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疑わない

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第二章

「無駄だ、シータは何かをされる前に自ら命を絶つ」
「その時は」
「そうされる方ですか」
「あくまでラーマ様だけである」
「そうした方ですか」
「それがシータだ、そのシータが生きていて私の腕の中に戻ってきたのだ」 
 だからだというのだ。
「その様なことはしない」
「左様ですか」
「あの方についてはですか」
「決してですか」
「ないのですか」
「何があろうともな、だからだ」
 シータはその様な者だ、だからだというのだ。
「そなた達の言うこと、考えていることは間違えている。その様は言葉や考えは今ここで全て捨てるのだ」
「今ここで」
「そうすべきですか」
「その様に」
「私が命じる」
 王である自分がというのだ。
「よいな、私はシータの夫なのだ」
「だからですか」
「シータ様のことを理解しておられる」
「そうだというのですか」
「誰よりもな」 
 それこそ他の誰よりもというのだ。
「わかっている、それで言う」
「左様ですか」
「では、ですね」
「あの方を信じられているので」
「疑われず」
「迎えられますか」
「迎えるのではない、取り戻したのだ」
 自身の手の中にというのだ。
「今な、ではだ」
「それではですか」
「我等は今の考えを捨てて」
「言葉も捨てる」
「今この場で」
「そうするのだ、よからぬ言葉や考えは罪である」
 ラーマは彼等に厳粛な声で告げた。
「それを捨て清めるのだ」
「わかりました」
「ではその様にします」
「ラーマ様のお言葉に従い」
「その様に」
「是非な、私には全てわかっている」
 シータ、妻である彼女のことがというのだ。
「だから言う、シータは純潔だ」
「王がそう言われるなら」
 その言葉にある強さと聡明、何よりも愛情と信頼を理解してだった。彼等も自分達の過ちがわかりそれを捨てたうえで恥として己の心に刻んだ。罪を捨てて恥を刻み込んで戒めとしたのである。そうしてだった。 
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