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夢幻水滸伝

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第九十八話 中国の星達その十一

「かなり厄介やな」
「そやな」
「ほんまにな」
「そこはな」
 そうしたものを見ると、というのだ。
「下手な侵略の方が楽かもな」
「地震だのよりもな」
「我々も地震や隕石や台風を使えますので」
 巴は白と蒲にこう述べた。
「毒を以てということでしょうか」
「力には同じだけの力をぶつけて相殺する」
 呉はあえてこのやり方を述べた。
「それを行えというのか」
「ならそれでええんか」
 残は呉のその言葉に聞き返した。
「まさに」
「何や、ほんまに」
 施は自分の仲間である星の者達の話を聞いて述べた。
「この世界の危機は」
「ううん、本当に全くわかってないね」
 郭もこう言うしかなかった。
「今の時点で」
「そやな、何やろな」
「まだ全然わかってへんからな」
 羅も施も腕を組んでどうかという顔になって言う。
「今回のことは」
「一切わからへんな」
「邪神とか邪悪な奴とか」
 こう言ったのは残だった。
「そういう連中の可能性もあるな」
「確かにな」
 呉も残のその指摘に応えた。
「こうした世界では常やな」
「そうやろ、この世界を滅ぼす邪神とかな」
「この世界が目覚めるまでに海の魔神がおったし」
 花華も言う。
「そうした存在も有り得るな」
「色々あるだろ」
「考えられるケースはな」
「そう思うとな」
 残は花華にあらためて話した。
「どんなケースにもだよ、まあおらっちはこうしたことは好きじゃないけれどな」
「世界を救うとかがやな」
「柄じゃねえな」
 少し苦笑いになってだ、残は花華に言った。
「そういうのは」
「あんたはあんたで勝手にやな」
「気ままに生きたいんだよ」
「そういう人やな」
「それがどういう因果かな」
「寝たらこっちの世界に来る様になってな」
「世界を救う星の一人とかな」
 こういうことはというのだ。
「本当におらっちの柄じゃねえな」
「けれどやな」
「困ってる人は見捨てるんなってな」
「お師匠さんの言葉やな」
「吉林のな」
 彼の故郷のというのだ。
「そこで言われたもんや」
「お師匠さんお元気かいな」
「ああ、昨日メール来てたけどな」
「お元気やな」
「最近スマホのゲームに凝ってるらしいわ」
 中国のそれにというのだ。
「ウェブ漫画読んでな」
「つくづく若いお師匠さんやな」
「七十だけれどな」
 それでもというのだ、老人と言っていい年齢でも。
「元気なものや」
「それは何よりやな」
「ああ、強いしな」
「拳法の方もやな」
「しっかりしてるで、それでな」
「そのお師匠さんがやな」
「おらっちにいつも言ってたんだよ」
 その彼がというのだ。 
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