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麗しのヴァンパイア

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第百五十五話

               第百五十五話  入浴
 今雪路は鈍くそして強い頭痛を感じていた、そして身体も辛い。彼女自身それがどうしてなのかわかっていた。
「二日酔いです」
「夕方だけれどね」
「そうなっています」
「少し寝たけれど」
 シェスタ、それでだとだ。カーミラも話した。
「状況的にはね」
「二日酔いですね」
「二日酔いは朝になるとは限らないわ」
 そうだというのだ。
「お昼でもね」
「飲んで、ですね」
「寝れば」
「それでお酒が残っていれば」
 もっと言えば頭の中の水分が少ないとだ。
「なるものよ」
「だからですね」
「今の貴女は二日酔いになったのよ」
「それだけワインを飲んだということですね」
「そうよ、そしてね」
「これからですね」
「言った通りにね」
「お風呂にですね」
「行きましょう」
 そこにというのだ。
「そうしましょう」
「わかりました」
「そこでお酒を抜いて」
 そうして二日酔いを解消させてというのだ、雪路が今苦しんでいるそれを。
「そしてね」
「そのうえで、ですね」
「身体も奇麗にして気持ちも」
 入浴、それでというのだ。
「すっきりさせるのよ」
「お風呂のいい入り方ですね」
「そうよ、お風呂はね」
「そうした楽しみの為にあるもので」
「日本では特にそうよね」
「はい、日本人はお風呂が好きな人が多くて」
 実際にとだ、雪路はカーミラに答えた。
「沢山の人がそうして楽しんでいます」
「私もそうなのよ」
 日本生まれではないがとだ、カーミラは笑って話した。
「東欧では有名だし」
「そうなんですか」
「ハンガリー等でね、ではね」
「今度はお風呂ですね」
「そちらを楽しみましょう」
「わかりました」 
 まずはこの二日酔いを解消したい、こう思いつつだった。雪路はカーミラに今度は風呂に案内してもらった。


第百五十五話   完


                2019・5・2 
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