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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第八幕その三

「どれだけの万葉集の歌があったか」
「そして京都だと古今和歌集」
 こう言ったのはホワイティです。
「そうなってるね」
「平安神宮に行ったら和歌とお花が一杯で」
「もう嘘みたいに奇麗だったわね」
 チープサイドの家族はその平安神宮に行った時のことを思い出しています。
「あんな素敵な場所があるなんて」
「この世界にね」
「奈良も京都も和歌の世界だね」
 老馬の言葉もしみじみとしたものです。
「まさに」
「いやあ、そのことを思い出すと」
 ジップも深く思うのでした。
「あちこちの場所が文学の舞台だね」
「本当にそうだね」
 チーチーはジップの言葉に頷きました。
「先生の言う通りだよ」
「金閣寺なんか三島由紀夫の小説になってるね」
 ガブガブは和歌からあえて離れました。
「そうだしね」
「そうだね、場所もそうで食べものそうでね」
 先生はまたさくらんぼのお話をしました。
「今度太宰治にね」
「お供えだね」
「そうするんだね」
「さくらんぼを」
「今回のお礼に」
「そうするよ、太宰の霊にお供えをして」
 そしてというのです。
「それからはね」
「僕達で食べるんだね」
「そうするんだよね」
「それは絶対だよね」
「やっぱりそうだよね」
「このことはね、お供えをしたものは」
 まさにというのです。
「その後でね」
「しっかりと食べる」
「そうするからね」
「だからだね」
「さくらんぼを太宰さんにお供えしたら」
「その後は皆で食べようね」
「そうしようね、そしてこれでまた一ついい提案が出来たけれど」 
 考えるお顔になって言う先生でした。
「もう一つ何かないかな」
「もう一つ?」
「先生まだアイディアが必要と思ってるんだ」
「そうなの」
「そうなんだ、折角の姫路城の宴だから」
 あのお城で行われるからだというのです。
「あのお城の奇麗さと雄大さをさらに活かした」
「その様なだね」
「その様なことも考えているんだ」
「そうなんだ、けれど何がいいかな」
 また言う先生でした。
「一体」
「そこは難しいね」
「どうにもね」
「何かいい考えが出るかな」
「花火みたいに」
「そうなればいいけれど」
「ううん、もっと本を読んでみようかな」
 先生は皆に考えるお顔で述べました。
「お城のことも調べると言ったしね」
「そうそう、日本のお城ね」
「天守閣のことね」
「それも姫路城と一緒で五層の天守閣」
「そうしたお城からだね」
「調べてヒントをって思っているけれど」
 それでもと言う先生でした。
「どのお城がいいかな」
「大阪城かな」
「関西のお城で他に有名なのはあのお城だしね」
「あのお城も五層だし」
「丁度よくない?」
「大阪城も悪くないね、そういえば」
 皆のお話を聞いてでした、先生はあることを思い出しました。その思い出したことはといいますと。 
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