
「移住もし人口を増加させ」
「暗黒宙域もですね」
「越えますか」
「何十万光年の距離もだ」
 それもというのだ。
「必ずだ」
「越えられますね」
「越えようと思えば」
「それは出来る、考えてみるのだ」
 首相達にだ、ギルフォードはこうも言った。
「人類に不可能はあるか」
「人間に、ですか」
「不可能はですか」
「そうだ、不可能と思われていたことがだ」
 まさにというのだ。
「可能だったことばかりだ」
「世の中は」
「ナポレオンは言った」
 カミュの国の英雄のことにもだ、ギルフォードは言及した。
「余の辞書に不可能はない」
「そのお言葉の通りにですね」
「ナポレオンも人間でありだ」
「人は、ですか」
「不可能はない、そして私はナポレオンにもカエサルにもだ」
 こうした英雄達にもだ。
「無論国父ブラウベルグにだ」
「負けない」
「そうした人間だ」
 傲然とだ、胸を張ってさえして言い切った。
「だからこそだ」
「不可能もですか」
「ない」 
 またしても言い切った。
「全くな」
「それではですね」
「不可能と思わないことだ、無理ともだ」 
「思わない」
「それが大事ですね」
「そうだ、出来ないと思えばだ」
 まさにというのだ。
「それで終わりだが」
「やり遂げる」
「それも必ず、ですね」
「そう思い動く」
「それからですね」
「その通りだ、まずは動いていこう」
 こう言うのだった。 
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