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浮島の上の雲

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第四章

「どうやら」
「ではそっちに行きましょ」
 セスペデスはこの時も冷静だった、そうしてだった。
 二人を廃坑の頂上に案内した、そこは山を出て雲の上にある頂きの部分だったが。
 風を全身にまとった赤や黄色の派手な色彩の巨大な鳥と水を全身にまとった青や緑のやはり派手な鱗を持つ大蛇だった。
 その彼等を見てだ、教授は忌々し気に言葉を出した。
「この連中だったか」
「ご存知ですか、このモンスター達を」
「この地域にいたという邪神の眷属達だ」
「邪神の」
「どういう訳か知らんがこの廃坑に移り住んでいたか」
「あれは」
 ここでだ、セスペデスは今自分達がいる場所を見回した、そしてだった。
 あるものを見付けた、それは。
「あの石の場所じゃは」
「あれは廃坑がまだ銀を生み出していた頃に建てられた神を祀る祭壇だ」
 教授はセスペデスが指差した石の場所を見て答えた、そこには大きな石が落ちていて完全に壊れてしまっている。
「そうか、隕石か何かが落ちて」
「壊れてですか」
「祭壇はあの者達も封じていたか」
「そうだったのですね」
「そのことはわしも知らなかった」
 教授は歯噛みして述べた。
「郷土の歴史のことはそこまで詳しくない」
「だからですか」
「そこまでは知らなかった、だが」
「それでもですね」
「おそらくそうだ、だからまずはな」
「邪神の眷属を倒し」
「祭壇を修繕し元に戻さねばならん」 
 こうセスペデス達に話した、その話を聞いてだった。
 セスペデスはモンテロッソと共に邪神の眷属達に向かった、それぞれ風と水の術と力を使う彼等は連携までしてかなり強かった。
 だがそれでもだ、セスペデスはモンテロッソに話した。
「まず片方を倒す」
「そうしてですね」
「もう片方を倒す」
 今回の戦闘の基本戦術を話した。
「それでええな」
「ええと思います」
 モンテロッソもすぐに答えた。
「それで」
「ほなな」
「実際にですね」
「それでいくで」
「わかりました、じゃあまずは蛇でしょうか」
「蛇を足止めするか」
「そうしましょう、分身や幻惑の術を使って」
 それで敵の目を向けて惑わしてというのだ。 
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