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悪人達がサキュバスに転生しましたが、容姿が見た事のあるキャラばかりでした

作者:黒の汚水
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もと泥棒は、とある家事万能な女子高校生となる

「大丈夫ですか?」

「はあ、はあ、なんとか…。」

息も絶え絶えな桐須さんに声をかける。
顔が真っ赤だ。
人に聞いた話だと、女性の胸は男性と比べて、敏感らしい。
あの大きな胸を揉みくちゃにされて…。
自分の胸を見る。

「………。」

これが格差社会。
って、しょんぼりしない!
女性になったとはいえ、もと男性。
小さな胸を気にして、どうしますか。
彼女にも失礼です。
船堀さん。
ディーふらぐ!に登場する女の子。
今の私の姿。
可愛いけど、独特な性格の子が多い漫画。
その中で1番好きだったのが、船堀さん。
小柄だけど家事万能。
優しくて気配りも出来る。
作中で唯一、まともなキャラではないでしょうか?

「ぶくぶくぶく。」

立花さんが温泉の底に沈んでいます。
ヴァレンシュタインさんの拳骨を脳天に受けて、撃沈。
自業自得です。
というか、立花里美ファンに謝りなさい。
さっきの光景を見たら泣きますよ。

「そろそろ上がりましょうか。」

身体も温まったし、食事の準備をしないと。
忘れてはならない1日1回のアレ。
命が掛かっています。
〇液は断固拒否したいので、残された道は食事のみ。
長門さんのおかげで、食材は豊富。
塩はないですが、味付けは醬油で十分。
アインツベルンさんにも感謝です。
肉は…魔物の肉は…一応使いましょう。

「…あっ。」

そういえば、タオルがない。
服も下着も、替わりがない。
不味い。
皆も気がついたようで、温泉から出れない。
女性じゃなくても、同じ物をずっと着るのは、大変良くない。
不潔です。
洗濯した場合、乾くまで裸のまま。
何も行動できない。

「やばいですね。」

色々順調で、油断してました。
こんな大きい落とし穴があったとは!

「は~い、私にお任せよ~!」

声の方を見れば…。
笑みを浮かべて、仁王立ちしている立花さん。
いつの間に復活を!?
あと、大事な所を隠して!

「問題は魔法で解決よ。」

温泉から上がり、床に魔法陣を発動させる。
赤く光っている魔法陣と青く光っている魔法陣。
これは一体?
立花さんが赤い方の魔法陣に入ると、温風に包まれ、身体も髪も乾きました。
す、凄い。
続けてもう1つの魔法陣に、着ていた服と下着を入れると…。
青い光の渦が現れ、飲み込んでしまう。

「まさか、洗濯機!?」

予想通りでした。
渦が消えた後、服と下着が綺麗に。
しかも、濡れていない。
様々なチート能力がありますが、魔法の力…万能過ぎる。
ある意味、最強かも。

「どう、これで解決でしょ?お礼は胸を揉ま、ぐぺっ!?」

言い終える前に、またヴァレンシュタインさんに撃沈されました。
もともとエロかったのか。
サキュバスになって、エロくなったのか。
とりあえず、使わせてもらいましょう。
順々に身体と髪を乾かし、服と下着を洗濯していきます。
待っている間、ふと思い出す。
転生前の自分は泥棒。
やりたくなかったのですが、仕方なかった。
孤児院を、子供達を守る為には…。

「船堀、次いいよ。」

「は、はい。」

いけない。
まずは、やるべき事をしましょう。
さくっと魔法陣で、身支度を終わらせ、食事の準備を始める。
下層で食材を調達。
30食を10人分…沢山必要ですね。
1回で運ぶのは、到底無理。
何度も往復するのでは、時間が掛かります。
なので、立花さんにお願いしてみました。

「ははは、本当に何とかして頂けるとは…。」

下層と上層を繋ぐ、移動魔法陣の完成。
もはや、何でもありですね。

「お礼は…」

「ヴァレンシュタインさーん。」

「勿論、お礼なんていらなわ!」

うん、扱いにも慣れてきました。
エロいのは駄目ですが、食事でお礼しましょう。
私のチート能力は、料理の力。
1度でも食べた料理を、作る事が出来ます。
必要な食材や調理の工程を知らなくても。
もし食材が足りなくても、別の食材で再現可能。
幸いというべきか。
転生前は、色々な料理を食べていました。
頑張りますか!
そう意気込んで…。

「あちゃー。」

テーブルと椅子。
それだけしか、食堂になかった。
ガスコンロも食器も調理道具もない。
ですよねー。
温泉の時に気がつくべきでした。

「船堀、どうした?」

「オティヌスさん。実は色々と足りなくて、料理が出来ません。」

「…なるほど、そういう事か。能力で、作ろうか?」

「その手がありました!お願いします!」

彼女に頼んで、出来上がった物は5種類。
食器とスプーンとフォークを人数分。
催し物とかで使われる超大型の鍋を3つ。
最後は包丁です。
大地の力恐るべし。
石で作ったのに、陶器のような滑らかな仕上がりに。
感謝しつつ、調理開始です。
現状では、凝ったものは作れない。
シンプルで美味しいものがいい。
うーん。
野菜スープにしましょう!
決めると調理工程が、頭の中に流れてくる。
間違えないよう注意して、迅速に行動。
ふふふ。
気分は、プロの料理人。
ちなみに、魔力で作った武器は…お玉杓子でした。
何故!?
大きさ、長さ、形を変えられ、とても便利ですが…。
武器じゃないですよね!?

「船堀ちゃん、ちょっとだけ食べていい?」

「却下です。出来るまで、これでも食べて下さい。」

つまみ食いしようとする立花さんの口に、赤い野菜を入れる。
デザートとして持ってきた苺。
知らない人も多いようですが、苺は果物でなく野菜です。

「甘い~♪」

移動魔法陣に続いて、料理に必要な火を魔法で代用しました。
このくらいの御褒美はいいでしょう。
食器は、大きなどんぶり。
いっぱい食べると思うので。

「食事が出来ました!」

異世界に転生して、初めての食事。
皆の様子を窺います。
チート能力とはいえ、本当に美味しいのか?
不安です。
味見したので大丈夫と思いますが…。

「ふう、温かくて優しい味だ。」

「やばい、何杯でも食えそう。」

「もぐもぐ、美味ーっ!」

「…おかわり。」

「食べるの早っ!?」

「肉が入ってる。」

「それって、ヘルハウンドの…。」

「意外と美味いよ。食べてみなよ。」

「ああ~、幸せだわ~。」

良かった。
予想以上に好評でした。
安心して私も食べる。
美味しい…でも、もっと美味しく出来そうですね。
同じ物を作るだけでなく、更に美味しく進化させる。
これが料理の力の真骨頂。

「まあ、それよりも…。」

皆で楽しく食べる事が、最高の調味料かもしれない。 
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