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ユア・ブラッド・マイン 〜phantom vocal〜

作者:ケンケン4
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8話〜Milestone

ねえ?幻、私、大きくなったら幻の魔女になるからね。

……ごめん。

ねえ?幻、どうして未来(あのこ)を選んだの?

……ごめん。

ねえ?幻……。

じゃあ俺はどうすれば良かったんだよ!

謝っても許されることではない。俺が柊未来(あいつ)をとったのは間違えない。……それでも、俺は……!










「……。」

目が覚めた。今回の夢は覚えていた。ぼやけていた4年前より前の記憶に混ざった女の子の夢だ。
俺はベッドから出ようとすると何か柔らかい物に抱きついていたのに気がついた。怖い夢を見たのだから掛け布団に抱きついていたのだろうと思って気付いた。
顔の前にあるのは端整な顔、スー。スー。と寝息をかいている柊未来がそこにいた。簡単に言うと俺はその柊に抱きついていた。

「……!?!?」

俺は慌てつつ。しかしゆっくりと柊の華奢な背中に掛けていた腕をゆっくりと離すと。

「……うーん。」

柊がゆっくりと目を開ける。そうすると柊はぱあーも明るい顔になって。

「おはよう!幻!」
「……。」

俺は一人暮らしなのにも関わらず近所迷惑寸前の大きな声で叫びつつ。おそらくこの状況なら柊の方が言って来るであろうセリフが口から出た。

「って……!
なんでお前が俺のベッドの中にいるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?」
「あれ?幻、昨日のこと覚えてないの?」
「昨日?」
「昨日、幻、ふらついて私と一緒にここまで帰ってきたの覚えてないの?」

そう言えば確かに蜃気楼でふらついた後、柊と一緒に帰ってきたのは覚えてる。それで……。

「だったら俺を送って帰ればいいだろ?なんで帰らないで俺と一緒に寝てるんだよ。」
「だって幻が……。」
「俺が?」

そうすると柊はニヤニヤして俺を見下す。

「幻、部屋に入ると私に向かって『一緒にいて。』って可愛い感じで言ってきたんだもん。そりゃね……。」
「……。」
「いやー。可愛かったよ!幻!」

俺は黙って親指で玄関の方を指さして一言。

「Go home。」
「何?一緒にいて欲しい?」
「帰ってくれ。」
「えー。どうしようかな?こんな写真があるんだけどなー?」

そう言ってカメラ付きの電子機器の画面をみせてきた。そこに写っていたのは……。
ベッドの上で柊に抱きつく俺の写真だった。

「これ、どうしようかな?学校にばらまこうかな?幻って結構悪いことやってるみたいだし、私が撮ってるけどこれ既成事実になるなぁ。きっと幻って女の子に手を出すのも早い人って思われるなぁ……。」
「……要求は?」
「待ってました!」

そう言ってパチンと指を鳴らすと俺を指さして。

「ねえ!幻、貴方の記憶喪失。ちょっと調べてみようよ!」
「え?」

柊はポカンとする俺の手を掴んで。ニッコリとして。

「契約したのにこのまま記憶喪失っていうのも不安でしょ?だから一緒に調べてみようよ。」
「……。」

まあ、確かに4年前以降の記憶がないのはちょっと不安もある。俺はため息を吐いて。

「まあ、そうだな。分かった。いいぜ。」
「OK!そうと決まれば……。
学校行かないとね。」
「あ。」

休んでいいと言われたがこのままだと西川先生が心配するだろう。
俺は慌てて朝の支度をし始めた。というか……。

「お前、家帰らなくていいのかよ?」
「ん?大丈夫だよ?だって部屋この下だもん。」
「……。」

確かに、ここは格安のマンションだ。そう言えば最近、新しい人が入ってくるって聞いたが……。そう言えば柊の格好もネズミ君Tシャツに変わってる。俺は再び親指で玄関を指さして。

「帰ってくれ。」
「?なんで?」
「お前、朝の準備は?」
「あ!忘れてた!」

そう言ってあっという間に部屋から飛び出していた。俺は再びはあとため息を吐いて朝の支度を再開した。
 
 

 
後書き
毎日連載していますが次の話は少し開きます。
と言っても3日ぐらいですが。
ご了承ください。 
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