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大障害物レース

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第三章

 そして大会の日にだった、二人は受付で旅の冒険者と素性を隠したうえで参加を申し込んで参加を認められてだった、大会がはじまる号砲の音と共に。
 前に出るがすぐに最初の関門でだった。
 賽子で偶数が出なければ前に進めないとあったがダイアナは六を出して即座に通過してセーラに言った。
「楽勝楽勝」
「一発で出したわね」
「運ね、遊び人は運がいいから」 
 そうした職業だからだというのだ。
「こうしたのも楽よ」
「そういうものね」
「そうやで、ほな次に行こうな」
 こう言ってセーラを引っ張る様に駆けていく、途中モンスターが多く出たが二人はそれぞれの術で倒していった。
 ただ自分達に来るモンスタ―達だけでなくだった。
 途中苦戦しているパーティーにも横を通りかかる時にさっと一撃を出してモンスター達を倒して言った。
「遊び人は義理人情」
「狭を大事にするから」
「助けられる限り助ける」
「それでなのね」
「こうして倒していくのがええ遊び人やから」
「助けるのね、ライバルでも」
「ライバルでも困ってる人は助ける」
 それがというのだ。
「そうしたもんやさかい」
「助けていくのね」
「そういうことやで」
 こう言って人も助けつつ先に進んでいった、人助けをしつつでも星の者である二人の足は速くかなり後列からのスタートだったが他の参加者達をどんどん追い抜いていった。
 落とし穴も壁も落石も坂道で上から来る岩も浮いた置き石を忍ばせてある池も細い橋もモンスターがいるガラス張りの迷路もだった。
 ダイアナは自分が主体となって進んでいった、そうしつつまたセーラに話した。
「こういうのは遊びやさかい」
「ダイアナちゃんにとっては」
「こんな楽しいことないさかい」
 それでというのだ。
「もうどんどんな」
「先に進んでいけるのね」
「こうした遊びは楽しみながら」
 そうしつつというのだ。
「どんどんやで」
「先に進んでいけるのね」
「この通り、ただ」
 障害物を乗り越える時もだった。
 ダイアナはさりげなくだが確実に困っている者を助けていた、落ちた者の手を引っ張って轢き戻したり足元に何があるのかを教えたりして。
 そうして先に進んでいった、セーラはこの時もダイアナに言った。
「こうした時もなのね」
「困っている人は助けるのがな」
「義理人情で」
「ええ遊び人やから」
 それ故にというのだ。
「助けてくわ、余裕のある限り」
「余裕があれば」
「そやで、人を助けてく」
「それがいい遊び人なのね」
「そしてその余裕も」 
 人を助けられるそれもというのだ。 
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