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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  第7話『戦慄!悪魔のメタルビースト真ゲッター』

「まさか、早乙女博士達が蘇るとは…」
雅は早乙女博士達の消えていった空を見ながら呟く。
「雅、早乙女博士ってどんな人?」
フェイトは雅に質問する。
「早乙女博士はゲッターロボを開発した博士で、生体力学の研究も行っている人だった。」
「雅さん、俺の知っている早乙女博士とイメージが違うんですけど。」
「圭一、無理もない。圭一が知っている早乙女博士とは異なる世界の早乙女博士だからね。『ゲッターロボG』の世界と『真ゲッターロボ』の世界は別々の世界。世界が変われば性格も変わるのは、炎囲ミヤビさんの件でわかっているはずだ。」
「そうですね…」
雅の説明を聞き、圭一は納得する。
「早乙女博士の言うように、渓さんは早乙女博士の子供なのは事実だ。だけど、圭一の知っている世界では男の子、早乙女元気で、この世界では女の子なのを男の子と早乙女博士は偽っていた。それを弁慶さんが娘として引き取り、その時に渓という名前に変えたんだ。」
「渓さんにそんな過去があったんだ…」
フェイトは雅の説明に関心を示していた。

その頃、早乙女博士達は廃工場にいた。
「早乙女博士、何故こんな所に?」
コーウェンは早乙女博士に質問する。
「ここなら機材はいくらでもある。早速取り掛かるぞ。」
早乙女博士は各種機材にインベーダーを融合させてメタルビーストに変える。
「では、始めるか。」
早乙女博士は集めていたメタルビーストの残骸をメタルビーストに渡し、メタルビーストはそれを加工し始める。
「早乙女博士、これは!?」
加工される工程を見て、スティンガーは驚く。
「スティンガー、それにコーウェン、真ドラゴンの掌握も大事だが、それを奴らに奪い返されては元も子もない。ならば、先に奴らの戦力を奪う方が重要であろう。」
「その通りだ。ね~、スティンガーくん。」
「そうだね、コーウェンくん。」
「スティンガー、コーウェン、初代ゲッターチームの再結成だ。まずは各地のメタルビーストの残骸を集めるぞ。」
早乙女博士達はインベーダーの姿に体を変えて散らばる。

それから数日間、早乙女博士達の情報は見つからずにいた。
「どうして見つからないんだ。僕の時よりも防犯システムはしっかりしているはず。」
雅達ゲッターチームは真ドラゴンの内部で早乙女博士達の動きを探っていた。
「多分、雅の時と違ってあまり動かないから、カメラで追えないのかも。」
「なるほど。動かない相手にはカメラも機能しないわけか。やはり、エンジニア達が相手だと厄介だな。」
雅はカメラの映像をしっかりと確認している。すると、
「止めてくれないか!」
雅は何かに気づき、フェイトはカメラを止める。
「見つけた!」
そこには、メタルビーストの残骸を背中に乗せて進むインベーダーが映っていた。
「雅、早乙女博士達は?」
「ここにいるインベーダーが、早乙女博士達だ。」
「どうして解るの?」
「インベーダーは基本知性は低く、仲間の残骸を見ればそれを取り込もうとする。だがそれをせずに何処かに運ぼうとするのは早乙女博士達上級インベーダーに限られる。」
「それで、早乙女博士達はメタルビーストの残骸を運んで何をしようとしているの?」
「わからない。だがきっと、ろくでもないことだろう。」
雅は早乙女博士の目論見を考察し始める。

その日を境に、インベーダーはメタルビーストに進化した状態で現れるようになった。
「相手がメタルビーストだと、ゲッター2の武装じゃ不利になるから、雅と圭一に負担をかけるかたちになって、すごく申し訳ない気がする。」
真ジャガー号を操縦しながらフェイトは言う。
「それに関しては大丈夫だけど、明らかに様子がおかしい。まるで、あえて僕達に倒されるように戦っているように見える。」
「確かに、言われて見れば雅さんの言うとおりだ。けど、どうして早乙女博士はメタルビーストを俺達に倒させているんでしょうか?」
「問題はそこだ。もしかしたら、僕達は早乙女博士の手のひらの上で踊らされているだけなのかもしれない。」
「雅、どういうこと?」
「早乙女博士の目的が、僕達にメタルビーストを倒してもらい、その残骸を集めることだとしたら?」
「それじゃあ!?」
「ああ、僕達はずっと早乙女博士達に協力していたんだ!とにかく、今はすぐに號さん達にこのことを知らせよう。」
雅達は真ドラゴンに戻って號達に事情を説明した。
「確かに妙だな。早乙女達は真ドラゴンの奪取が目的のはずなのに、やっていることはゲッター線を使えばすぐに倒せるメタルビーストを小出しにしているだけ。明らかに様子がおかしい。」
號が話していると、凱が何かに気づく。
「待て、今ゲッター線を浴びせて倒すって言ったか!?」
「ああ。」
「號、渓、それに雅君達、早乙女博士の目的が解った!」
「凱さん、本当ですか!?」
「ああ、奴らの目的は、ゲッターを作ることだ!」
「凱、どういうことだよ。」
凱の考察に渓は疑問を投げかけるが、
「そういうことか!メタルビーストを使っていたのはゲッターのボディを作る為、それに対応させるためにゲッター線を吸収させていたのか!」
雅はついに早乙女博士の目論見に気づく。

その頃、廃工場では、早乙女博士は最終工程を行っていた。
「コーウェン、スティンガー、そろそろ出来上がるぞ。ワシらのゲッターが。」
早乙女博士がそう言うと、既にそこには3機のゲットマシンが出来上がっていた。

次の日、巨大なインベーダーが町中に現れる。
「このタイミングでインベーダー…様子がおかしい。みんな、行こう。」
雅は動こうとするが、なんとそれより速く3機のゲットマシンが現れる。
「あれは、ゲットマシン!?」
雅は驚くが、不信に思い現地に向かおうとするが、謎の3機のゲットマシンは真ゲッター1に合体し、インベーダーを攻撃する。
“キュオォォォ”
ゲッターカッターによって切り裂かれたインベーダーは悲鳴をあげる。しかし、謎の真ゲッター1はそのままゲッタービームを放ちインベーダーを撃破する。そこに雅達がゲットマシンに乗って現れる。
「お前達、早乙女博士にスティンガー、コーウェンだな!」
雅は謎の真ゲッター1に質問を投げかける。
「如何にも!これこそが我ら初代ゲッターチームの新たな戦力、メタルビースト真ゲッターだ!」
早乙女博士の宣言を聞き雅がよく見ると、ゲッター線が循環している場所には、無数のインベーダーの目が蠢いていた。
「まさか、これを作るためにメタルビーストを!?」
「その通り!全ては真ドラゴンを我が手に収める為!貴様らには消えてもらうぞ!」
早乙女博士はそう言うと、メタルビースト真ゲッター1はゲッターサイトを手に取る。
「雅、圭一、ここは私に任せて。チェンジ、ゲッター2!」
フェイトの宣言によってゲットマシンは真ゲッター2に合体する。
「馬鹿め、高速で動けばどうにかなるとでも思ったか!ゲッターバトルウィング!」
高速移動しながら突進する真ゲッター2を見てメタルビースト真ゲッター1は巨大な翼を出現させ、それを有機的に動かしてあえてゲッタードリルが当たるように見せかけて避けると、
「後ろががら空きだ!」
メタルビースト真ゲッター1はゲッターサイトで真ゲッター2を切り裂き、
「スティンガー、頼むぞ!オープンゲット!」
「解りましたよ、早乙女博士。ちぇ~んじ、ゲッター2!すいっち、おん!」
スティンガーは気の抜けたような言い方でメタルビースト真ゲッター2に合体させ、左手のゲッタードリルで真ゲッター2を攻撃しようとする。
「危ない!オープンゲット!」
フェイトは咄嗟の判断で合体を解除する。
「ここは任せてくれ!チェンジ、ゲッター3!スイッチ、オン!」
圭一の判断によって真ゲッター3に合体する。
「くらえ!ミサイルストーム!」
真ゲッター3はミサイルストームを放ち、メタルビースト真ゲッター2を攻撃するが、メタルビースト真ゲッター2はそれらを華麗に避け、
「スティンガーくん、私に代わるんだ。」
「わかったよ、コーウェンくん!お~ぷんげっと!」
「チェンジ、ゲッター3!」
メタルビースト真ゲッター3に合体しながら近づき、ゲッターアームで真ゲッター3を羽交い締めにし、
「ゲッターミサイル!」
インベーダーの目が付いた巨大なミサイルを放つ。
「やばい!オープンゲット!」
「行くぞ!チェンジ、ゲッター1!スイッチ、オン!」
ゲッターミサイルの着弾を避けてゲットマシンは再び真ゲッター1に合体する。
「ゲッタートマホーク!」
真ゲッター1はゲッタートマホークを取り出す。
「さて、遊びはここまでにしておこう。オープンゲット!」
コーウェンは合体を解除する。
「そうだな。初代ゲッターチームの結束力、今こそ見せる時!チェンジ、ゲッター1!スイッチ、オン!」
早乙女博士によって、メタルビーストは再びメタルビースト真ゲッター1に合体し、その両手に蛍光緑のエネルギーを溜める。
「まさか!?あれは!」
【ATTACK RIDE-BARRIER-】
雅は驚き、バリアのアタックライドを使って防御の体制に入る。
「ゆくぞ!」
「「「ストナー、サンシャイン!」」」
メタルビースト真ゲッター1の右手から高濃度のゲッター線のエネルギーが放たれ、真ゲッター1を包み込む。
「どうだ!我ら初代ゲッターチームの力は!」
煙が晴れると、そこにはボロボロになった真ゲッター1が倒れていた。
「さて、邪魔者は倒した。今こそ、我らインベーダーの真価を発揮する時!」
早乙女博士がそう言うと、地面から無数のメタルビーストゲッタードラゴンが出現し、真ドラゴンに纏わり付き、メタルビーストに支配された真ドラゴンは暴走状態となってしまう。
「まさか、奴らがここまで強かったとは…!」
新ゲッターチームは初めての敗北に唇を噛み締めることしかできなかった。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
暴走する真ドラゴンを止める為に乗り込む新ゲッターチーム!しかし、そこには恐ろしい罠が待ち構えていた!次回、『復活!恐怖の使者』お楽しみに 
 

 
後書き
新敵紹介
メタルビースト真ゲッターロボ
早乙女博士達が倒されたメタルビーストを駆使して構築した悪の真ゲッターロボ。本家ゲッターロボと同様にオープンゲットとゲッターチェンジ、各種武装を持つが、細かい部分に差異があり、ゲッター1の場合はゲッター線の流れている各部にインベーダーの目が蠢き、ゲッター2の場合はドリルとアームの着き方が逆に、ゲッター3の場合はゲッターミサイルにインベーダーの目が付いているといった違いがある。 
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