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魔法少⼥リリカルなのは UnlimitedStrikers

作者:kyonsi
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第16話 2つの出逢い

――side響――
 
 あんまり考えたくないけど、良くない流れって言うのは間違いなく有る。
 例えば、朝一で出会った上司のハンマーが俺の鳩尾を打ち抜いたり、それがアイス取っとけよとかいう理不尽極まりない事だった。
 更には移動に使ったリニアレールが突然止まって一時間食われたかと思えば、降りて地下鉄に乗ろうとしたらなんか丸い機械が動いてたという話を聞いて、場所を照らし合わせればそこは廃棄区画がすぐそこの場所だったりで。

「……面倒くせぇなぁ」

 少ない魔力を使って、電灯代わりにサーチャーを展開させて、丸い機械とやらが居た場所まで移動してきたわけだけど。
 分かってた通り広くて全然わかんねぇ。
 一応、六課と108部隊にはそれぞれ連絡入れているけど、帰ってきた回答は一応確認してきてという、まぁですよねといった内容。
 
 ま、愚痴ばかり考えてないでお仕事するか。デバイスを渡すっていうお使いも頼まれてるし。
 
 さて、一応地下鉄会社に問い合わせた結果、最近導入された自動巡回無人機とやらを導入したけれど、それは円柱型にちょっとしたアーム付きの機械で、ぱっと見ただけでは丸……と言うより、棒だなという印象を受けるもの。
 加えて近くには地下高速も走ってる。何かが潜む……いや、入り込むには打って付けの場所では有るんだよな。少し移動すれば廃棄区画。地下鉄会社でも、交通管理局でもない管轄の場所……正確にはどっちか取ってるんだろうが、取り合いの関係で空白に成ってそうな場所だ。
 
『ロングアーチより、ライトニング5へ』

「こちらライトニング5。どうされましたか?」

 音声通信でロングアーチより連絡が入る。この声は……シャーリーさんか。
 
『連絡を受けて調べたんだけど、その辺りで妙な問い合わせがいくつか入ってるね』

「妙な問い合わせ? 例えば?」

『サバトが行われているかもしれないって』

「……えーっと、悪魔崇拝とかそういう感じの人が目撃されたんですか?」

『そ。時折ローブにフードの人が高速に乗った人が目撃したり、電車の中で見たりとか偶に有るみたい』
 
 ……ローブかぁ。個人的に思いつくのはホテル・アグスタで襲撃してきた敵を思い出す。

「何か指示は預かってますか?」

『はい。その調査は108部隊が引き継ぐそうで、しばし待機を』

「……あぁ108が……え、俺ここで待機? マジで?」

 嘘だろ。割と暗くて嫌なんだけど。この状態で襲われて……いや、それ以上に。
 
 なんか出たら……やだなー。

『まぁまぁ。あ、昨日のアイスありがとうね。皆美味しいって言ってたよ』

「え? あぁ。そりゃ良かった。朝っぱらから食べれなかったって八つ当たりされたのは驚いたけど」

『あはは、ヴィータさんってアイスが好きな人だからねぇ。珍しく地球産の……それも日本のアイスだったから食べたかったんじゃないかな?』

「いや知らんがな。それよりも……」

 遠くから何かが装填されるような音が聞こえた。
 
「……なんか反応ある?」 
 
『ううん。でもハッキリ音は入った。この感じはカートリッジかな? とにかく気をつけて下さい!』

 直ぐにお仕事モードに入ると同時に、こちらもデバイスを展開して臨戦態勢へ。
 コツコツと足音は聞こえてくるし、ハッキリこちらへ向かってきているのも分かる。
 
『うん? あれ……これって』 
  
「接敵まで数秒、打って出ます」

『え? あ、ちょ』

 通信越しでシャーリーさんが何か言っているけど、それ以上に。あちらも敵意を出してるのが分かる。
 多分遠目で、俺の明かりが見えたから来たんだろう。サバト関係者ならとりあえず話を聞けばいい。
 なにかされる前に、牽制を掛ける!
 
 そう考えて踏み込んで突っ込む瞬間、まず聞こえたのは、足音ではなくローラー音。
 それもよく聞く音に限りなく酷似した音。
 次に聞こえたのは。気合を込める声と、それに合わせて魔力光が煌めいた。
 
「ナックル……!」

 明らかな女性の声と共に、左拳を構えてまっすぐこちらに向かう長髪の女性。
 ぱっと見た印象は、長髪でおとなしそうなスバル。加えて見覚えの有る構えだが、唯一の違いは左だということ。
 
 そう言えば、朝言ってたな。スバルが!
 
 ――うちのお父さんとお姉ちゃんによろしくね!
 
 って。つまり……この人は。
 
『響、その人味方!』

「バンカー!」

 シャーリーさんの言葉とほぼ同時に後方に飛ぶ、がそれでも距離を詰められる。

 ですよね! と体を捻るよりも先に、間合いに踏み込まれ腹部に一撃を叩き込まれて、そこで意識が飛んだ。 
 
 


――sideティアナ――

 もーそろそろ向こうでは響とギンガさんがあってる頃なのかしら? バカスバルが、フェイトさん対響の試合の内容話しちゃってたのよねー。
 お蔭で興味持たれてたし……今頃トーキングモードに入ってるんだろうなー。
 
「おつかれティア。はいこれ」

「ありがと」

 奏からスポドリをもらって口に含むと、冷たくて美味しいわー。
 ……さて。
 
「……調子悪そうだわ」

「……そうだねぇ」 

 眼の前で行われているのは、スバル対流。多分、怪我する前ならスバルは勝てなかったと思う。でも、今までのなのはさんや、ヴィータさんの教導のお陰か、いい動きをしているのに対して、流の動きは一手足りない。
 いや、どれか一方しか出来ていないというのが正しいのかしら?
 よく見れば、ミドルレンジでは大剣を振り回して迎撃してる。でも、僅かに見切って懐に入り込まれても一瞬大剣のまま対応しようとする。そのまま対応していると、思い出したかのように空いた手で格闘を捌き、クロスレンジでスバルと格闘で渡り合う……いや、僅かに押されてる。
 切り替えがもっとスムーズに出来れば、スバルと対等……ううん、文字通りランク相応の実力が発揮出来るだろうに、それが上手く出来ていない。
 長銃が無いから? と思ったけど、あったとしても、切り替えが上手くいかない以上、押されてたと思う。
 しかも、どことなく見覚えが有るような、無いような……そのせいも有るんだろう。スバルが見切って、カウンター気味に攻撃出来ているのは。
 
 ……まぁ、アグスタでしたあの突撃とかされたら分からないけど。
 
「なのはさんも困った顔してるねー」

「うん。一つ一つの動作は普通に上手いと思えるのに、どうしてそれが上手く切り替えれないんだろ?
 ……いやほんと、あの時の模擬戦後で良かったわ。多分あの時期に見てたらいろいろ文句言ってたわ」
 
 それこそ流への当たりが強くなってたかもしれない。

「まぁ、黒歴史の1つや2つあっても仕方ないよ」

「……うん、まぁ……うん」 
 
 それにしても……。
 なんだろう? 流を見てると、なにか足りないような……そんな気がするけど、
 
「……それがわからないから、上手く言えないのよね」

 スバルと違って、オールレンジ対応出来るっていうのは、その分複雑化してるということなんだろうけど、そういう次元じゃなくて、駄目だ。上手く考えが纏まらない。
 
『震離! てめぇ、弾幕置くなら迎撃と、読み撃ち以外にも置きやがれ!』  
 
『はい! すいません!』 
 
 違うフィールドに目を向ければ、ヴィータさんにどやされてる震離の姿が。
 杖に魔力刃を展開して、鍔迫り合いしてるのはちょっと凄い反面、フェイトさんみたいだなーと。いや、どっちかって言うと、短剣型のスフィア展開からの誘導操作がメインだから、今のほうがイレギュラーか?
 
「ねぇ奏? 震離のあれって威力はどっちが出るの?」

「ん? 弾幕と直接殴るって話? そりゃもちろん後者だよ。杖に魔力を直接込めれる分、威力もそうだけどそもそもの出力を常に上げれるからね。
 まぁ本人は展開、射出、操作のほうが強いけど……最近は流がやってたやつを真似て、高速射出と自動ロックオンもつけれるようになったらしいけど」
 
「……それはまた面倒ね」

 しかし、こうしてみるとやっぱり不思議なチーム編成よね。
 奏は射撃メインでも近接寄りだと言っている。震離は剣を使えるけど中距離。でも実際のチーム編成は、震離が前で奏が後ろ、響は指揮をという編成だった。
 やっぱ何かを隠してるのか、それとも変わるためにその編成なのかは分からないけど。もっと本音を引き出せたらなー。
 
 いや、それ以前に。
 
「……もっと流とも話してやんなよ」

「……心でも読んだの? 今丁度思ったけど」

 あ、震離落とされた。あ、流が負けたわ。
 
 そういえば。
 
「ねぇ奏。震離って実は大人しい人だったりする?」

「……さぁ? 何を見てそう思ったの?」

「それを聞く? まぁいいけど……スバルもそうだからよ。さて、次ヴィータさんのところで近接対応だけど、奏は?」

「私はフェイトさんの所で機動チェック、エリオとキャロと入れ違いになるねー」

 一瞬だけ、目が鋭くなった。ということはやっぱり震離も根っこは大人しい人なのね。スバルとそっくりだわ。 
 
「ま、人見知りする子だけど。別にティア達がきらいだからーとかそういう事は無いから安心してよ」

「……奏がそう言うなら信用出来るわ。それじゃまた」

「うん、頑張ってヴィータさんを凌いでね」

「……頑張るわ」

 ヴィータさん……最近ある程度捌けるようになったの見越して、本来の力押しも入れてきたから対処し辛いのよね。
 隊長陣という壁もそうだけど、同じ分隊に居る人達も強いしまだまだ大変だわ。
 
 よし、頑張ろう!
 
 
 ――sideシグナム――
 
 知り合いの刀匠との交渉がようやく実を結んだ。
 正確には実力もない者にくれてやる刀は無いと突っぱねられていた。実力はあると伝えてもなかなか……いや、完全に話を聞いてはくれなかった。
 理由はいくつか有るのだろうが、一番の理由は天瞳流御用達の刀匠ということも在り、少々厳しいところが有る。
 特に天瞳流にはDSAAランカーの1人が居ることもあって人気のある流派だ。
 
 それにあやかり、刀を欲する者も後は絶えない。真似をして自身のデバイスの武装とするものが多く、慣れていない故に怪我をする者、刀を剣の様に扱い折れてしまうと苦情を入れてくる者の対応をしていった結果が今なのだ。
 
 だが……テスタロッサと緋凰の勝負を見せたのは正解だった。
 これを見せても変わらないというのなら、諦めるしかないと考えていた。
 
 流石は天瞳流が贔屓にする刀匠。即座に緋凰が刀とは呼べないものを使っていた理由に気づき、最後の一打も。ちゃんとした1品ならば勝っていたと断言していた。
 その上でもう一度依頼を出した。どうかこの者の為に刀を打っては頂けないかと頼んだ結果。
 
 1本ならば制作に取り掛かると言ってくれた。そして、もう1本は既に作られていた刀を譲り受けた。
 なんでも、きちんと刀を扱える人を……天瞳流の師範代になった子と少ししか変わらないのに、こんなに扱えてる人は久しぶりに見たからと、そう言って取り出された1本。
 管理局が定めた刀工の制作規約を躱す為に作られた無銘の刀、ただし、誠意を込めて打った代物。
それを取引に出され、経費で落とすことに。
 
 非常に良い取引が出来たと思う。第一……なのはや、シャーリーからまだですか? 交渉上手く出来てますか? 違う所に行ったほうがいいのでは? と言われていた時には居心地が悪かった。
 
 何はともあれ良かった。
 
 ……そう考えていたが。
 
「……緋凰?」

 ミッドの海沿いを車で走っている最中に、緋凰らしき人物の後ろ姿が見えた。
 いや、正確にはよく似た体重移動する者が居た。しかもスーツのような黒い格好をしてビルとビルの隙間に消えていくのを見た。
 奴の予定は108部隊に行く予定だというのは聞いてはいたが、何故管理局の制服ではなくスーツを?
 
 ふと、考えたのが……緋凰達を使う者。糸を引く者に会うのではないかと考える。
 そのためにあえて、目立つ管理局の制服を着ていないのは分かる。
 だが……ここは六課隊舎から、そう離れていない場所だぞ? そんな近くで落ち合う? 緋凰達に指示を出せる以上、管理局員だということは分かる。しかしこんな所で会うとすれば……地上の者か?
 たまたまとは言え、公に外に出る機会を与えられたからこそ会いに行った? いや、謹慎の最中にも会おうと思えば会えたはずだが……その時期には情報は漏れてないと主は言っていた。
 なら、このタイミングで会えば……特に違和感もなく情報を流せる。本人にその意志は無いと言えども、会うということだけでもリスクはある。
 
 ……今追いかければ、更に事情を聞ける……か?

 そう考え、車を路上パーキングに停めて直ぐに追いかけて――
 
「待て、緋凰!」

「はぇ?!」

 角を曲がった先に、ビルの反対側に出た瞬間捕まえた、が。
 
 ……銀髪? いや、体幹の動きは緋凰のものと……おや? 
 
「え……あ、シグ……ナムさん?」

「む? 何故、名前を知っている?」

 眼の前で固まる人物……よく見れば、女性だというのが分かる。ゆっくりとこちらの方に振り向けば、尚の事分かる。いろんな食材の入った紙袋を抱えるように持つがそれ以上に目立つそれなりの胸がある。
 
 だが。
 
「え、いや、あの」

 しどろもどろになる女性の手首を取って。
 
「墓穴をほったな。貴様、緋凰だろう?」

 万が一……というより、人目をごまかすために女装をしたというのなら分からなくもない。だが、それでも緋凰の癖となる動きをしていれば、間違えるはずがない。
 
「……いいえ、あの……手」

 銀色の瞳が不規則に揺れ、動揺しているのが分かる。テスタロッサの様に纏めた髪が揺れているが……私としたことがそれすらも見落としていたか。
 ただし、裏を返せばそれほどまでに動きが同一だということになるのだが……。
 変身魔法を扱えるだけの魔力をアイツは持っていたか? という疑念も生まれ始めてきた。
 
「や、だって。シグ……ヴォル……ケンリッターさんって、皆さん有名じゃないですか。それで、あの」

 ……おや? 何故か今度は顔が赤くなってきたぞ? いや、待て待て……そんな筈は。
 
 なんて考えていると、不意に私に影が掛かり、振り返って見れば。
 
「ごめんなさいね、遅くなったわ。さて、ヴォルケンの騎士様。うちの従業員に何用で?」  

「……は?」
   
 ドスの利いた声、背の高い男性……カイゼル髭に、ガッチリとしたビルダーらしい体の……メイドがそこに居た。
 

 ――――
 
 結論から言えば。勘違いだということがわかった。
 一つは、六課に確認を取れば、緋凰は現在108部隊のギンガと共に居る事がわかった。
 そして、もう一つは――
 
「あははははは、気にしないでください。そんなに似てるなら一度お会いしてみたいです」

「ぅむ……本当に申し訳ない」

 現在私は、喫茶店S.H.F.にてお茶を頂いている。
 一悶着……いや、ここの店長とやり合う直前まで行きかけたが、その前に緋凰と間違えた……店員Sさんとやらが、全力で止められた。
 その上で、私の名前を知っていたのは、昔の戦技披露会で見かけたからという事と、単にファンだと言われた……正直後者は気恥ずかしい。
 
「それにしても驚いたわー。少し目を離した隙に絡まれてるんですもの。しかも夜天の騎士に。大真面目な顔で」

「……申し訳ない。同僚にどうしても似ていて……そんな趣味が、と」

「いえいえ、そんなに似てるなら。仲良くなれそう……いや、一周回って相性最悪かもしれませんね。
 シグナムさん、おかわりはどうですか?」
 
 ティーポットを見せて来る。一瞬どうしようかと考えたが……主の淹れてくださるお茶とはまた違った美味しさに魅入られて、  
 
「……頂こう」

「はい、どうぞ」

 ふむ、本当に不思議だ。特に何の代わりのない紅茶だと言うのに、ここまで美味しいとは。
 
「ごめんなさい。本当はいろいろおもてなしをしたかったんですが、丁度材料切れて、仕込み直す所だったんですよねぇ」

「そうねぇ、ごめんなさいねシグナムちゃん(・・・)

「ブッ!?」

 店員Sさんはともかく、ここの店長キャディさんの言葉で吹き出してしまう。
 
「わー……店長、それでこの前学生さんを笑い殺そうとしたのに、なんで学ばないんですかー?」 

「女の子にちゃんをつけてはイケナイというルールは無いのよ? 本人が嫌がるならやめるけどね」

 こちらに確認を取るように視線を向けられるのを感じるが、俯いてそれどころではない。それでもやめてほしいという事だけは伝えようと、意思表示として手だけを上げて横にふる。 
 
「あら残念。女の子にさせちゃいけないことをしたお詫びで……アイスは如何?」

「ケホ……いや、しかし」

「貰って下さいシグナムさん。制服にちょっと掛かってしまった以上、これでチャラにして頂けると当店嬉しいですし」

「む?」

 店員Sさんの視線の先を見れば、スカートの一端に吹き出した時についたであろう跡がついていた。この程度ならばクリーニングで消えるし、何よりそこまで気を使わずとも。
 
「もっと言えば、リピーターになってほしいんですよ。割と六課は近くにあるというのになかなか来ないので、何よりこうして知り合えたのも嬉しいですし」

 申し訳なさそうに笑う店員Sさん。
 事の発端は、私の勘違いだというのに……何か有るのかと考えるが、こんな掛け合いをしていて、それはないだろうと思いたい。
 
「あぁ。そういうことなら頂きます」

「ありがとうございます。店長此方(こなた)は何を?」

「大丈夫よー。私だけで足りるわ。三人で食べましょうか。今日はもうお店はお休みにして」

 ……しかし不思議な喫茶店だな。店員はSさんと店長の2人だと言っていたし、ハウスルールとして名前を聞くことは出来ないと。
 キャディ店長も、諢名らしいし、Sさんは決まってないからとりあえずらしい。
 写真も取れないようにそういうジャミングを入れているとのこと。店長いわく以前そのせいでアルバイトの子たちが盗撮された結果やめていったらしい。その対策として導入していると。 
 
 そういえば、昔のテスタロッサや、なのはも学生の時は困ったと言っていた気がする。シャマル辺りはそれは喜んでいいのよと言い、主はなんで私にはと悔しがっていたのは少し懐かしい。
 
 ほんの短い時間だったが、頂いたアイスもまた格別に美味しく、また来るということを伝えた。その時は一報入れてくれれば空けてくれるとも。
 非常に有り難い。
 
 今度手隙の者を連れてくるのも良いだろう――
 
 
 ――と、考え、六課に戻って最初に会ったヴィータにそれを伝えると。
 
「て、てめぇ!? 喫茶店S.H.F.はな!! アイスパフェがギガ美味で有名な……超行列店だぞ!? なん……お前、はぁあああ?!」

 と、理不尽に怒り狂われた……何故だ? 
  
 

 
後書き
長いだけの文かもしれませんが、楽しんで頂けたのなら幸いです。ここまでお付き合いいただき、感謝いたします。  
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