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おぢばにおかえり

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第五十三話 おさづけの理その二十七

「人はね」
「一回お会いしただけだとですね」
「わからないものよ」
「それはそうですね」
「そうよ、だから先輩のことを悪く言うことは駄目よ」
「先輩本当にあの人のこと尊敬しているんですね」
「ええ。お父さんお母さんに何といっても教祖様に」
 それと前の大教会長さんの奥さんも尊敬する人です。
「長池先輩もなのよ」
「先輩が一年生の時よくしてもらって」
「色々と教えてもらってね」
「そうなんですね」
「一年生の時って一番大変な時期だと思うけれど」
 高校生活特に寮で暮らしているとです。
「その時に優しくしてもらって教えてもらって」
「感謝していてですね」
「そのお人柄にね」
 今もなのです。
「私は尊敬しているのよ」
「そうですか」
「そう、一年の時どれだけ不安だったか」
 今思い出すだけでもです、お母さんと黒門のところを歩きながらお話をして別れてです、東寮に入った時どれだけ不安だったか。 
 その時に長池先輩に声をかけてもらって優しくしてもらってです、しかも同じお部屋だったのですから。
 東寮で過ごした三年間、私のこの間のことは全部長池先輩からはじまった様なものです。どれだけ感謝しているか。
 そしてその東寮が見えてきて私はまた阿波野君に言いました。
「あの寮からもね」
「あと少しで、ですね」
「そう、出るのよね」
「やっぱり感慨ありますよね」
「あるわ、三年間本当にね」
 今思うとです。 
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