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おぢばにおかえり

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第五十三話 おさづけの理その十四

「それでおつとめ着もなのね」
「ええ、似合ってるわよ」
「可愛いっていうか奇麗?」
「そんな感じになってるわ」
「これだったら」
 ここでこんなことを言う娘もいました。
「あの子もぞっこんよね」
「あの子って誰よ」
 私はその言葉の意味が全くわからないで応えました。
「一体」
「だから、そこでそうねって言わないとね」
「言わないとって何よ」
「ちっちは駄目なのよね」
「何で私が駄目なのよ」 
 この時も訳のわからないことを言われて首を傾げさせました。
「何がどう駄目なのよ」
「だから。アプローチよ」
「アプローチって」
「ちっちがそれがないのよ」
「だから何よ、私がどうなのか」
 本当にこのことがでした。
「わからないけれど」
「それがわからないのがちっちだから」
 それでというのです。
「これはあの子も苦労するわね」
「だから何が苦労するのよ、そもそもね」
 私はさらに言いました。
「あの子もわからないし」
「ちっちって本当に男の子と交際したことがないのがわかるわ」
「いや、それは関係ないじゃない」
「あるわよ、まあそのちっちもようぼくにならせてもらって」
「また急にお話変えたわね」
「あと卒業ね」
「ええ、それはね」
 明日から三学期がはじまります、私達にとって最後の学期です。それで私も色々と思うところがあります。
「本当によね」
「あと少しでね」
「卒業ね」
「それでちっちは天大に合格してるから」
「おぢばに残るわ」
 もうこのことは決まっています。 
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