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仗助にもしも双子の姉がいたら?ネタ

作者:蜜柑ブタ
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漫画家

 
前書き
岸辺露伴編。


ブルー・ブルー・ローズと、それを持つミナミの興味を示した露伴は……?

 

 


「ミナミさん、『ピンクダークの少年』って知ってます?」
「知ってる知ってる。面白い漫画だよね。」
 広瀬君が漫画の話をしてきたので、私も漫画好きだから話は盛り上がった。
 広瀬君が言うには、この町に、その作者である岸辺露伴が住んでいるそうだ。
 それで、昨日、間田と一緒に家に直接行って、サインも貰ってきたそうだ。
 とてもいい人だったそうだ。
「ミナミさん、興味ありません?」
「興味はあるよ!」
「じゃあ行きませんか?」
「えっ? いいの?」
「原稿を書くのを邪魔しなければ、歓迎だって言ってましたよ。」
「本当? じゃ、じゃあ…お邪魔しちゃおうかな?」
 えへへ…。有名漫画家か…。
 サイン色紙買って持って行こっと!


 行クナ


「?」
「ミナミさん、どうしました?」
「ん…。なんでもない。」
 私は、広瀬君の案内で岸辺露伴の家へ向かった。




***




 岸辺露伴の家のチャイムを鳴らさず、広瀬君は、戸を開けて入った。
「勝手に入っていいの?」
「お、おかしいぞ~?」
「えっ?」
「け、今朝から僕、おかしいんだ…。体重がマイナスだったし、気がつくと露伴先生のところに…。」
「それはおかしいね。」
「み、ミナミさんを連れてこなきゃって気がして、つい…。なんでだろ? あれ?」
「広瀬君?」
 私は広瀬君に手を掴まれて家の中に引っ張られていった。
「ぼ、僕の意志じゃない! 体が勝手に!」
「もしかして、露伴先生って…。」
「ああ! そうだ、僕は…、あの時…!」

「やあ、君が東方ミナミか。」

「えっ?」
 私は、家の中の一室に連れてこられ、そこで名前を呼ばれた。
「お、思い出した~~~! ミナミさん逃げて!」
「…あなたが、岸辺露伴先生?」
「そうだが?」
「広瀬君に何をしたの?」
「少しばかり記憶を剥がして、“書き加えた”だけさ。君を連れてくるようにね。」
「私に?」
「ブルー・ブルー・ローズ。」
「っ!」
「僕は、君のスタンドにとても興味がある。この杜王町に根を張り巡らせて、無差別に命を奪っているという、生と死を操るスタンドを持つ君の人生に!」
「どうして…。」
「君のことと、スタンドのことは、康一君の記憶から知ったよ。そこでなんだが、ぜひ僕の作品のモデルになって欲しい。」
「お断りするって…言ったら?」
「断るだって? 君にそんな選択肢はない!」
「ああ! 見ちゃダメだ!」
 岸辺露伴先生が、書きかけの原稿を私に見せた。
 途端、私の体が本のようにほどけていく。
「これが…。」
「さてさて、君の人生を見せてもらおうか!」

 行クナと、言ッタノニ

「!? これは…。」

 見セ ナイ

「ええい! これは、君のスタンドの…意思か!? いいや、何が何でも見させてもらうからな!」

 ダメ

「いくら拒絶しようとも、僕の能力の前ではーーー!」

 ダメ ダメ ダメ ダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメ

「なんだこれは!? すごい! すごいぞぉ! これはイイ! ここまで頑ななのを僕は見たことがない! 書き加えるのがもったいないが、僕の作品のためだ! 僕に全てをさらけ出してもらう!」

 死 ネ

「? なっ!?」
 露伴先生が手にしていたペンから、そして部屋全体からブルー・ブルー・ローズが出現していた。
 動けない私の視界は、ブルー・ブルー・ローズの鮮血色の根っこで染まるように覆われ、そして意識が遠のいた。



 それからどれくらい時間が経っただろう?
 なんか…騒がしいような…?
「…ん? じょーすけ…?」
「ミナミさん!」
 目を覚ましてまず見えたのは、部屋の中がメチャクチャになってたのと、ボッコボコに机などの家具を破壊しているキレてる仗助と、仗助に負けたのか血だらけで家具の瓦礫の下敷きになっている露伴先生だった。
 本みたいな状態から回復した康一君が、何があったのか説明してくれた。
 まず、私が広瀬君に家の中に引っ張り込まれるのを、仗助と億泰君が見ていて、怪しんだ二人が家に近寄ろうとしたら、ブルー・ブルー・ローズが家からブワッと生えてきて中の異変を察知。
 露伴先生は、直前で私に自分を攻撃させないよう書き込んだらしくギリギリでブルー・ブルー・ローズの攻撃を逃れてたけど、自分から傷つきに行っても青いバラの花が咲いてしまうため、ブルー・ブルー・ローズに囲まれて立ち往生していたらしい。
 だがピンチを恐れるよりも、ブルー・ブルー・ローズの性能や特徴に興味津々でスケッチとメモを取っていて、その間にブルー・ブルー・ローズの包囲網を億泰君がザ・ハンドで破りながら入って来たのだが、億泰君まで本みたいにされ行動不能に。
 それを見ていた仗助は難を逃れたものの、億泰君にもし仗助が助けに入ったら焼身自殺するよう書き込みをされてしまい、出てこざる終えなくされた。けれど目をつむった状態で。とにかく原稿を見たら本のような状態にされてしまうことが分かっているからこその行動だった。
 目をつむった状態で露伴先生を倒すために進み出たのだが、広瀬君から奪った記憶の資料で仗助が髪型のことを貶されると問答無用でキレることを知っていたため、挑発。
 結果、仗助は狙い通りキレてしまい、目を開けてしまったものの…、キレすぎてて、露伴先生のヘブンズ・ドアーが効かなかったっということだった。
「あーあ…、どんだけ貶したんだか…。」
「そういえば、ミナミさん、どうして仗助君は、そこまで髪型のことを貶されると怒るんですか?」
「それはね…。」
 ここから先は、私がざっくりと覚えている過去のこと。

 4歳だった私達に突然の不幸が訪れた。
 それは、仗助が突然高熱で倒れてしまったことだ。
 母さんには見えていなかったけど、人型の人じゃない手が、仗助の体を蝕んでいたのを、私は見ていた。
 私が見ていた手のことは母さんに話しても信じて貰えず、あまりに突然のことで気が動転していたんだろう。母さんは、車で雪道を病院まで走らせようとした。その時はお爺ちゃんもいなくて、私も乗ってた。
 けど、当時の杜王町は、まだ開発中で雪道に車輪を滑らせて立ち往生してしまった。
 救急車を呼ぶべきだったと後悔する母さん。私は、毛布でくるまれた仗助を抱きしめていることしか出来なかった。
 そんな時だった。
 夜の雪景色の中、場違いな青年がいたの。
 血だらけで、制服を着ていて、たぶん、学生さんだったのか?
 一番特徴は、その髪型。そう…、今の仗助と同じ、リーゼントだったの。
 その青年が、学ランの上着をタイヤに挟ませて、車を押し、立ち往生していた車を走らせる手助けをしてくれた。
 仗助は、それから50日間も病院に入院。けど…、仗助も青年のことを見ていたみたいで、意識が戻ってからは、髪型をリーゼントにするようになった。
 4歳だった私は、その時の青年の顔を覚えてない。けど、私には、その人が仗助を救ってくれたヒーローのように見えた。何のためらいもなく、勲章であるはずの学ランの制服をズタボロにしてまで助けてくれたこと。それは、仗助も同じことで、仗助にとって憧れであり、生きる見本となったんだ。

「だからね。その人と同じ髪型を貶すことは、憧れのその人を汚すことと同じ事。だから怒るんだよ。」
「けどよぉ、それにしたって短気すぎやしねぇの?」
 億泰君の言うことはもっともです。でもね…。
「それは…、たぶん、うちの母さんの遺伝かな?」
「おーう…。」

 で? 私は、なんでその人の顔を覚えてないのかって?
 だって、当時4歳だよ? しかも双子の弟がいきなり死にかけてたんだよ? 不安と怖さで涙で目がそれどころじゃなかったって。
 ざっくりと、リーゼントの学生さんだったなぁってぐらいしか、覚えてないよ。

 そして、この直後、まだ意識があった露伴先生が、ペンを手に、紙に私が話した話と自分が体感したことをメモとスケッチ。
 億泰君も広瀬君も、もうここまで来たら褒めるしかないと言うほどの、スーパー漫画家だ。善悪はないが。
 そこにキレてる仗助が露伴先生を見つけ、全治1ヶ月になるまでボコボコにしました。
 偉いね~、アンジェロみたいに家具と一体化させなかっただけ慈悲だよ。

 
 

 
後書き
4歳の子供の記憶なんてあやふやでしょうよ。
筆者の私だって覚えてないし。

露伴が見ようとしたミナミのこれまでの人生の記録は、ブルー・ブルー・ローズに妨害されて見えず、しかも周囲を取り囲まれる。恐らく攻撃できないよう書き込みされたため、ブルー・ブルー・ローズは、長期戦で餓死させるぐらいのつもりで露伴を取り囲んだ。攻撃はできないが、触れれば傷が付くのでそれで花を咲かせることは可能だった。

もし、露伴がブルー・ブルー・ローズが人を生き返らせられると知ったら、その奇跡を見るため、実行させるために手段は選ばなかった可能性は高い。ブルー・ブルー・ローズが、それを察して行動をしたのかは不明。

なお、ミナミは、仗助が倒れたときにはすでにスタンドを覚醒させていた。そのため仗助を殺しかけていたクレイジー・ダイヤモンドが見えていた。けど、スタンドの性質のせいか、自分がスタンドにとり殺されかけることはなかった。
また、仗助が入院中にDIOの手下に誘拐されます。 
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