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大阪のお歯黒べったり

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第一章

             大阪のお歯黒べったり
 大阪市鶴見区の住宅街で三人の主婦達が昼下がりに喫茶店に入ってそこであれこれと話していた。その主婦達はというと。
 新垣瑞希は長い黒髪を後ろで編んで束ね右肩の上に置いている、楚々とした大人しげな顔立ちで儚げな眉の形がいじらしく見え背は一五五程でスタイルは普通位だ。青のロングスカートに白い半袖のシャツという大人しい服装だ。
 和田京香は一六八の長身で見事なスタイルをしている、小さな目は切れ長で知的な雰囲気の細長い眉である。波うつ黒髪を腰まで伸ばしている。姿勢が実にいい。青のジーンズと赤のブラウスという派手な色合いの服装だ。
 大野望美は童顔で背は一五〇程だ、可愛らしい感じの目と唇が茶色に脱色したやや癖のあるセミロングによく似合っている。服の上からはわからないが実は胸が結構ある。ピンクのシャツに黒の蒲座までの半ズボンと露出は三人の中で一番多い。
 三人共同じマンションに住んでいてそれで顔馴染みになった、マンションは八条ホームのマンションで実に暮らしやすい。しかも三人共家庭円満で満ち足りた生活を送っている、だがそうした生活の中でもだ。
 人は何でも不満を抱えるものでそれでだった。
 瑞希は困った顔でコーヒーを飲みつつ二人に言った。
「私最近肩凝りが酷くて」
「私はちょっと腰が」
 京香はこちらだった。
「どうもね」
「私は最近膝がね」
 望美はこちらだった。
「痛むのよ」
「まだ三人共二十代なのに」
 それでもとだ、瑞希はまた言った。
「身体がね」
「傷んできたみたいね」
「そうみたいね」
「結婚して子供出来たら」
 こうも言う瑞希だった。
「身体に結構ガタがくるっていうけれど」
「実際にそうみたいね」
 望美は困った顔で述べた。
「どうも」
「そうみたいね」
「まさかね」
 京香は少し溜息混じりに行った。
「私達がそうなるなんてね」
「思わなかったわよね」
「本当にね」
 こう望美に返した。
「まさかよ」
「自分達がそうなるとか」
「今もクーラーに当たるとね」
「冷えると辛いわよね」
「それとね」
 瑞希は二人にこうも言った。
「コーヒー飲み過ぎるとね」
「寝られなくなるとか?」
「そうなるとか?」
「いえ、ずっと座ってて運動不足だと」
 コーヒーを飲み過ぎたうえでというのだ。
「結石になるらしいから」
「あれ凄く痛いのよね」
 結石と聞いてだ、望美はすぐに言った。
「何でも」
「そうみたいね、うちのお父さんなったけれど」
 瑞希は望美にこう返した。
「これがね」
「物凄く痛いのね」
「本当にそうみたいよ」
「じゃあコーヒーも」 
 見れば瑞希はミルクティーで他の二人はコーヒーだ。
「飲み過ぎたら」
「その時はね」
「危ないのね」
「それで座り仕事が多くて」
 それでというのだ。 
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