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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二百二十三話

七月二十九日の朝。

「やぁ、待ってたよ。貴女ならきっと来るだろうってね」

炎天下の浪白公園。

そこのブランコで待っていると、羽川さんが来た。

「でもいいの? 愛しい恋人の受験勉強を見てあげなくても?」

「………………………はぁ」

「どうしたんだい? 羽川さん? そんな恨めしそうな顔をして。こないだの動画に俺が写ってなかったのが不思議?
貴女らしくもないなぁ。吸血鬼を含む量子生命体はクオリアを通さないと知覚できないんだ。
よかったね、これでまた『知っていること』が増えたよ」

「一夏君一人なの?」

「ああ、さっきまで妹達と居たんだけど、今はあいつら真宵さんに遊んでもらってるよ」

「真宵ちゃんのこと見えるの?」

「見えるとも。三人には俺の血を飲ませてある。
貴女が怪異を見ることが出来るのと同じだよ」

と羽川さんの脇腹を指差す。

彼女は、暦さんの血による治療で九死に一生を得た。

「さ、隣に座ってくれ、そこは暑いでしょ?」

羽川さんが隣のブランコに腰掛ける。

「あ……涼しい」

「魔法だよ。怪異と似た原理で作用する現代科学とは別のシステムだ」

「……魔法…そっか、あるのか…魔法…」

「あるとも。ついでに言うと、俺は人間…ホモサピエンスではないよ」

「吸血鬼だから?」

「人造人間だから」

「………………………」

「ジョークかどうかは自分で調べてね。死んでも知らないけど」

羽川さんが俺が座っているブランコの鎖を握った。

「この街でおまじないを流行らせてる人の事。
しってるよね?」

「おまじないを流行らせてる人? なんの話?」

「街で聞き込みしてたら、君が容疑者と居るのを見たって人がいたの」

「はて……俺の知り合いに貝木泥舟なんていう詐欺師いたっけなぁ~?」

羽川さんの視線がキツくなった。

「なんだい? 元気がいいねぇ委員長ちゃんは。何かいいことでもあったのかい?」

忍野の真似をすると羽川さんの目がスッと細くなった。

「君を殴る元気はあるよ?」

「フゥーハハハハハハ! 人間ごときが我に触れる事など出来ぬのだぁっ‼」

羽川さんが俺を掴もうとする手を避ける。

五回くらいやって羽川さんが諦めた。

すぅ、と息を吸う。

「貝木泥舟。職業は自称詐欺師。最近は女性権利団体過激派の主格メンバーを中心に詐欺を働いているお尋ね者。
忍野メメの大学時代の友人で現在も怪異の専門家として忍野メメとは同じ派閥に属し彼と同じく幹部級の地位に在る人物。
ついでに言えば戦場ヶ原直木の家を崩壊させた張本人だけどもそこは色々あったらしい。
直木の家については俺は貝木を責めないよ。直木がどう思ってるかは知らないけど。
そうそう。貝木の連絡先はその直木から手に入れたんだよ。
直木にとりついてた怪異を祓った報酬としてね。
優秀だよ貝木は。ちゃんと依頼通りに詐欺を働いてくれるしクライアントの情報は漏らさない。
金に貪欲だが金さえ積めば働いてくれる。
仲間として信頼はできないがビジネスの相手としては信用はできる部類の人間だ」

息継ぎ無しで捲し立てた後。

「で、他に知りたいことは?」

ニコニコしながら聞くと、羽川さんがじっと俺を見据える。

「貝木さんの今の居場所は?」

「さぁ? 繁華街のカラオケボックスとか漫喫とかの個室のある場所じゃないかな?」

「千里眼で見付けられないの?」

「この広い街をくまなく? 歩かないけど精神疲労は十数倍だよ。
この間貴女達を見つけられたのはアンタが暦さんの腕を引きちぎったときに治療で使った
俺の血をマーカーにして探しただけだ」

羽川さんが疑わしげな視線を俺にザクザクと突き刺す。

「………………じゃぁ、貝木さんを捕まえるヒントとかは?」

「ハハハハハハハ! 警察が血眼になって捜してるのに捕まらない男だよ。
知るわけないじゃん」

ああ、でも、そうだ。

「確か奴、術を使えた筈だ」

「術…? それは魔法とか陰陽道とかの?」

「それもあるし、精神科学系統の催眠術も使える。瞬間催眠とかいう高等技術をね」

「ケルベロスみたいな?」

「なぜ唐突に探偵学園Q……。まぁ、ケルベロス程ではないだろうけどね」

あれはもう魔法の域だ。

「じゃぁ次の質問。今回のおまじない、君は無関係?」

「一応ね」

「一応?」

「貝木には何回か忠告したんだよ。自警団に追われてるぞ、とね。
その忠告は無視されたから。あいつを捕まえたら煮るなり焼くなり好きにするといいさ」

「………君は、どっちの味方?」

「どっちかって言えばファイアーシスターズ寄りかな。今は。
貝木には世話になってるから自分から捕まえたりはしないけど、やってることがやってることだ。
あいつの味方はしないよ。今回」

「…………………そう」

「俺と貝木が繋がってるのが不思議?」

「うん。きみはそういうのが嫌いな人と思ってたから」

割りと好きなキャラクターだ。

まぁ、敢えて前世の記憶を無いものとして。

「でももっと嫌いな物を退ける為なら仕方なくない?」

そう、例えば女性権利団体過激派とか。

奴ら信じられんぞ。

俺が電車に乗ったら痴漢冤罪吹っ掛けて来たからな。

本当、もう…ね。

タベテヤロウカトオモッタヨ。

「そっか。一夏君は、ブリュンヒルデの弟だもんね」

「そう言うこと。あと箒も狙われるからねぇ」

「…………………………生きる世界が違うんだね」

それを貴女が言うのか。

それじゃぁ章換えリセットして……。

「ま、重い話は置いといて。暦さんとはどうなの?」

「へっ!?」

「言い方変えようか? 暦さんとはどのくらいのペースでヤッてる?」

「………………………」

「箒に渡されたジェットインジェクターは使った?」

あ、羽川さんの目がゴミを見る目になった。

エイドスを覗く。

どうやらジェットインジェクターは使ったらしい。

「まぁ、このエロい質問には答えなくていいよ。
答えても答えなくても対して結末は変わらないだろうし」

いやもしかしたら変わるかも知れないけど。

例えば、例えばだ。

もし彼女が暦さんと頻繁に性交に及んでいるとしよう。

だからなに? と言われかねないが、これは割りと真面目かつシリアスな話に繋がる事になる。

概念的な話になるが、精液という物は『血』を濃縮した液体だ。

大昔の医学者だか錬金術師だか魔術師だかがそういった通り、精液というのは血よりも濃い霊力と情報を内包している。

もうお分かりだろう。

吸血鬼『もどき』とはいえ、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの眷属。

その血の濃縮物。

ある種の霊薬。

力の塊。

そんなものをこのヤベー委員長が定期的に摂取しているとしたら?

そのエネルギーを、彼女が取り込んでいたら?

もしもそれで、障り猫や苛虎が強化されたり原作にない怪異が発生したら?

「ま、結末が変わったらその時はその時だ。
協力しようじゃないか」

「君はどうなの?」

「ん?」

「君は恋人とはどうなの?」

「聞きたいの?」

「まぁ…多少は…」

「えー…ききたいのぉー? 羽川さんはエッチだなぁ……」

「……………私帰ります」

「お、そっか。じゃぁ火燐さんには『貝木の話に耳を貸すな。見つけたら問答無用でぶんなぐれ』って伝えといて。
あの人バカだからすぐ貝木に言いくるめられちゃいそうだし」












その日の深夜。

俺は暦さんに呼び出された。
 
 

 
後書き
222.5で少しだけ触れたように、箒、育、火燐、月火、撫子、直木、駿河、翼でタピオカチャレンジ大会をしています。
その時に翼の手にフタナリ化ジェットインジェクターが渡っています。 
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