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英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

作者:sorano
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第41話 (第一部終了)

~カレル離宮近辺~

「荒ぶる雷よ――――――いざ、戦場に来たれ!!」
「グレネード発射!!」
「――――――!?」
戦闘が始まるとアルグレオンは雷を呼び寄せるクラフト――――――アングリアハンマーで、ヴァイスリッターは機体に搭載されているグレネードを放つクラフト――――――ポリティカルグレネイドで先制攻撃して敵を怯ませ
「左右から同時に攻めるぞ、エリス!――――――下がれ!!」
「はい、兄様!――――――弾けなさい!!」
敵が怯んでいる間に敵との距離を詰めて左右から同時に襲い掛かったヴァリマールはクラフト――――――弧月一閃で、エル・プラドーはレイピアに纏わせた光を薙ぎ払いと共に弾けさせるクラフト――――――ラウンドエッジで追撃した。
「――――――!」
「く…………っ!?」
「キャ…………ッ!?」
敵は反撃にその巨体を回転させてヴァリマールとエル・プラドーにダメージを与えると共に吹き飛ばし
「――――――」
「っ!?」
「う…………ッ!?」
続けて敵は口から暗黒のブレス――――――カラミティブレスでアルグレオンとヴァイスリッターにダメージを与えた。

「みんな、頑張って――――――ホーリーバレット!!」
ヴァリマール達の援護をする為にヴァリマールとのリンクを結んだエリィは味方全員の機体のダメージと闘気(クラフトポイント)を回復させるEXアーツを発動してヴァリマール達のダメージを回復させ
「みんなを守って――――――セイクリッドシェル!!」
「輝け――――――ライトニングソード!!」
エル・プラドーとのリンクを結んだアルフィンは一時的に味方の機体全てに魔法攻撃に対する防御力を上げると共に闘気(クラフトポイント)霊力(エナジーポイント)を自動的に回復する効果を付与するEXアーツを、アルグレオンとのリンクを結んだデュバリィは味方の機体全ての攻撃力とスピードを一時的に上昇させるEXアーツを発動してヴァリマール達を強化し
「撃ち抜け――――――サンダーストライク!!」
「――――――!?」
ヴァイスリッターとのリンクを結んだセレーネは短時間だけ敵を完全にマヒさせる雷の集束エネルギーを放つEXアーツで敵に反撃すると共に敵を一時的にマヒさせた。
「そこだっ!」
「ハアッ!」
「セイッ!」
「そこですっ!」
「!?」
準起動者達による援護を受けたヴァリマール達は敵に一斉に襲い掛かってそれぞれの攻撃を叩き込み、4体の機体から次々と攻撃を受けた敵は態勢を崩し
「崩れた――――――隙あり!」
「勝機――――――まだです!」
「今です――――――続きます!」
「崩れました――――――行きます!」
敵が態勢を崩すとヴァリマール達は次々と追撃を敵に叩き込んだ。

「――――――!」
追撃を受けた敵はヴァリマール達に反撃をする為に口に暗黒のエネルギーを集束し
「行きます――――――ノワールバリア!!」
「光の加護を――――――ディヴァインシールド!!」
「盾よ――――――秩序の盾!!」
「水の加護を――――――アクアシールド!!」
「――――――!!」
それを見た準起動者達――――――アルティナはヴァリマールとリンクを結んで反射効果がある結界、エリナはエル・プラドーとリンクを結んで展開と共にダメージと闘気(クラフトポイント)を回復させる効果もある結界、アイネスはアルグレオンとリンクを結んでダメージを自動的に回復させる効果も付与されている結界、ツーヤは結界の展開と共にヴァイスリッターとリンクを結んでダメージと霊力(エナジーポイント)を回復させる結界と、それぞれ機体に様々な結界を付与するEXアーツを発動させて敵が反撃に放ったブレス――――――カラミティブレスを結界で防ぎ、機体へのダメージを無効化させた。

「!?」
「唸れ――――――オォォォォ…………螺旋撃!!」
「喰らうがいい――――――アルティウムセイバー!!」
「六の型――――竜破斬!!」
「ハアッ!――――――ディヴァインレイド!!」
アルティナのEXアーツによって自分が放ったブレスによるダメージが反射されてのけぞった敵にヴァリマール達はそれぞれの機体が扱えるクラフトの中でも最も威力があるクラフトを叩き込んで敵に大ダメージを与え続け
「時の結界よ、砕け散れ――――――クイックスター!!」
「さあ、一気に攻めましょう――――――レディーオーダー!!」
「援護するわ――――――アクセルアロ―!!」
「頑張れ―――♪―――チャーミングキス!!」
ヴァリマールとリンクを結んだユウナ、エル・プラドーとリンクを結んだステラ、アルグレオンとリンクを結んだエンネア、ヴァイスリッターとリンクを結んだシャマーラはそれぞれ”加速”効果があるEXアーツを発動させてヴァリマール達のクラフトを発動させた後にできた僅かな硬直をなくして、ヴァリマール達に次の攻撃態勢に入らせた。

「一の型――――――閃光斬!!」
「崩れなさい――――――ブレイクニードル!!」
「貫け――――――シュトゥルムランツァー!!」
「そこですっ!閃光斬!!」
それぞれの準起動者達のEXアーツによる”加速”効果を受けたヴァリマール達はそれぞれ続けてクラフトを叩き込んで敵のダメージを蓄積した。
「――――――!!」
一方ダメージが蓄積された敵は咆哮を上げて自分の周囲にいるヴァリマール達を吹き飛ばすと共に全身に凄まじい霊力を纏った後その場で霊力を溜め込み始め、敵の行動を見て敵が大技を仕掛けてくると判断したヴァリマール達はそれぞれ防御態勢に入った。

「――――――――――――!!
そして”溜め”の動作を終えた敵は地面を思いっきり叩きつけて足元から凄まじい暗黒の衝撃波を発生させるSクラフト――――――ジ・エクリプスでヴァリマール達に攻撃したが、防御態勢に入っていたヴァリマール達は最小限のダメージで抑えた為、どの機体も余裕の様子を見せていた。
「燃えろ――――――バーニングハート!!」
「速攻だ――――――ソードダンス!!」
「行くぞ――――――シルバーフォース!!」
「叫べ――――――ウォークライ!!」
敵の大技が終わるとヴァリマールとリンクを結んだロイド、エル・プラドーとリンクを結んだクルト、アルグレオンとリンクを結んだレーヴェ、ヴァイスリッターとのリンクを結んだランディがそれぞれの機体の攻撃力を一時的に爆発的に上昇させるEXアーツを発動させてヴァリマール達を強化した。

「さあ――――――耐えてみなさい!ハァァァァァァ…………ッ!」
全身に莫大な闘気を纏ったアルグレオンは槍を掲げて闘気の竜巻を発生させた後竜巻を放って敵を拘束し
「我は”断罪”――――――全てを断ち切る者!これで………終わりですっ!!」
敵を拘束したアルグレオンは槍を構え直した後敵に向かって突撃した!
「聖技!グランドクロス!!」
「――――――!?」
突撃したアルグレオンは敵に十字を刻み込んだ後光の大爆発を起こして敵に大ダメージを与えた。
「行くぞ、エリゼ!」
「はい、兄様!」
アルグレオンに続くように協力技を発動したヴァリマールとヴァイスリッターは同時に突撃して敵を中心に十字(クロス)を描くように斬撃を叩き込んで駆け抜けた後すぐに反転してヴァイスリッターは横斬りで、ヴァリマールは縦斬りを敵に叩き込んだ後敵から距離を取り
「「ハアァァァァァァ…………ッ!!」」
それぞれその場で力を溜め込んだ後同時に突撃して敵の背後へと駆け抜けるとヴァリマールの斬撃によって無数の斬撃波が、ヴァイスリッターの斬撃によって一閃が敵に刻み込まれると同時に二体の機体が駆け抜けた場所から衝撃波が発生した!

「「双覇無想斬!!」」

「――――――――――――!?」
二体が放った同時にそrぞれの”無想”を叩き込む協力技――――――相ノ太刀・双覇無想斬を受けて更に大ダメージを受けた敵は怯んだ。
「どうか、お覚悟を――――――参ります!ヤァァァァァァ…………ッ!!」
そこにSクラフトを発動したエル・プラドーがレイピアを連続で振るって水晶の刃を次々と叩き込んだ後突撃して敵を一閃した後敵の背後に回り
「クリスタル――――――キャリバー!!」
止めに氷の霊力を溜め込んだレイピアによる強烈な突きを敵に叩き込んで凄まじい氷の霊力の大爆発を起こした!
「――――――!!??」
エル・プラドーのSクラフトを受けてダメージが限界に来た敵は最後の悪あがきとばかりに咆哮を上げながら周囲に瘴気をまき散らし始めた!

「こ、これって…………!?」
「く、黒い瘴気…………!?」
「まさかあの瘴気は…………!」
「気を付けてください!”緋”を蝕んだ呪いです…………!」
敵がまき散らし始めた瘴気を見たアリサとエリオットは驚き、察しがついたトマスとエマは真剣な表情で声を上げ
「ロゼ!用意してるんでしょ!?」
「うむ、後は任せよ!」
セリーヌに促されたローゼリアは力強く頷いた後転位魔術で暗黒竜の正面に現れて暗黒竜と対峙した後異空間から自身の得物である紅き魔杖を取り出して構えると暗黒竜の足元から巨大な魔法陣が現れ
「………何の因果か黄泉返って再び呪いを振りまこうとはな。ゆっくり休むがよい――――――女神(エイドス)の元で。」
慈愛溢れる笑みを浮かべたローゼリアが魔術を発動すると暗黒竜の足元の魔法陣から凄まじい浄化の光が放たれ、暗黒竜を浄化し、消滅させた!

「あ…………」
「どうやら800年前と違って、犠牲者が出る事無く暗黒竜を滅する事ができたようね。」
「これで一先ずの危機は乗り越えたが…………」
暗黒竜の浄化を見たトワは呆けた声を出し、クロチルダとアルゼイド子爵は静かな表情で呟いた。

「――――――はい、シュバルツァーです。ええ…………ええ…………了解しました。サンドロット卿、プリネ皇女殿下、ジェダルさん。想定外の事態が起こったとはいえ、本作戦は現時点を持って完了した為、”ヴァリアント”に帰還せよとの事です。――――――お疲れさまでした。」
「承知。」
「………………リィンさんこそ、お疲れ様でした。」
「わかった。」
そして突如かかってきたENGMAで通信相手との通信を終えたリィンはリアンヌ達に作戦完了を告げ、リィンの言葉に三人はそれぞれ頷いた。
「――――――こちら、シュバルツァー。作戦を完了したためこれより”ヴァリアント”に帰還する。地上にいるリィン隊、プリネ隊、鉄機隊、そしてジェダル隊の回収をお願いします。」
更にリィンが別の相手に通信し、通信内容を聞いてリィン達がこの場から去ろうとすることを知ったアリサ達はそれぞれ血相を変えた。


「ちょ、ちょっと待て、リィン!」
「まさかこのまま俺達と何も話さず行くつもりか!?」
「アンタ達には聞きたい事や言いたい事が山ほどあるのよ…………!?」
「どうかヴァリマール達から降りてオレ達の話を聞いてくれ…………!」
我に返ったマキアス、ユーシス、サラ、ガイウスはリィン達を呼び止めようとし
「お願い、セレーネ…………!貴女からもリィンに思い留まってくれるように言ってあげて…………!」
「メンフィルに行ってから色々あったかもしれないけど、わたし達は今でもリィンやセレーネは達の事を”仲間”だと思っている。だから、クロスベルやさっきの戦いの事も気にしていないから”Ⅶ組”に戻ってきて。」
「アルフィン…………メンフィル帝国の君に対する”処罰”を受け入れた件や君がメンフィル帝国軍に所属した件もそうだが、リィン君達の件について話し合いの機会を私達にくれないか?」
継母上(ははうえ)…………クルト…………二人や父上、そしてリィン達の判断は本当に正しいかどうかを見つめなおす機会を設けてもらえないか?」
「ミュゼ君…………君が父上を排除しようとしている件も含めて”色々と”話がしたい。昔の(よしみ)に免じて少しだけ私達に時間をくれないか?」
アリサとフィーはセレーネにリィンに思い留まらせるように嘆願し、オリヴァルト皇子、ミュラー、アンゼリカはそれぞれ家族や旧知の仲の人物達を説得しようとした。


「…………申し訳ございません、アリサさん、フィーさん…………私はリィンお兄様の”パートナードラゴン”。リィンお兄様と”契約”を交わしているメサイアさん達のように、私が最も優先し、支えるべき相手はリィンお兄様。そしてどんな辛い道であろうと、その道に進む事を決められたリィンお兄様の”支え”となるのが”リィンお兄様のパートナードラゴンである私の役目”ですわ…………ごめんなさい…………短い間でしたが、皆さんとの学生生活は貴重な経験になり、とても幸せな日々でしたわ…………」
「セレーネ…………」
しかしセレーネは辛そうな表情でアリサとフィーの嘆願には応えられない事を伝えた後一筋の涙を流してアリサ達に謝罪し、その様子をツーヤは辛そうな表情で見守り
「お兄様――――――いえ、”オリヴァルト皇子殿下”。女学院の学生寮に残していた手紙にも書いてありましたように、メンフィル帝国との戦争勃発の元凶の一人となった愚かな皇女であるわたくしにはもはや”エレボニア皇女の資格はございません。”メンフィル帝国領である”温泉郷ユミル”が襲撃される元凶の一人としてメンフィル帝国に…………大恩あるシュバルツァー家の方々に”償い”をする為にもわたくしはメンフィル帝国が求める処罰を受けました。そしてかつて”エレボニア皇女であった者としての最後の責任を果たす為”にも、エレボニアを存続させる為に敢えてメンフィル帝国軍に所属したリィンさん達のようにわたくしもエレボニア帝国と戦うと決めた以上、その申し出には応じられませんわ。」
「皇女殿下…………――――――兄上。例え皇女殿下の御身をお守りする為とは言え、皇帝陛下達に…………祖国エレボニアに刃を向ける事は義に反しているでしょう。――――――ですが例え未熟者の身であろうと僕は代々皇家の守護職を務めてきた”ヴァンダール”の一員です。アルフィン皇女殿下が祖国エレボニアの為にもたったお一人で身分を含めた”全て”を捨てられ、更にはメンフィル帝国軍につくと決められた以上、僕は”ヴァンダール”の一員としてその本懐を果たすまでですし…………それに…………メンフィル帝国軍に所属していれば、いずれは本来僕がお守りすべきお相手であった皇太子殿下を救う機会も訪れるとの事ですから、その為にも僕は今回の戦争、メンフィル帝国軍につきます。」
「――――――既に互いが行く”道”は分かたれました。ミュラーさん、貴方も”ヴァンダール”の一員としてその本懐を果たす為にも貴方は貴方がお守りすべきオリヴァルト殿下の御身を必ず守りなさい。」
「ふふ…………アンゼリカお姉様にはお世話になった為心苦しくもあるのですが私はオーレリア将軍達を含めた”ヴァイスラント決起軍”の…………そして多くのエレボニア帝国貴族達の”未来”を背負っている立場ですから、私自身の私情だけでその申し出には応じられませんわ。」
セレーネに続くように一瞬だけ辛そうな表情を浮かべた後決意の表情を浮かべて答えたアルフィンの答えを聞いて驚いたクルトはすぐに気を取り直してオリエと共に静かな表情で自身の決意を答え、ミュゼは苦笑した後真剣な表情を浮かべて答えた。

「そんな…………考え直してください、セレーネさん…………!」
「アンタね…………”自分が契約している相手”の意志を尊重するという考えはアンタと同じ役割もあるアタシも理解できるけど、だからと言って”契約者”が間違った判断をしたのなら、それを正すのも使い魔(アタシ達)の役目だと思うのだけど?」
「皇女殿下…………」
「ミュゼ君…………」
「……………………」
セレーネ達の答えを聞いたエマは悲痛そうな表情を浮かべて話を続け、セリーヌは呆れた表情を浮かべた後真剣な表情を浮かべて指摘し、ラウラとアンゼリカは複雑そうな表情でアルフィンとミュゼを見つめ、ミュラーは重々しい様子を纏って黙り込んだ。

「やれやれ…………横から口を挟んで悪いとは思っているがリィンの”先輩”として口を挟ませてもらうぜ。」
するとその時フォルデが溜息を吐いてアリサ達に声をかけ
「リ、リィンの”先輩”って事はもしかして貴方がセシリア将軍の話にあった…………」
「…………クロウの性格にある程度似ている”先輩”――――――リィンがメンフィル軍の訓練兵だった頃に一番世話になったって言うフォルデさんですか…………」
「という事はもしかして、そっちにいるライフル使いの女騎士はゼノと”閃撃”を狙撃した”狙撃手(スナイパー)”で、訓練兵時代のリィンが一番親しかった”同期生”?」
フォルデの話を聞いたエリオットとマキアスは不安そうな表情でフォルデを見つめ、フィーは複雑そうな表情でステラに視線を向けて訊ねた。

「ま、そうなるな。――――――で、お前達はメンフィル軍に所属したリィンの判断を間違っているような事を言っているようだが…………それのどこが間違っているんだ?リィンはトールズに入学する前から元々メンフィル軍所属で、トールズに入学した理由はそこのアルフィンちゃんの兄貴がリウイ陛下にリィンをトールズに入学させるように頼んでリウイ陛下がそれを承諾してリィンをトールズに入学させたことは知っているだろう?エレボニアとメンフィルが戦争状態に陥ってしまった以上、”メンフィル軍所属のリィンは敵国の士官学院から去ってメンフィル軍に戻る事は当然の流れなんじゃねぇのか?”」
「逆にリィンさん達がⅦ組――――――エレボニア帝国の士官学院所属であり続ければ、エレボニアの士官学生としてリィンさん達にとっての祖国であるメンフィルに刃を向ける事になり、その事によって最悪の場合リィンさん達はメンフィル帝国に”反逆者”として認定され、リィンさん達はメンフィル帝国に命を狙われ、更にはご家族であるシュバルツァー家の方々もその責任をメンフィル帝国に追及され、リィンさん達共々メンフィル帝国が決めた”処分”を受ける事になる可能性がある事も考えなかったのですか?」
「…………………」
「そ、それは…………」
「確かに私達はエレボニア帝国所属の士官学生です。でも!”Ⅶ組”である私達を含めた”紅き翼”に協力するトールズ士官学生達はエレボニアの”第三の風”――――――つまり、”中立の立場”として”革新派”や”貴族派”、どちらにつく事もなく内戦を終結させる方法や内戦に隠されていた”裏の事情”を探り、多くの人々の協力を得て内戦を終結に導きました!だから今回の戦争も私達はメンフィル・クロスベル連合と戦争するつもりでいるオズボーン宰相達やメンフィル・クロスベル連合に協力するヴァイスラント決起軍とも違う方法で戦争を終結させる事や、その為の戦争に隠されている”真実”を探って終結させるつもりです!だから、決して私達はメンフィル・クロスベル連合に”敵”になるつもりはありません!」
フォルデとステラの正論に対して何も反論できないオリヴァルト皇子は辛そうな表情で顔を俯かせ、エマが答えを濁している中アリサは真剣な表情で声を上げて反論した。

「リィン、あんた達がメンフィル帝国にいる間にあたし達はエマ達魔女の一族の”長”やトマス教官――――――”星杯騎士団”、そしてさっきまであった”星杯”で今回の戦争を含めた様々な”裏の事情”を知る事ができたわ。まずはそれを聞いてから、Ⅶ組に戻るのか、メンフィル軍に戻るのかを決めなさい!」
「―――サラ教官。まさか、サンドロット卿がメンフィル帝国軍にいると理解していて”俺達が何も知らないと思っていたんですか?”」
サラの説得に対してリィンは静かな表情で指摘し
「”槍の聖女”がメンフィル帝国軍にいる事と、サラ教官が言っていた事とどう関係しているんだ…………?」
「まさかリアンヌ…………お主、妾がお主やドライケルスに教えた”呪い”の事を含めた”全て”や結社にいた時に知った妾も知らぬ”裏の事情”を現代の”灰”の小僧――――――いや、メンフィル・クロスベル連合に話したのか!?」
リィンの指摘を聞いたガイウスが不思議そうな表情をしている中事情を察したローゼリアは血相を変えてリアンヌに問いかけた。

「――――――今の私は貴女が知る”リアンヌ”ではありません、”ローゼリア殿”。”我が名はリアンヌ・ルーハンス・サンドロット。”かつて軍神(マーズテリア)に破門され、リウイ陛下とイリーナ皇妃陛下が目指す理想に共感し、お二人に忠誠を誓ったメンフィル帝国近衛騎士団長シルフィア・ルーハンスの転生者です。」
「リア…………ンヌ…………」
「…………どうやら貴女はイリーナ皇妃陛下と同じような状況になったみたいだね、シルフィアさん…………」
「フフ、一体いつからアリアンロードから今の貴女に代わったのかしら?――――――いえ、もしくは”盟主(グランドマスター)の誘いを受けて既に代わっていて、盟主や結社を裏切る事を前提に結社に所属していたのかしら?”」
リアンヌの答えを聞いたローゼリアは愕然とし、オリヴァルト皇子は複雑そうな表情で呟き、クロチルダは寂しげな笑みを浮かべてリアンヌを見つめた。

「オリヴァルト殿下達から聞いた今の聖女リアンヌの状況を知った時に想定はしていましたが…………リィン君はそれらを知ってもなお、メンフィル帝国軍の一員としてエレボニア帝国と戦闘に参加するつもりなのですか?」
「――――――むしろ真実を知ったからこそ、メンフィル帝国軍の一員としてエレボニア帝国と戦わなければ、トールズ時代にお世話になったエレボニアを救う事はできないと判断しました。」
「な…………」
「それは一体どういう事なのだ、リィン!?」
複雑そうな表情を浮かべたトマスの問いかけに対して答えたリィンの答えを聞いたアリサ達がそれぞれ血相を変えている中サラは絶句し、ラウラは真剣な表情で問いかけた。
「――――――簡単な話です。メンフィル・クロスベル連合は”エレボニアの全ての元凶たる呪いを滅する手段”がありますし、エレボニアを含めた西ゼムリアの”激動の時代”を終わらせる為には”呪い”を利用しようとしているオズボーン宰相達も滅する事が必要であり、それができるのはメンフィル・クロスベル連合だけであるとリィンさんは理解しているからです。」
「何ですって!?」
「バカな…………!?それは遥か昔の”魔女”や”地精”、そして聖獣達も成し遂げる事ができなかったのじゃぞ!?その”呪い”をどうやって滅するつもりなのじゃ!?」
リィンの代わりに答えたプリネの答えを聞いたクロチルダとローゼリアはそれぞれ驚きの声を上げ
「フッ、今回の戦争…………”セリカ・シルフィルもメンフィル・クロスベル連合の協力者の一人である”と言えば、放蕩皇子とその懐刀ならば理解できるだろう?」
「”セリカ・シルフィル”…………?」
「――――――”六銃士”のように”D∴G教団事件”の際に突如現れて事件解決に貢献し、その後クロスベルに滞在し続け、遊撃士協会に協力し、その剣の腕はかの”風の剣聖”をも遥かに凌駕している事から”嵐の剣神”と呼ばれている凄まじい使い手の剣客か。あちらの銀髪の剣士の話通りならば、オリヴァルト殿下とミュラー少佐はその人物の事をご存知との事ですが…………」
「ハハ………マリーニャさん達がエステル君達と共に”アルスター”の人達を救ってくれた話を聞いた時からそんな予感はしていたけど、やはりセリカさん達もメンフィル・クロスベル連合に協力しているのか…………」
「…………確かにセリカ殿ならば、”呪い”も滅する事は可能だろうな。」
静かな笑みを浮かべたレーヴェの指摘にフィーが首を傾げている中静かな表情でセリカについての情報を口にしたアルゼイド子爵はオリヴァルト皇子達に視線を向け、視線を向けられたオリヴァルト皇子は疲れた表情で呟き、ミュラーは複雑そうな表情で呟いた。するとその時セレーネ達の足元に巨大な転位魔法陣が現れた!

「魔法陣!?」
「まさか…………リィンさん達をあの戦艦に転位させる為の…………!?」
「待ちなさい!まだ話は終わっていないわよ!?」
魔法陣を見たセリーヌは驚きの声を上げ、エマの推測を聞いたサラはリィン達を制止しようとしたその時
「…………ヴァリマール、これらをトワ会長に渡せるように頼めるか?」
「うむ、お安い御用だ。」
リィンの指示を受けたヴァリマールがリィンが取り出した生徒手帳とARCUSを光に包み込んでトワの手に渡らせた。

「え…………こ、これってもしかしてリィン君の…………!?」
「生徒手帳とARCUS…………――――――それも、どちらとも二つに割かれているようだが…………まさかリィン君自身がやったのかい?」
自分の手に渡ったリィンの二つに分かれた手帳とARCUSを見たトワは血相を変え、アンゼリカは重々しい様子を纏ってヴァリマールにいるリィンに問いかけたその時、ヴァリマールは地上から飛び立ち、ヴァリマールに続くように残りの機体も地上から飛び立ってヴァリマールと共に滞空してアリサ達を見下ろした。
「――――――この戦争で”黒のアルベリヒ”を含めたエレボニア帝国軍や黒の工房、結社や西風の旅団に所属するアリサ達”Ⅶ組”を含めた”トールズ”の関係者達をも討つ事を決めた俺の”決意の証”です。ありがとう――――――アリサ達と過ごした日々は本当に楽しかった。」
「待って…………行かないで…………リィン…………」
そしてリィンがアリサ達に別れの言葉を告げると、アリサは懇願するような表情を浮かべて手をヴァリマールに伸ばしたが、ヴァリマールの中にいるリィンはそれに応じず、他の機体と共にアリサ達に背を向けて”ヴァリアント”へと向かい、またセレーネ達も転位魔法陣によって”ヴァリアント”へと転位し
「リィィィン――――!!」
それを見たアリサは悲痛そうな表情で悲鳴を上げた。

そして…………リィン達が帰還すると、”ヴァリアント”はステルス機能を再び起動させてカレル離宮から飛び去り…………アリサ達は失意のまま、エマ達の転位魔術によって”カレイジャス”に帰還し、ローゼリアの提案を受けて結界によって世間から隠されているローゼリアやエマ達”魔女”の隠れ里――――――”エリン”に向かう事になり、アリサ達を乗せた”カレイジャス”は”隠れ里エリン”が隠されているサザ―ラント州アルトリザス地方の大森林――――――”シュタット大森林”へと向かった――――――

 
 

 
後書き
騎神戦後のリィン達がアリサ達と話すシーンのBGMは閃4の”縁 -つなぐもの-”だと思ってください♪

今回の話が終わった後閃4のOPのフルVERがかかって1番目の歌はリィン達、2番目の歌はⅦ組とその協力者がそれぞれ映った後1番目のサビはリィン達がエレボニア帝国軍と戦っているシーン、2番目のシーンはⅦ組陣営が黒の工房の本拠地で戦っているシーンが映り、最後のサビはリィン達とⅦ組陣営がぶつかり合って戦うシーン、ヴァリマール&エル・プラドー&ヴァイスリッターVSオルディーネ&テスタロッサ&アンゼリカが操縦するシュピーゲル、リィン達側の機甲兵達とⅦ組陣営側の機甲兵達がそれぞれぶつかり合って戦うシーンが映り、閃4のラストダンジョンでルトガーと一騎打ちをするジェダル、レオニダス&シャーリィと戦うリリカ達、アルベリヒ達と戦うセリカ達、イシュメルガを背後に不敵な笑みを浮かべているオズボーンに対してそれぞれの力を解放してイシュメルガに力を放つセリカ、アイドス、エイドスを背後にしてアイドスの力を解放してオズボーンに斬りかかるリィンのシーンが映り、最後にリィン隊のメンバー、リィンの使い魔達、リアンヌ達鉄機隊、プリネ達(プリネ、ツーヤ、レーヴェ、エヴリーヌ)、エステル達、ロイド達、Ⅶ組、Ⅶ組の協力者達、リウイ達、ヴァイス達六銃士とリセル、ジェダル達、エイドス達が順番に映った後、閃2のOPのように閃4ラストダンジョンで多くのメンフィル兵達の前でメンフィル軍の戦艦の部隊を背後にして閃4OPの無仭剣の動作の一部をした後太刀を掲げて大号令をかけるリィンが映ると思ってください♪
 
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