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オズのキャプテン船長

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第二幕その六

「皆でお話してね」
「されじゃあそうさせてもらいます」
「そういうことでね」
「この国は生きものも喋るからね」
「中に入ったら喋られるのよね」
 鶏のビリーナが言ってきました。
「私もそうだし」
「あっ、そうよね」
「そう、私もトトもエリカも最初は喋られなかったのよ」
 それがというのです。
「オズの国に入ってね」
「喋られる様になったわね」
「これもオズの国の不思議よ」 
 そのうちの一つだというのです。
「それで喋れる様になって」
「私達ともやり取りが出来るのね」
「あと外のどの国の人でもね」
「あっ、オズの国だとね」
「普通に英語でお喋り出来てるわね」
「私英語まだまだ駄目なの」
 恵梨香はそうで、そして他の子達もでした。
「英語難しいね、中国語と文法同じでも」
「ポルトガル語と違うよ」
「ロシア語とは文字が違うわ」
「僕は普通だけれどね」
「その皆が普通にお喋り出来ているのよ」
 このこともというのです。
「オズの国の不思議なことでしょ」
「そうよね、確かに」
「言葉も普通に通じるの」
「動物でも英語が苦手な人でも」
「そうなることはね」
 まさにというのです。
「私も有り難く思ってるし」
「そして私達もね」
「そうなるわね」
「そうよね」 
 恵梨香はビリーナの言葉に頷きました。
「本当に」
「そうでしょ、じゃあね」
「ドードー鳥とも」
 まさにと言うのでした。
「会うのよ」
「そうさせてもらうわね」
「そういうことでね、ただね」
「ただ?」
「いや、私オズの国に来てドードー鳥と会ったけれど」
「そうよね、外の世界はもうね」
「私がアメリカにいた時はいなかったから」
 だからだというのです。
「オズの国に来てはじめて会ったわ」
「そうだったわね」
「ええ、けれどそんなに珍しいとはね」
「貴女は思わないのね」
「そうなの」
 ビリーナはというのです。
「他の生きものもね」
「それはあれね」
「あれっていうと」
「貴女はドードー鳥はこの世界で知ったのよね」
「ええ、そうよ」
 その通りだとです、ビリーナは答えました。
「それからよ」
「そうよね、アメリカにいた時は知らなかったのよね」
「リョコウバトは知っていたけれど」
 それでもというのです。
「あの鳥を知ったのはね」
「それじゃあね」
 それならというのです。
「不思議と思わないの」
「あっ、わかったわ」
 ビリーナもここで頷きました。
「オズの国ではじめて知ったから」
「それが普通になってね」
 それでというのです。 
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