| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

パンドラの箱

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第七章

「私も言いますが」
「全く以てだな」
「そう言います」
「そうだな、あの者達は救われるが」
「その気質はですね」
「何とかならんか」
 ゼウスは飲みつつ言った。
「本当にな」
「困ったことですね」
「そうだ、これでは今の危機を乗り越えてな」
 そしてというのだ。
「難を逃れてもだ」
「また危機が起これば」
「どうなるか」
「知れたものではないわ」
 ゼウスは今度はハムを食べた、そうしながらまた飲むのだった。そして次の日二日酔いで死にそうになった。
 やがてギリシアはEUからまた支援があって何とか救われる道が出て来た、ギリシアの者達はこれはよかったとなったが。
 ゼウスはオリンポスの主神の座で醒めた目で言った。
「もう助けんぞ」
「そうですか」
「一度痛い目に遭えばいい」 
 こうヘルメスに言った。
「そして反省しろ」
「そう思われますか」
「あんな連中はだ」
「一度ですか」
「痛い目に遭ってだ」
 そうしてというのだ。
「反省すればいい」
「だからですね」
「もうだ」
 それこそと言うのだった。
「わしは助けない」
「例え何があっても」
「そうだ、今回でわかった」
 今のギリシアの者達についてというのだ。
「怠け者過ぎる、箱位開けろ」
「もうそこに尽きますか」
「危機感を持て、仕事の内容も考えろ」
 幾ら労働時間が欧州の中では長めでもというのだ。
「そしてだ」
「しっかりとですね」
「自分達で危機に向かえ」 
「もうそれに尽きますか」
「そうだ、今度何かあればな」
 その時はと言ってだ、ゼウスは醒めた目のままでいた。そうして別のことに対して関心を向けるのだった。


パンドラの箱   完


               201・4・16 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧