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レーヴァティン

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第百十五話 半島の後からその九

「この南岸で最初の」
「ああ、そしてそのヌミディアはここか」
 久志はカルタゴから南東を見た、そこにヌミディアと書かれている。
「遊牧民か」
「騎馬民族ですね」
 良太がまた言ってきた。
「彼等は」
「ああ、精悍なな」
「馬に乗り素早く動く」
「相当に強いらしいな」
「カルタゴは水軍は強いですが」
 良太は今度はカルタゴ軍の話をした。
「陸軍は傭兵隊が主で」
「市民兵は少ないか」
「市民は多くが水軍に行って」
 そしてというのだ。
「陸軍はです」
「どうしてもな」
「弱いので」
「しかも騎兵隊も少ないからか」
「はい、どうしても」
 ヌミディアにはというのだ。
「劣勢に立っていてです」
「勢力圏を脅かされているんだな」
「その様ですね」
「遊牧民な、馬で来るならな」
 それならとだ、久志は強い声で言った。
「こっちにもやり方があるな」
「そうですね、では」
「ああ、あのやり方で戦うか」
 ヌミディア、彼等とというのだ。
「そうするか」
「では、でござるな」
 進太がここで久志に言った。
「拙者も」
「ああ、頼むな」
「承知したでござる」
「無敵の戦術はないってな」
 久志は今度は明るい声で述べた。
「言うだろ」
「騎馬戦術もでござるな」
「ああ、無敵じゃないからな」
「それ故にでござるな」
「ヌミディアにもな」
「向かうでござるな」
「相手の数次第だけれどな」
 数の話もした。
「そりゃ十万もいたらな」
「厄介でござるな」
「俺達と同じだけの騎兵隊がいればな、けれどな」
「そこまでの数はいないよ」
 淳二が笑って話した。
「流石にね」
「そうだよな」
「おいら達が今いるカルタゴが街にいる人口が二十万で」
「勢力圏全体で五十万か」
「その五十万全員組み入れたけれどね」
「その五十万がな」
「南岸最大の勢力だから」
 それでとだ、淳二は久志に話した。
「そのカルタゴより大きいとかね」
「南岸じゃないよな」
「うん、ヌミディアは勢力全体で十万位だよ」
「じゃあ成人男子総動員しても三万か」
「十代からお年寄りも集めてね」
「精々それ位か」
「相当無茶してね」
 それこそ勢力圏の中で戦える者を根こそぎ軍隊に入れてもというのだ。
「それ位だよ」
「そうだよな、じゃあな」
「うん、普通に考えて五千でも多いかな」
「俺達から見たら小さいな」
 十万と比べると、とだ。久志は述べた。
「全員騎兵でもな」
「五千の騎兵も厄介だけれどね」
「そうだよな、じゃあな」
「うん、数は気にしなくていいよ」
 淳二は久志にあらためて話した。 
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