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浮島の上の雲

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第二章

 年老いたセスペデスと同じ種族であるザリガニ系ただし黒い色の甲羅の甲殻人の学者の服を着た男が出て来た、尚モンテロッソは鹿人で頭は中南米の鹿のものだ。
 その彼にだ、二人は旅の冒険者として依頼の話を聞いたが。
 教授は二人を家に入れたうえで居間で共にコーヒーを飲みつつこう言った。
「この浮島を覆っている雲だが」
「それのことですね」
 やはりと思いつつだった、セスペデスは教授に応えた。
「依頼でも書いてましたが」
「そうなのだよ、このことは原因があって」
「その原因は」
「大変なことでね」
「大変なといいますと」
「この浮島にも鉱山があるのは知っているね」
「銀山ですね」
 それだとだ、セスペデスは応えた。
「この浮島もそれで有名ですし」
「それで栄えている浮島だが」
「一つ廃坑がありますが」
「よく知っているね」
「ボリビア生まれなので」
 素性は隠しているがセスペデスはこのことは述べた。
「そうですさかい」
「この浮島のことも知っていてだね」
「廃坑があることもです」
 このこともというのだ。
「知ってまして」
「それなら話が早い、その廃坑に何時の間にか風と水の属性のモンスターが多く棲みついて特に風の精霊と水のモンスターでおかしなのがそれぞれ棲みついていて」
「そのモンスター達がですか」
「問題でね」
 それでというのだ。
「雲を物凄く増やして雨もね」
「増やしてですか」
「今に至るんだよ」
「ほなあれですね」
 モンテロッソは教授の話をここまで聞いて述べた。
「その廃坑に入って」
「そう、そして」
「そのモンスター達を倒せば」
「雲もなくなってね」
「縞も元に戻りますね」
「確かに雨も必要だけれど」
 それでもと言う教授だった。
「今はあまりにも多くてね」
「日も当たらなくなって」
「所謂天候不順の状態でね」
 それでというのだ。
「今回は何としてもね」
「モンスター達をですね」
「倒して欲しくて依頼を出したが」
「もうギルドには返事をしています」
 セスペデスは教授の言葉にすぐに答えた。
「受けると」
「ではだね」
「今から行きましょう」
「宜しく頼むよ、道案内はさせてもらうよ」
「教授がですか」
「術は錬金術のものを全て使えるからね」
 科学者や学者はこの世界では普通に術が使える、これも学問の一環なので当然のものとして身に着けているのだ。
「格闘は出来ないがまだ足腰はしっかりしているよ」
「そやからですね」
「あの廃坑も地質学者として何度も入っていてね」
 それでというのだ。
「知っているから」
「中のことは」
「マップも持っているしね」
「では万全ですね」
 マップもあると聞いてだ、セスペデスは笑顔で述べた。
「では」
「うむ、これからな」
「あちらにですね」
「行こう」
 こう言ってだ、そうしてだった。 
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