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とある星の力を使いし者

作者:wawa
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第2話

「はぁぁ~~~~~~~~」

いつもの様に窓の外を見ながら大きなため息を吐く。
あの電撃少女こと御坂美琴(名前は何度か会っている内にあちらから勝手に教えられた)に会ってからこの1ヶ月、出会っては勝負しろと言ってくる。
もちろんそんなめんどくさい事を麻生がする訳がなく、そのまま逃亡すると美琴はそのまま追跡、この流れがずっと続いている。
そんな姿を見た青髪ピアスは麻生に話しかける。

「あれ~麻生、なんや疲れた顔してんな~。」

「ああ、少し面倒な女に・・・少女か・・どっちにしろ、面倒な奴に追い回されているんだ。」

「ええな、女の子に追い回されるなんてそんな羨ましいシチュエーション僕も会ってみたいわ。」

と自分の妄想に入る、青髪ピアス。
そこに上条が麻生に話しかける。

「なぁ、その追い回している女って御坂美琴って奴か?」

「よく分かったな。
 何だ?あの女が好きだからストーカー行為でもして情報を集めているのか?」

「そんな訳ないだろう!!」

全力で否定すると左手で頭をかきながら答える。

「たまたま不良に絡まれている所を助けようとした時、ちょうどビリビリ中学生がビリビリ出してそれを この右手で消してしまってそしたらビリビリが「私の電撃を打ち消すなんてあんたで二人目よ。」とか言 って追い掛け回されたんだ。
 まさかその最初の一人が麻生だったなんてな。」

あいつはまた不良に絡まれたのかと麻生は呆れる。
そして麻生は上条の右手を見る。

幻想殺し(イマジンブレイカー)
上条当麻の右手に宿る能力。
超能力・魔術問わず、あらゆる異能の力を打ち消す。
触れるものが異能であればあらゆる異能を消し飛ばす、強力無比な能力。
上条がよく不幸な目に会うのはこの幻想殺し(イマジンブレイカー)が運と言う異能を消していから上条はよく不幸な事が起こる。
麻生は幻想殺し(イマジンブレイカー)の事も知っている。
厳密には麻生が知っているのではなく星が知っているのだ。
これが麻生の能力。
名前がないが麻生は(テラ)と呼んでいる。

(テラ)
星と繋がる事で星が知っている事を麻生も知ることが出来る。
また自然などの万物、秩序などの概念などを変化、利用することが出来る。
他にもさまざまな応用が可能な能力である。
麻生は最近上条が一緒に帰ろうとしないのは御坂が絡んでいるのが原因だなと考える。
そして放課後になると上条と麻生は別々に帰る。

(あいつの不幸は折り紙つきだ。
 別々に行動すれば御坂は確実に上条の方に行くはずだ。)

そう考えながら帰宅する。
麻生の予想通り寮までの帰り道で、美琴に会う事はなかった。
麻生は水の飲みながら時計を確認する。

(この時間で何もする事もないし散歩でもするか。)

制服を脱いで黒一色の服に着替えて部屋を出る。
いつもの通り目的もなくふらふらと散歩する。

「見つけたわ!!!!」

突然麻生の後ろから聞きなれた声が聞こえた。
その声を聞くと麻生は大きくため息を吐いた。

(最近俺の幸運が低くなってないか?)

そう思い声のする方に振り向く。
そこにはパチパチと電気を出しながら御坂美琴が立っていた。

「今日と言う今日は決着をつけてやるんだから!!!」

美琴は麻生を指さして言う。
それを聞いた麻生は振り返る。
美琴は逃げるかと思ったが、麻生は逃げずにいつものペースで歩いていく。

「ちょ・・ちょっと!!待ちなさいよ!!!」

美琴は麻生にいろいろ話しかけるが、麻生はそれを全部無視する。
自分を無視された美琴はバチバチと、電気を出しながらと肩を震わせる。

「私を無視すんな!!!!」

その叫びと同時に麻生に電撃を放つ。
しかしその電撃は麻生の直前で何か壁にぶつかったかのように弾け飛ぶ。
すると麻生は足を止めて美琴の方に振り返る。

「ようやくこっちを見たわね。」

「お前、毎回毎回俺を見つけては追いかけまして暇なのか?」

「こっちだって無い時間を作ってるのよ。」

「わざわざ作らんでもいいだろうに・・・・それでどうしたらお前はどうすれば追い掛け回すのを止める んだ?」

麻生がめんどくさそうに美琴に聞く。

「え?・・そ・・そりゃあもちろん・・・・私が勝ったらよ。」

照れながら美琴は言う。
それを聞いた麻生はまた大きなため息を吐く。

「分かった。」

「え?」

「相手になってやるよ。
 もう追いかけ回されるのは面倒だしな。
 少し拓けた場所に移動するぞ。」

そう言って再び歩き出す。
美琴はようやく戦えると思い頭の中で色々考える。
少し歩いた所にある河原で向かい合う二人。

「ふぁ~~~~~、じゃあ始めるか。
 どっからでもかかってこい。」

欠伸をしながら棒読みで言う、麻生。
普段の美琴ならこれを見て頭に血が上るのだが今回は違った。

「言われなくてもこっちはずっとこの時を・・・・」

電撃を身体から放ちながら言う。

「待ってたんだから!!!!」

それを右手に溜めて電撃の槍を作りそれを麻生に飛ばす。
その威力は今までとは桁違いの威力だ。
だが、それも麻生の直前で何かにぶつかり弾け飛ぶ。

(あれもくらっても無傷かよ。
 それなら・・・・)

今度は動きながら電撃を放つ。
一直線ではなく四方八方からの電撃による攻撃だ。
美琴は麻生の前には何か見えない壁があり、それが電撃を防いでいると考えた。
その壁は前方だけしか展開できず、全方位からの攻撃には対応できないのでは?と考えた。
先ほどと同じ威力の電撃が麻生の全方位から襲い、そしてその電撃が当たり砂塵が舞う。

(しまった!!もし私の考えが当たってたらあいつは・・・・)

不安を抱えながら砂塵が晴れていく。
しかし美琴の考えとは裏腹に火傷一つなく麻生は立っていた。
あまつさえ未だに欠伸をしている。

(そう・・・・どうやらこいつ相手に手加減は必要ないみたいね。)

バチバチと音と同時に美琴の周りで黒い何かが舞い上がってくる。

「ほう、電磁力を使って砂鉄を操っているるのか。」

一度見ただけで原理を看破する。
美琴は一瞬驚くが麻生相手にいちいち驚いていられないと割り切る。
舞い上がった砂鉄が剣の形に変わっていく。

「砂鉄が振動してチェーンソーみたいになっているから触れるとちょーと血が出たりするかもね。」

美琴が砂鉄の剣を持ち麻生に向かって駆け出す。

「このままでも別に問題はないが退屈だし・・・・・攻めるか。」

麻生は左手を虚空に伸ばすと、そこに剣が突然現れる。
刀身80センチ、幅6センチの両刃の西洋剣が握られていた。
その突然の剣の出現に美琴は駆け出した足を止める。
電撃を防いだ事といい剣が突然現れた事といい、本当に無能力者(レベル0)とは思えない。
美琴が足を止めていると、今度は麻生の方が美琴に接近する。
麻生は剣を美琴に斬りかかり、それを美琴は砂鉄の剣で受け止める。
ガガガ!!!と音と同時に麻生の持っている剣が少しずつ削れていく。
それを見た麻生は一旦美琴と距離を開ける。
美琴の砂鉄の剣は電磁力でチェーンソーの様に振動している為、鍔迫り合いになれば砂鉄の剣の方が圧倒的に有利である。
しかも砂鉄はそこら中に幾らでもある。
砂鉄がなくならない限り砂鉄の剣が無くなることはない。
麻生は自分の剣を見つめている。

「ふ~ん、普通の剣じゃあ駄目ってことか。」

麻生が呟くと突然持っていた剣が粉々に砕け散る。
それと同時に別の剣が握られていた。

「私の電撃を防いだり何もない所から剣を出したり、どんな能力してんのよ。」

「俺に勝てたら教えてやるよ。」

麻生はさっきと同じように美琴に近づき斬りつける。

(何度やっても結果は同じ!!)

美琴もさっきと同じように受け止めようとする。
だが、その斬撃を受け止めた砂鉄の剣が真っ二つに折れた。

「なっ!?」

その結果に驚き今度は美琴が麻生と距離を開ける。

「あんた、その剣に何かしたの?」

「別に俺は何もしていていない。
 これはそう言う剣なんだ。」

美琴は麻生の言っていることがいまいち理解できなかった。
麻生はそのまま話を続ける。

「科学側のお前に魔術(オカルト)の事を話しても信じないと思うが一応説明してやる。
 この剣の名前は絶世の名剣(デュランダル)って言うんだ。
 簡単に説明するとこいつは何があっても折れる事はない。」

絶世の名剣(デュランダル)
フランスの叙事詩『ローランの歌』に登場する英雄・ローランが持つ聖剣。
「切れ味の鋭さデュランダルに如くもの無し」とローランが誇るほどの切れ味を見せたと言われている。
砂鉄があれば何度でも修復出来るからと言って、絶対に折れないわけではない。
渾身の力で斬りかかった絶世の名剣(デュランダル)を受け止めれば折れるのは必然。
しかし、美琴は砂鉄の剣が折れた事に対しては驚いたがそれも予想の範囲内(・・・・・・)だった。

魔術(オカルト)とか何だか知らないけどあれだけじゃあ勝てるとは思ってないわ。」

すると先ほどとは段違いの砂鉄が舞い上がりその砂鉄が麻生の周りを取り囲む。

「どう?降参したらすぐに電磁力を解いて・・「目障りだ。」・・え?」

麻生がそう言うと電磁力で操っていた砂鉄がいきなり元の砂鉄に戻った。

(あいつは何も動いていないのに!?・・・・くっ!!!)

美琴はもう一度砂鉄を舞い上がらせようとしたが幾ら電磁力を出しても砂鉄は舞い上がらない。

(どうして・・・どうして、反応しないの・・)

美琴が砂鉄が舞い上がらない事にうろたえていると・・・・

「もう一度同じ事をされても面倒だからな、此処から周囲1キロ内にある砂鉄をただの砂(・・・・)に変えた。」

美琴は信じられないと思った。
自分の知っている能力でこんな事をできる能力はしらないからだ。

(打つ手はなし。
 それならもうこれしかないわね。)

美琴はポケットからゲームセンターのコインを出してそれを親指に乗せた。

「正直、これは使いたくなかったわ。
 これに関してはあんまり手加減できないからね。」

美琴は自身の切り札であり自分の能力の異名である技を使おうとしている。

超電磁砲(レールガン)

膨大な電流を流す事によって発生する斥力をもって弾丸を発射する。
しかし麻生はそれを前にしても態度を変えない。

「いいぜ。
 ちょうどその技がどれほどの物か見たかったしな。
 本気で撃ってこい。」

その挑発で頭に血が上り美琴は今ある電力を全部使い超電磁砲(レールガン)を麻生に放った。 
 

 
後書き
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