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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  第3話『狂気のプログラム』

雅がゴジラと約束を取り決めている頃、フェイトは生物研究所に潜入していた。
「なんだろう、すごく不気味…」
フェイトは薄暗い廊下を歩いている。
「これは…」
フェイトは『対象G 研究室』という看板を発見する。
「もしかして、ここにゴジラの子供が!?」
フェイトは研究室に入る。
“キュウオオウ?”
そこには鉄格子に閉じ込められたベビーゴジラがいた。
「もしかして、この子が!?」
フェイトは近付こうとする。しかし、次の瞬間フェイトのバリアジャケットは消失し、衣服の再構築を行えずに一糸まとわぬ姿になってしまう。
「いかがかね、我々が開発した特殊なAMFは?」
フェイトが驚いていると、白衣を着た男が数人現れる。
「AMF!?まさか!?」
AMF─正式名称“アンチマギリンクフィールド”は、魔導円環システムを妨害するシステムで、本来なら低ランクの魔法の運用を封じ、高ランクの魔法の運用に負荷を与えるものであり、今回のようにバリアジャケットの構築まで阻害する機能は備わっていないのである。
「本来、AMFはこのような機能は無いが、言っただろう?我々が開発した特殊なAMFだと。このAMFはAランク以上の魔導師の魔導運用を完全に遮断するシステムにプログラムを書き換えたのさ。勿論、この研究所の職員の魔導師ランクは私も含めて皆B+以下。我々には何の被害も無いのだよ。」
研究所の所長はストレージデバイスを構える。
「ッ!?」
フェイトはフォトンランサーを放とうとしたが、一切の反応がなかった。
「言っただろう。このAMFは魔法のランクではなく、魔導師ランクで機能すると。いやぁ、実に嬉しいよ。まさかプロジェクトFATEのサンプルの二つ目が手に入るとは。」
「二つ目?」
「ああそうさ。たしかに君はプロジェクトFATEの集大成として、プロジェクトの名前であったフェイトの名前が与えられた。しかし、その前にプロトタイプがいたのだよ。それがこれだ。」
所長は職員に指示を出し一人の少年を連れて来る。
「この実験材料の名前はエリオ・モンディアルと言ってね。君と同様にオリジナルと性格が真逆で、父親から棄てられたのを我々が貰ったのさ。この実験材料は実に素晴らしい。プロジェクトFATEの実情を把握するのにすごく役立つ材料だった。しかし、君が手に入ったからには、もうこれは用済みだ。」
「えっ?」
フェイトは驚く。
「廃棄しろ。」
しかし、所長は冷徹な一言を言う。エリオという少年はその言葉を聞くと獣のような形相に顔を変え、
「ぅぅううううぅぅっ……」
獣のような唸り声を立てる。
「全く、困った材料だった。」
所長はストレージデバイスをエリオに向ける。しかし次の瞬間、
「そこまでだ!」
「この施設を差し押さえさせてもらう!」
「勿論、お前達は逮捕ッス!」
「諦めて下さい。」
アクセル、G3-X、轟鬼、シザース、ガタックがやってくる。
「迂闊に動いていいのかな?」
所長はそう言い、フェイトにストレージデバイスを向け、職員の一人がベビーゴジラにストレージを向ける。
「この実験材料が死ぬのは、君達にとって困るのではないかな?」
「卑怯だぞ!」
ガタックは言う。
「たしか、クロックアップ、だったかな?それの対抗措置ならもう用意させて貰っているよ。いやぁ、ネイティブもいい実験材料になった。おかげでクロックアップを無力化するクロックダウンシステムの波形を作成出来たからね。」
「まさかお前達、ネイティブまで!?」
「それだけでは無いよ。我々には心強い番犬も用意してある。」
所長が言うと、鏡からベノスネーカーとマグナギガが現れる。
「さて、今ゴジラと話している国家象徴様に繋いでもらえるかな?」
研究所の職員達はフェイトとエリオ、そしてベビーゴジラを人質にしてライダー達を脅迫する。


『やあ、国家象徴様。』
所長は映像と共に雅に連絡を入れた。
「お前達、何のつもりだ!?」
『そうだな、そのゴジラを我々の研究材料として寄付してほしい。そうすれば、その研究材料は子供と一緒に暮らせる。』
所長はベビーゴジラを見せる。
“私の子供!?”
「お前達が今回の犯人か!」
『そうだよ。そして、こちらには新しい研究材料もある。』
所長は次に何も纏っていないフェイトを見せる。
「フェイト!?お前達、何をした!?」
『何、強い力を封じさせてもらっただけだよ。実験材料になるのはこれからさ。』
「実験材料だと!?」
『その通り。まずはリンカーコアを摘出し、次に内蔵、更には繁殖システム。こればかりは一つの材料では揃わなかったからね。』
所長はエリオを見せる。
「…そういうことか。」
雅は『リリカルなのはStrikers』の世界を知っているため、エリオを見てすぐに判断した。
『プロジェクトFATE…魔術を用いたクローニング式人造生命の研究。実に最高だよ!なんたって人間に近い化け物を解剖できるからね!』
所長の言葉に、雅で怒りと憎しみを交えた表情を浮かべていた。
『そんなに怖い顔をしないでくれたまえ。何も人間を殺すとは言っていないだろう。だからゴジラもこちらに渡してほしい。悪いようにしないさ。とは言っても即答は出来ないだろう。夕刻までまってあげよう。それでは、よい返答を待っているよ。』
所長は雅との通信を切る。
「…まさかフェイトが!」
雅の顔は憎とも怒とも言えぬ顔になっていた。すると、
“行きなさい。”
ゴジラは雅に言う。
“ゴジラ!?”
“彼女はお前にとって大切な者なのだろう?なら行きなさい。”
“しかし…僕は独断では…”
雅が言葉を詰まらせていると、
“大丈夫よ。ここは私に任せてもらえないかしら?”
リンディが現れる。
“リンディ長官!?”
“私もゴジラと話がしたかったの。だからここは私に任せて。その代わり、必ずフェイトとベビーゴジラを取り戻すのよ!”
リンディは雅に力強く言う。
“わかりました!凪風雅、行きます!”
“私の子も頼みます。”
雅は転移魔法を使って生物研究所に向かった。
“初めまして、ゴジラ。私はリンディという名前よ。”
“リンディ、どうして彼を行かせた?”
“さっきのあの女の子はね、母親に捨てられて、私が引き取って育てている子供なの。”
“ならどうして自分で行かないで彼に任せたの?”
“あの子は雅さんを心配していて、雅さんもあの子を心配しているの。だから、二人に任せる方がいいと思ったの。子供の為になることが何か考えるのも、親の役目でしょ?”
“そうね。リンディの言うとおりだよ。”
“だから、私達は彼を手助けしましょう?”
“わかった。どうすればいい?”
“私に考えがあるの。”
リンディはゴジラと打ち合わせを始める。

「なるほど。AMFを展開して魔法の発動を封印のか。恐らく、バリアジャケットの再構築さえ封じる力があるからフェイトはあの状態だったのか。」
【SUMMON RIDE-DESPAIR DRIVER-】
雅はディスペアドライバーを召喚し、所長達のいる部屋に乗り込む。
「そこまでだ!」
雅は力強く言う。
「おやおや、国家象徴様。実験材料は持ってきてくれたかな?」
所長は言う。
「命を命と思わないお前達に、渡すものか!!」
「そうか。ありがとう、これでこの実験材料を解剖できる。」
所長はフェイトにストレージデバイスを向ける。しかし、
「今だ!フェイト!」
〔ディスペア!〕
雅はディスペアドライバーを装着し、フェイトにディスペアドライバーが出現する。
「雅!?」
〔ブレイク!〕
フェイトはブレイクメモリをディスペアドライバーにセットし、その肉体は雅のディスペアドライバーに転送される。
「変身!」
〔ディスペア!ブレイク!〕
雅はディスペアメモリをセットし、仮面ライダーディスペアに変身する。
「翔太郎さん、この言葉を借ります…さあ、お前達の罪を数えろ!」
ディスペアはディスペアサイズを構える。
「よくも実験材料を!」
職員の一人は謎の灰を取り込みスパイダーオルフェノクに、別の職員はステンドグラスを取り込みスワロテールファンガイアに、別の職員は隕石を手に取りグラリスワームと、別の職員はライダーデッキを使ってオルタナティブに変身する。
「やりなさい。」
所長が指示を出すと職員達はディスペアに向かって攻撃を開始するが、
「今だ!」
〔トライアル!〕
アクセルはアクセルトライアルに変身し、エリオを救出し、ベビーゴジラを捕らえている檻を破壊する。
「轟鬼、ベビーゴジラを頼む!」
「解ったッス!」
轟鬼はベビーゴジラを持ち上げ、アクセルトライアルと共に戦線離脱する。
「私の研究材料を次々と奪っていくとは!」
所長は怒りをぶつけるが、
「命は物じゃない!お前の玩具じゃないんだ!」
ディスペアは反論しながら所長を蹴ろうとするが、スパイダーオルフェノクがそれを阻止する。
「邪魔するな!」
〔クレイドール… マキシマムドライブ!〕
ディスペアはクレイドールメモリをディスペアサイズにセットし、そのエネルギーの刃でスパイダーオルフェノクを切り裂き、撃破する。
「氷川刑事、加賀美刑事、私達も行きましょう!」
シザースはベノスネーカーと、G3-Xはマグナギガと、ガタックはグラリスワームと戦闘を開始する。
「プットオン!」
[put on!]
クロックダウンシステムによってクロックアップを封じられているガタックはマスクドフォームに戻り、ガタックバルカンをグラリスワームに放つ。グラリスワームは防御性も高いが、弾切れになるまで放たれたガタックバルカンに怯み、
「キャストオフ!」
[cast off!change stag beetle!]
「ライダーカッティング!」
[rider cutting!]
一瞬の隙をついてライダーフォームにキャストオフし、ライダーカッティングでグラリスワームを切断し、撃破する。
「これならどうだ!」
G3-Xはケルベロスにアタッチメントを付け、マグナギガに近づき至近距離でマグナギガを撃ち抜き、撃破する。
「マグナギガが!やれ、ベノスネーカー!」
オルタナティブは指示を出すが、
「そこか!!」
G3-Xはスコーピオンでオルタナティブのライダーデッキを破壊し、変身を解除させる。
「しまった!契約が!」
ライダーデッキが砕けた瞬間、ベノスネーカーはオルタナティブに変身していた職員を一瞬で丸飲みしてしまう。
「彼はライダーデッキを持ってミラーモンスターと契約する意味を理解していなかったのですか…」
【STRIKE VENT】
シザースはストライクベントをスキャンし、シザースピンチを装備してベノスネーカーに挑む。

「私の実験材料を次々に奪うな!」
所長は直射魔法をディスペアに放つが、ディスペアはディスペアサイズでそれを弾く。
「いい加減にしろ!」
ディスペアはディスペアサイズで所長を突こうとするが、スワロテールファンガイアがそれを妨害する。
「これで終わりだ!」
〔スミロドン!マキシマムドライブ!〕
ディスペアはスミロドンメモリを使い、高速で幾度にも渡ってスワロテールファンガイアを切り裂き、撃破する。
「あいつらめ。貴重な実験材料を使って失敗するとは!」
所長はストレージデバイスを構える。

「これで決めましょう!」
【FINAL VENT】
「ああ!ライダーキック!」
[one two three!rider kick!]
シザースのシザースアタックとガタックのライダーキックが炸裂し、ベノスネーカーは撃破される。
「おのれ、私の研究をどうして邪魔する!」
所長はディスペアに拘束魔法をかけようとするがそれディスペアはそれを避ける。
「お前がやっていることは実験でも何でもない!ただの猟奇的な虐殺だ!」
「化け物を解剖して何が悪い!」
「この国では彼らは国民として登録されている!お前の行為は殺人罪だ!」
「化け物に人権を与える必要がどこにある!君の仲間である実験動物だってそうだ!人として生まれていない、ワームやミラーモンスター、紅世の徒と何も変わらない化け物を何故人間扱いする!」
「いい加減にしろ!」
ディスペアは間合いを詰め、所長を掴むと地面に叩きつけ、そして殴ろうとする。しかし、
『雅、やめて!』
フェイトの言葉を聞きディスペアの動きは止まる。そして、
「ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい─」
ディスペアは後ずさりするようにおびえた声でうわごとのように呟いていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「凪風君は人をぶってはいけません。」
「どうして俺だけ…」
「お前を逮捕する。」
“ありがとう、ミヤビ。”
「嫌な事件だったわね。」
次回『ディスペア・リフレイン』希望を紡いで、全てを救え! 
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