夢幻水滸伝
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第百二話 大社の中でその二
「そこは当然ですね」
「あたしもそれはわかっているから」
ルイーザもだった。
「このことは」
「だからよね」
「食べないから」
「ならいいわ」
ミッチェルはルイーザに笑顔で応えた。
「そうさせてもらうわ」
「それではね」
「しかし。見れば見る程」
羊人の女の言葉だ、人退星ミニー=キャノンだ。職業は幻術師でありアメリカユタ出身だ。着ている服は青と緑そして黒の法衣であり法衣の下は黒の丈の長いスカートだ。持っている神具は変身と透明の力があるアンジェリカの指輪だ。
「この大社は見事ですね」
「そうでごわすな」
「まさに大社です」
そう呼ばれるに相応しいとだ、ミニーは北原に答えた。
「こちらは」
「実際にそれだけものもがあるでごわすな」
「まことに」
「ここにいますと」
ヴォネガットはさらに話した。
「神聖な気持ちにもなります」
「そうでごわすな」
「信仰は違いますが」
それでもというのだ。
「そうしたものを感じます」
「神様は神様だからね」
青、コバルトブルーの肌の蛙人だ、膝までのブラウンの半ズボンの下は黒スパッツであり黒い上着もラフな感じだ。人僻星チャック=オニールである、ラフな動きやすい恰好だが職業は錬金術師である。アメリカミズーリ州出身で持っている神具は爆発物のダイナマイトだ。
「それは同じだね、ただ」
「ただというと」
「いや、神様と仏様の違いがね」
オニールはヴォネガットに言うのだった。
「おいら今一つわからないんだよね」
「同じとはね」
ここで言ったのはミニーだった。
「思えないけれど」
「実際に同じではないからね」
ミッチェルがミニーに顔を向けて話した。
「神と仏は」
「そうなんだね」
「とはいえその違いを話すと」
「難しいんだ」
「そう、日本人でも」
「わかっている人少ないかな」
「神仏という言葉があり」
ここで言ったのはミッチェルはさらに話した。
「同じ様でいて」
「実は違う」
「その違いを語るとでごわす」
北原もオニールに話した。
「相当な時間がかかるでごわす」
「北原さんでもだね」
「というかおいどんもまだわかっていないでごわす」
神と仏の違いについてというのだ。
「どうにもでごわす」
「そうなんだ」
「織田君ならわかるか」
ここでこうも言った北原だった。
「僧侶の彼なら」
「じゃあ今度織田ちゃんに聞いてみるよ」
「あれっ、オニーはもうあの人と仲良くなったんだ」
セリューの横でケルベロスが言ってきた、外見は恐ろしいが声は悪くない、むしろテノールの美声である。
「早いね」
「そう言うとおいらが手を出したみたいじゃないか」
「実はゲイだったとか」
「いやいや、おいらノーマルだから」
オニールはケルベロスに笑って返した。
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