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竜獅子の願い

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第五章

「ここはな」
「あいつを捕まえてやな」
「話を聞きだそうな」
 こう話してだ、そのうえでだった。
 ニャメはベッシーと共に男を監視した、すると。
 男は数匹の獣やモンスター達を連れてそのうえでだった。
 丘の南の方の探索をはじめた、今周りにいるのは彼等だけだったので。
 二人は襲撃を仕掛けた、術で彼等を攻撃すると戦闘自体はすぐに終わり。
 獣やモンスター達は全て倒し男は眠らせた、ニャメは自分の術で眠らせたサバンナの上に転がっている男を見ながらベッシーに言った。
「一旦竜獅子さんのところに戻って」
「そしてやな」
「話を聞き出して」
「竜獅子さんにその話を聞いてもらうか」
「あの洞窟は明らかにおかしい」
 ニャメは今は確信を以て言い切った。
「そやからな」
「竜獅子さんにもやね」
「話を聞いてもらおう」
「ほなな」
 ベッシーはニャメの言葉に頷いた、そうしてだった。 
 二人は男を連れて一旦竜獅子のところに戻った、そうして彼の目の前で男を起こして竜獅子の喋らねば喰うという脅し、竜獅子の誇り故に嘘ではないその助けを得てだった。
 男から話を聞き出した、その話を聞いてだった。
 竜獅子は眉を顰めさせて二人に言った。
「見てわかると思うがだ」
「今めっちゃ怒ってるな」
「そうだ」
 こうニャメに答えた。
「同族と思っていたが」
「それは幻術師の幻術でな」
「竜獅子の振りをしていた」
「人の賊やったわ」
「そしてその賊の周りにだな」
「ならず者がおって。ならず者の頭目は」
「獣使いか」
 竜獅子は怒った顔でさらに言った。
「そういうことか」
「考えたもんやな」
 まさにとだ、ベッシーも言った。
「賊の一味の幻術師に竜獅子の幻を見せて」
「それで竜獅子が主の様に見せてな」
 ニャメはベッシーのその言葉に応えて述べた。
「実は獣使いが獣やモンスター達を操ってだ」
「そうして悪さしてな」
「この辺りを自分達のシマにしようとしていた」
「考えたもんや」
「悪知恵だな」
 竜獅子は今度は忌々し気な口調で述べた。
「これ以上はないまでの」
「実際にそやな」
「同族を騙りあまつさえ悪事を働くなぞ許せぬ」
「私達が今から成敗してくるわ」
「いや、そなた達だけの問題ではなくなった」
 竜獅子はニャメに毅然として告げた。
「誇り高き竜獅子を騙り罪を着せたこと万死に値する」
「そう言うってことは」
「そうだ、私も行く」
 こうニャメに言うのだった。
「お主達と共にな。そしてだ」
「賊を成敗するんかいな」
「私もな、留守は嫡男に任せる」 
 竜獅子は自分がいない間のことも話した。
「ではすぐに行こう」
「そうしてやな」
「私も直々に行ってだ」
「私達と共に」
「その姦賊共を成敗してくれる」
「そうか、ほなな」
「今から行こう」
 こう言ってだった、竜獅子はニャメそしてベッシーと共に丘の方に向かった。そこに至るまでも獣やモンスターが出たが。 
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