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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第九幕その九

「やはり和食が専門なので」
「だからですか」
「はい、ですが」
「作ることはですね」
「全て作ります、兵庫の山海の珍味を使い」
 そうしてというのです。
「多くのお料理を用意しましょう」
「そうしてですね」
「姫様にも亀姫様にもです」
「満足して頂くのですね」
「そうなって頂きます」
 こう先生に言うのでした。
「必ず」
「それでは」
「はい、先生にもです」
「僕もですか」
「勿論来て頂けますね。姫様のそのおつもりですし」
「何か悪いですね」
「悪くないです、このことはです」
 まさにというのです。
「当然のことなので」
「当然ですか」
「はい、宴の催しを考えて下さっているのですから」
 だからだというのです。
「是非です」
「そうですか、それでは」
「宜しくお願いします」
「姫路城に参上してですね」
「堪能して頂きます」
 お料理も宴全体もというのです。
「皆様が」
「それでは」
「その様に」
 こうしてです、先生も皆と一緒に宴に参加させてもらうことになりましたが朱の盆が去ってからです。
 それからです、動物の皆が先生に言いました。
「いや、凄いね」
「先生も僕達も宴にお呼ばれしちゃったね」
「まさかと思ったよ」
「こんなことになるなんて」
「嬉しいハプニングだね」
「うん、僕もね」
 本当にと言う先生でした。
「予想していなかったよ」
「そうだよね」
「こんなことになるなんてね」
「想像もしなかったよ」
「けれどいいことだね」
 食いしん坊のガブガブが言いました。
「このことは」
「美味しいものを好きなだけ食べられるね」
 ジップも楽しそうです。
「これはいいね」
「先生も僕達も一緒だから」
 チーチーも言います。
「本当に楽しみだよ」
「さて、どんな宴になるかをね」
 ホワイティも老馬の横から言いました。
「今から予想してみようかな」
「それだけでも楽しいからね」
 その老馬も言います。
「いいよね」
「能は僕達はあまり知らないけれど」
「そうしたものも観られるんだね」 
 オシツオサレツが二つの頭から言います。
「じゃあね」
「能も楽しみにしていようね」
「他に歌舞伎に落語に踊りね」
 ダブダブは演目を挙げていきます。
「そして音楽もね」
「日本の宴のそうしたものはね」
「独特の趣があるのよね」
 チープサイドの家族は時代劇からの知識をお話します。
「それを楽しめるなんて」
「滅多にないことだからね」
「ウィーン国立歌劇場のボックスから観るみたいな」
 こう言ったのはトートーでした。 
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