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おぢばにおかえり

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第五十三話 おさづけの理その二十一

「僕も嫌ですから」
「だからなのね」
「はい、何があっても先輩をお守りしますよ」
「お守りしますって騎士みたいね」
 不意にそう思って思わずくすりとなりました。
「それじゃあ」
「騎士ですか」
「女の子を守るっていうからね」
「じゃあ騎士になっていいですか?」
 これまた真剣な言葉でした。
「先輩の」
「私の?じゃあ私お姫様?」
「そうかも知れないですね、とにかく先輩に何もない様にします」
 このことは絶対と言ってきました。
「僕がいる限り」
「傍にいてくれている時は」
「出来たらいつも傍にいたいですね」
「そこまでしなくていいわよ」
 いつもだと悪いです、それでこう返しました。
「別に」
「そうですか」
「だって阿波野君にも都合あるし」
「だからですか」
「危ない場所に行く時はお願いしたいけれど」
 それでもです。
「いつもは悪いから」
「そこまではですか」
「しなくていいわよ」
 このことはしっかりと断りました。
「阿波野君が出来る時でいいから」
「そうですか、僕は出来たら先輩と」
「気持ちだけ受け取らせてもらうわ。けれど私の我儘で阿波野君に迷惑かけたらいけないし」
 それは避けたいです、ですから言いました。
「出来る時だけお願いね」
「それじゃあ」
「阿波野君の都合でいいから」
「じゃあ僕も都合つけますね」
「いえ、そこまでしてくれなくても」
「先輩に何かあったらいけないですから」
 こう言ってきました。 
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