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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その二十三

「しかしだ」
「それでもですね」
「私はあえてと考えている」
「訓練を増やしてですね」
「精強な軍隊にしたい」
 是非にというのだ。
「私はな」
「軍規軍律はこのままで」
「そしてだ」
 さらにと言うのだった。
「市民との交流も続けるべきだが」
「訓練の時間は増やす」
「より、だ」
 さらにというのだ。
「例えば日本軍の様にな」
「今現在のですか」
「今現在よりもだ」
 この時代日本軍は連合きっての精鋭と言われていた、数は大国にしては少なかったが装備がいいだけでなく統制が取れそして訓練も充実していると言われているのだ。
「二十世紀前半だな」
「あの頃の日本軍ですか」
「恐ろしいまでに強いと言われていた」
 それこそ何倍もの物量の相手と戦えたまでのだ。
「あの日本軍の様にな」
「なるべきですか」
「私は子供の頃あの日本軍の強さを聞いて感激した」
 二十世紀前半の日本軍のだ。
「アメリカ軍にも中国軍にもイギリス軍もだ」
「それだけの敵を向こうに回しても」
「何年も戦えた」
「あれは確かに凄かったですね」
 ウッディも認めることだった。
「戦記に残っていますが」
「日露戦争でもな」
 圧倒的な戦力差を誇るロシアに勝った戦争だ。
「強かった」
「恐ろしいまでに」
「だからだ」
 それでというのだ。
「私は思ったのだ」
「軍隊は、ですね」
「精強であるべきだ」
「規律は厳正で」
「連合軍はそれはいい」
 規律はというのだ。
「それならだ」
「後は、ですね」
「強さだ」
「それを求めていくべきですか」
「訓練を増やしてな」
「では」
 ここでウッディが言うことはというと。
「月月火水木金金の」
「かつての日本軍だったな」
「海軍でしたね」
「陸軍も同じだった」
 彼等にしてもというのだ。
「あまりにも激しい訓練をしていた」
「ではまさにそれ位の訓練をすべきですか」
「そう思っている、当然常ではないが」
「訓練を増やすべきですか」
「弱兵では市民も守れない」 
 いざという時にというのだ。
「だからだ」
「訓練から精兵となり」
「強い軍隊にしないとな」
「今は物量と装備、システムで戦っていますね」
「しかしだ」
 そういったものに加えてというのだ。
「そこに訓練度も加わるとな」
「さらに強くなる」
「兵は訓練で強くなる」
「はい、まさに」
「装備や数に制限はあろうとも」
「訓練にはですね」
「制限がないという言葉があった」
 東郷平八郎の言葉だ、海軍軍縮条約で日本の海軍力が制限された時にこう言って海軍の質を守ろうとしたのだ。 
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