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最も相応しい生贄

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第五章

「骸はだ」
「はい、焼け残ったそれはですね」
「どうするかですね」
「川に捨てるのだ」
 そうしろと言うのだった。
「そしてだ」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「全てを終える」
「そうされますか」
「あの二人もいい生贄だった」 
 王は笑っていた、それも明るく。
「前に捧げた者と同じくな」
「フン=フナフプですか」
「あの者も球技が得意でしたね」
「先程の二人と同じく」
「左様でしたね」
「球技の上手な者こそがだ」
 王は自分の考えから言うのだった。
「生贄に相応しい、だから次もな」
「そうした者をですね」
「神々に捧げる」
「そうしていきますね」
「これからもな」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 彼は二人の骸を川に捨てさせた、すると川の中からだ。
 二人は出てきた、そうしてフナフプはシュバランケに話した。
「これでいい」
「俺達は生贄として死んだな」
「少なくとも王はそう思っている」
 こう話すのだった。
「だからだ」
「これからだな」
「仕掛ける」
 そうすると言うのだった。
「そしてだ」
「最も生贄に相応しい者をな」
「神々の生贄にするのだ」
 二人はこの話をしてだった、そのうえで。
 川から出た、そして暫く経ってだった。
 首環の力でみすぼらしい老人に化けて冥府の中で見せものをした。
 踊り手品を見せた、その踊りも手品もだった。
 実に見事でだ、王はその話を聞いて今度はこう言った。
「そこまで見事ならだ」
「是非ですね」
「その踊りと手品をですね」
「観たい」
「左様ですね」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでと言うのだった。
「楽しもう」
「ではですね」
「二人の老人を御前に呼ばれますね」
「これから」
「そうしよう」
 こう言ってだ、二人を彼等とは気付かずにそのうえで自分の前に呼び寄せた。そしてそのうえでだった。 
 その踊りと手品を見た、二人は家を燃やして元に戻してお互いに切り合ってから秘かに手袋の力で生き返ったりしてみせた。
 王はその手品を見て喜んだ、そしてだった。 
 特にだ、切られても生き返るのを見て言った。
「誰でも生き返ることが出来るのか」
「はい」
「左様であります」
 二人は手袋を使えばという言葉を抜いて答えた。 
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