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夢幻水滸伝

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第百一話 超大国の者達その十三

「猿って言われてますね」
「何でも顔が猿そっくりやったらしいからな」
「そのせいで、ですね」
「猿って呼ばれてるわ」
「このことは日本では有名ですね」
「わい等も知ってる位やしな」
「そう思いますと」
「そや」
「日本はあんな凶暴な連中にも親しみ持ってるんやな」
「正岡っちの話ですと」
 ここでエリカが言ってきた。
「四国は起きた世界でも猿の話が多いとか」
「狒々ですね」
 猿の話と聞いてだ、ヘミングウェーはこの妖怪の名前を出した。
「そうでしたね」
「狒々は新潟とか岡山にもあると言ってて」
「四国ではですか」
「そんな感じで白い毛のやたら大きな猿の妖怪の話があるとか」
「四国といえば狸と聞いていますが」
 ヘミングウェーはエリカが話す正岡の四国の話について述べた。
「そして犬でしたね」
「犬もですか」
「こちらの世界でも犬神の話が多く」
「あのモンスターの話が」
「高知県、こちらの世界では土佐に特に」
「正岡っちの地元ですやん」
 まさにそこだというのだ。
「四国はそうした話が多いんですか」
「はい、そして猿もですね」
「何かモンスターの話が多い島みたいですね」
「そうですね、あとこの大和もですね」
 平城京があるこの国もとだ、ヘイミングウェーはエリカに話した。
「モンスターの話があります」
「あっちの世界でもですね」
「土蜘蛛や鬼です、日本の歴史とも関係あるそうですが」
「そうなんですか」
「鬼はこちらの世界では人の種族の一つですが」
 オーガと近い種族だ、ただし外見はより人間族に近い。
「我々が起きている世界では完全にモンスターであり」
「そうした話になってますか」
「あと都にも鬼の話が多いですね」
 そちらもというのだ。
「日本では」
「あっちもですか」
「むしろ都はモンスターの巣ですね」
「巣って」
「いや、まことに怨霊やモンスターの話が多く」
 それでというのだ。
「巣と言っていいまでにです」
「そうしたお話が多いですか」
「左様です、そしてそうした存在を鎮めるのもまた」
「私等の仕事ですね」
「そうなります」
 まさにと言うのだった、そうしてだった。
 ヘミングウェーは自分達の棟梁達に提案した。
「社の中に入りますか」
「そやな、人の星の連中もそっちにいるし」
「そうしよか」
「では」
 棟梁達もよしとしてだった、彼等は社の中に入った。そうしてその中も親しい雰囲気の中で観ていくのだった。


第百一話   完


                   2019・2・8 
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