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レーヴァティン

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第百十六話 騎馬民族平定その三

「どうもな」
「少しですね」
「射程がな」 
 鉄砲と同じくというのだ。
「気になるな」
「どうしても」
「少しだけれどな」
「はい、ですが」
「それはそれでだよな」
「その少しが」
「勝敗を決することもありますね」
 源三もこのことは同意だった。
「どうしても」
「そうだよな、ただ鉄砲の射程なんてな」
「一朝一夕にはです」
「変わらないからな」
「そこはある程仕方ないと諦めて」
「今の鉄砲使っていくか」
「火縄銃を。それでも我々は鉄砲の数では」
 もっと言えば大砲もだ。
「他の国を圧倒しています」
「そうだよな」
「そのことだけでもかなりです」
「他の国に有利か」
「ヌミディアにも。そしてヌミディア騎兵は弓矢が武器ですが」
「その射程と騎馬の機動力が厄介だな」
「はい、ですが彼等が弓矢を放つ時は」
 馬に乗りつつだ、これをパルティアンショットと呼ぶ。パルティアという遊牧民の国の軍隊が使ったことからの戦術名だ。
「その時は弓矢に集中しますね」
「馬とな」
「それは確かに強力ですが」
「狙い目でもあるか」
「そうかと」
 自分達にとってはとだ、源三はキャベルの酢漬けを食べつつ話した。
「逆に」
「じゃあ弓矢を撃ってきたらか」
「そこで仕掛けることも」
 このこともというのだ。
「考えていきますか」
「そうだな、その時はな」
 具体的な仕掛けをだ、久志は言った。
「騎馬隊を突っ込ませるなりな」
「そうしてですね」
「戦っていくか」
「それもいいですね」
「ああ、そうだよな」
 こうした話もしつつだ、久志はヌミディア軍が来るのを待っていた、それは昼だけでなく夜もだった。
 久志は将兵達に警戒させていた、斥候も多く出していたがその斥候の一人から報があった。その報はというと。
「ここから七十キロ西にか」
「はい、布陣していて」
「それでか」
「今は多くの将兵が寝ています」
「今か」
 ここでだ、久志は空を見上げた。すると太陽は空の傾いたところにあった。大体三時位であると思われた。
 そこから時間を見てだ、久志は言った。
「今寝てるってことは」
「夜か明け方か」
 進太が言ってきた。
「その時にでござるな」
「来るだろうな」
「夜襲をするからこそ」
「昼に寝るよな」
「はい、そうでござるから」 
「俺達としてはな」
 腕を組んでだ、久志は言った。
「夜に来るならな」
「ならばでござるな」
「備えをするか、しかしな」
「しかし?」
「いや、夜といっても色々だよな」
 一口にこう言ってもというのだ。 
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