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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百三十六話 女子サッカー部の屋台でその十

「結局ね」
「観ないのね」
「あと偏向してるし」
 このことも問題だ。
「色々言われてるけれど」
「そうした番組ばかりで」
「うん、結果としてね」
「義和テレビ観ないのね」
「そうなってるよ」
「じゃあユーチューブとか?」
「そういうの観てるね」
 実際にそうなっている。
「僕もね」
「やっぱりそうなるわよね」
「うん、本当にね」
「ユーチューブとかの方が面白いしね」
「そうそう、ああいう動画の方がね」
「今のテレビより面白くて」
「見がいがあるよ」
 今はそう思っている、そうした話をしてだった。
 僕はニキータさんの店の前から離れようとしたらそこでだった、屋台の中にいるニキータさんに対して。
 アジア系の顔に茶色の髪の毛の僕達と同じ位の年齢の子が来た、背は一八〇を普通に超えていて結構な高さだ。
 その彼がだ、ニキータさんに笑顔で話した。
「じゃあ今からね」
「ええ、二人でね」
 ニキータさんも笑顔で応えた。
「ケバブ焼いてね」
「お店やっていこうね」
「そうしましょう」
「あとこの人は」
 男の子が僕に顔を向けてニキータさんに尋ねた。
「先輩?」
「僕の下宿の大家さんだよ」
「八条義和さん?」
 彼は僕の名前を言ってきた。
「それじゃあ」
「そうよ、義和よ」
「八条先輩なんだ」
「会ったことないの?」
「いや、俺学年違うから」
 一年だからというのだ。
「この人の名前はニキータちゃんから聞いてたけれど」
「会ったことはなかったのね」
「うん、この人がなんだ」
「そうなのよ」
「成程ね。はじめまして」
 彼は今度は僕に挨拶をしてきた。
「池山克実っていいます」
「池山君だね」
「はい、女子サッカー部のマネージャーやってまして」
 池山君は自分から話してくれた。
「クラスは一年D組です」
「ニキータさんと同じクラスだね」
「そうなんです、その縁で」
「僕達付き合ってるの」
 ニキータさんも僕に言ってきた。
「この前からね」
「そうだったんだ」
「文化祭の直前からね」
「ニキータちゃんから俺に告白してくれたんですよ」
 池山君は笑いながら話してくれた。
「それでなんです」
「交際はじめたんだ」
「はい、まさかニキータちゃんから告白されるなんて」
 それこそとだ、僕に照れくさそうな笑顔で話してくれた。
「思わなかったですけれど」
「嬉しそうだね」
「そりゃ嬉しいですよ、俺からって思っていたら」
「最初から好きだったんだ」
「一学期の時から、ただ勇気がなくて」
 それでというのだ。 
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