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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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トラップ

<ピラミッド>

アルル達はトラップに気を配りながら、ピラミッドを更に奥へ進んで行く。
火炎ムカデやミイラ男・マミーと言ったモンスターの攻撃を打ち破り、奥へ奥へと突き進む。
言うまでもない事だが、リュカは宣言通り何もしない。何時もと同じ…
エコナも人食い箱を警戒して、宝箱を見つけてもいきなり開けなくなった。
まぁ…人食い箱だった場合を想定して、身構えながら宝箱を開けてるのだが…


暫く進むと、大きな石の扉が一行の前に立ちはだかる。
「なんやここ?随分と厳重やね!」
「これだけ厳重にしてるって事は…」
「えぇ…多分この奥に魔法の鍵があるのよ!」
少女3人は重厚な石の扉を調べながら言葉を交わす。
「これ、どうやって開けんねん!」
「何処かにスイッチみたいのがあるんじゃない!?」
「そうですね、とても人力じゃ開きませんよね!」

少女3人が扉を調べるのを止め振り返ると、居るはずのリュカとウルフが居なくなっているではないか!
「え!?ちょっ…リュカさん!」
リュカが居なくなった事に不安を感じたアルルが、涙声で叫ぶ。
「な~に~?」
奥の方からリュカの声が聞こえる…
「どうしたの?」
リュカの声とは別方向からウルフが現れる。

「ちょっと!勝手にフラフラしないでよ!」
「せや!不安になるやん!」
責められるウルフ…
「だ、だってリュカさんが『何処かにボタンがあるから探そうぜ!』って言うんだもん!」
「………で、あったの?」
「う、うん…向こうに2つあった…」
「あっちにも2つあるよ」
戻ってきたリュカが申告する。

「つまりボタンが4つあるのね…」
「どのボタンが正解やろ?」
流石は王家の墓…一筋縄ではいかない様だ。
「リュカさんはどれだと思います?」
困ったアルルは、事態の解決をリュカに押し付ける様に訪ねる。
「さぁ…どれだろうねぇ…でも僕が思うに、どれか1つが正解ではなく、4つのボタンの押す順番が重要だと思うよ」
「何でそう思うんですか?」
「だってさ、1つのボタンが正解だったら、偶然に正解する人も居ると思うんだよね!でも今まで正解した人は居なさそうだし…」

「じゃぁ…その順番は?」
「おいおい…幾ら何でもそんなの知らないよ!」
アルルは困るとリュカに頼る様になっている…あまり良い事では無いです。
「闇雲に試すのは危険だし、一旦イシスへ帰ろうよ。レイチェルなら何か知っているかもしれないし…」
「此処まで来て町へ戻んのはシャクやな!取り敢えずボタン押してみようやないか?偶然正解するかもしれへんやん!」
「え~…危険だよぉ~」
「私もエコナの意見に賛成よ!」
パーティーリーダーのアルルがエコナの意見を推奨する。
「此処まで来たんだもの…何もしないで帰れないわ!」
「じゃぁ…どのボタンを押します?」
少女3人はレイチェルに会いたく無いらしく、町へ戻る事を拒否してる。


「ほな、端から押して行くで!」
エコナがボタンを押そうとし、アルル達が敵の出現に警戒をする。(リュカ以外)
(ポチ)
すると突然床が抜け、一行は一人の例外もなく落下して行く!
「「「きゃー!!!!!」」」


(ドサ!)
「いてててて………何だ?此処!?」
たいした高さでは無かったが、不意を突かれた為受け身をとる事が出来ず、予想外に痛い思いをしたリュカ…
「みんな…無事?」
ひとまず少年少女を気遣い手を差し伸べる。

「…いたたた…リュ、リュカさん…どうしよう…あ、足の骨が折れちゃった…」
なんと、落下の衝撃でアルルが足を骨折してしまった!
「だ、大丈夫ですかアルル!今すぐホイミを「ダメだ!」
「「え!?」」
ハツキがアルルに近付きホイミを唱えようとしたが、リュカに阻まれてしまう。

「変な状態でホイミをかけると、そのままの状態で骨がくっついてしまう!先ずは骨を真っ直ぐな状態にしないと………アルル、ものっそい痛いよ!我慢出来る?」
リュカは涙目のアルルの瞳を覗き、優しく脅す。
「お、お願いします………」
リュカは自分のハンカチを取り出し、アルルに噛ませ骨折箇所に手を当てる…

そして…
(ゴリッ!!)
不格好に曲がったアルルの足を、真っ直ぐに戻すリュカ!
「(ん~~~~!!!!!!)」
アルルがくぐもった叫び声を上げ、激痛で気絶する。

「ベホイミ」
リュカはベホイミで骨折を治療する………が、魔法が発動しない…
「な、なに!?ベホイミ!……ベホイミ!!」
「な、何で魔法が発動せんの?」
「ウルフ…ちょっとメラを唱えてみろ!」
「う、うん…メラ!」
ウルフが通路の奥の方目がけ、メラを唱えてみる…が、やはり魔法が発動しない!
「ど、どうなってるんですか!?」

「………きっと、フロア全体に『マホトーン』の魔法がかかってるんだ!…このフロアから脱出しないと魔法は使えない…」
「じゃぁ早く逃げようぜ!魔法が使えないと、俺何も出来ないんだ!今戦闘になったら俺は戦力外だから!」
「うん。じゃぁ、取り敢えず此処から脱出!その後は一旦町へ戻る…いいね!?」
エコナもハツキも黙って頷く。

「…っと、その前にアルルの骨を固定したいな。ウルフ、何が添え木になる様な物無い?」
リュカに訪ねられたウルフは、周囲を見回し大量に散乱している骨を1本拾い手渡す。
「ちょっと気持ち悪いけど、これで我慢して貰うしか…」
「ありがとう。しょうがないよ………でも…このフロア、骨だらけだな…何があるんだ、此処には?」
気絶したアルルの足を拾った骨で縛り固定する。

戦闘になった場合、参加出来ないウルフにアルルを担がせ、一行は通路を向かって右へと進んでみる…どちらが出口か分からない為、勘を頼りに進み行く。
《あ~…やだなぁ…敵、出てこないといいなぁ…特にアレ!腐った系!アレ攻撃すると、杖が臭くなるんだよなぁ…そうだ、アルルの『鋼の剣』を借りよう!………あぁ…戦うのやだなぁ………》

女の意地が招いてしまったこの状態………ある意味リュカのせいなのでは………?



 
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