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賢者の師範

作者:黒鐡
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第1巻
  新たな外史×領地内での出来事

俺の名は織斑一真、職業は次元パトロール隊の総司令官。現在俺はとある人物に呼ばれたので、外史へ行ってみるとそこは一雨降ってるとこにいる街道。初老の男が雨宿りしてて、本来起こる事がカットされての登場となったんだと思う。

これまで数多くの外史を旅してから常に俺の相棒としているのが、俺の左腕と中にいるドラゴン達。だが今回も、なのかドライグしか会話に入って来れないらしい。

「おや、そこにいるのはワシの師範では?」

「久しぶりだな俺の弟子よ」

「久しぶりじゃな。ワシの前から姿を消してから一体何をしておったんじゃ?」

「俺はここで言う幻や伝説と言われたプトレマイオス神国に戻ってただけだが」

「プトレマイオス神国、本当に存在してたんじゃな」

と言う会話が続いてた。魔物に襲われ馬車が壊されて辺りに遺体があちこちに散乱していた、と言う本来の事がスルーされながら賢者マーリンと呼ばれた元記憶共有者と共に自宅へ。

そして俺が賢者マーリンと暮らし始めてから今までの生活が変わったと言ってた。まずは森周辺一帯に結界を張り、侵入者はいなくとも魔物がいたら駆除する事。それとここ一帯を我が神国プトレマイオスの領地となった。

男性隊員と女性隊員もこの前と同じようにしていて、何かあればトレミーから知らせてくれるのでこれについては有難い。この世界は魔法が流通してて、この前のような現代と古式と分かれずに詠唱を言ってから発動するようになっている。

「一真様、今回は鳥と猪がターゲットですね」

「そうだな。特に猪の肉は美味だ、これが魔物化やドウター化されると厄介だ」

ここでの名前も織斑一真となっており、ティグルヴルムド=ヴォルンではない。ちなみにマーリン=ウォルフォードが賢者でメリダ=ボーウェンが導師と呼ばれてるが、中身はただの爺さんと婆さんにしか見えんよ。

俺もコイツら二人よりも大御所だ、外見は二十歳を超えていて既婚者としても中身は創造神黒鐡として生きてきたから人生の先輩とも呼ばれる事も。でだ、森周辺だけプトレマイオスの領地と知っているのは少数の人間しか知らん。

魔法も魔道具も俺が教えて発展させたのがコイツら、で、俺と蒼太は狩りに来てたが持ってる道具は銃器のみ。この世界は魔法があって詠唱と魔法名を叫ぶ外史だと聞いている。魔法は使えるけど正直言って弟子より規格外と呼ばれる程の力を持ってるからか、魔法を使うのは非常事態のみとなっている。

「ただいま」

「お帰り一真様」

「お帰りなさいませ一真様、今回も狩りに行ってたのかい?」

「今日は何を狩りに行ったので?」

「・・・・その様付けと敬語は勘弁してくれよ、ここだと自然な会話だが王都へ行くとなると不自然になるんだが」

俺の事を様付けと敬語になってしまうのは俺の弟子なのと神皇帝と呼ばれる二つ名を持っている事。そして元部下、この三つがあるから自然と敬語になってしまうんだろうね。自宅にメリダとミッシェルの二人が客として来ていた。

このジジイを訊ねてくる者は結構いる。だがここに来るまでIDカードと持ち物検査をされてから来れるようにしてる。セキュリティーも厳しい、例え隣国の国王やその護衛であっても例外ではない。

「それはしょうがないですよ。私とマーリンの師範を敬語無しで喋ろと言うのは無茶振りです」

「私にとっても剣の師範が一真様=神皇帝だと認知しておりますから」

「・・・・それについては諦めよう、今回はこれを狩ってきた」

この世界では魔法はマーリンが極めて魔道具作りはメリダが極めた、とされている。実際は俺が教えた事になったが、この世界では幻や伝説と呼ばれた賢者と導師の師範が神皇帝と呼ばれた者として認知されている。

爺さんよりも婆さんの方がスタイルいいのは食生活を気にしてるのか?と思えば俺らがよくやっていたルームランナーなどの器具を使ってるとか。鳥と猪を一撃で仕留めたと報告し、今夜は猪を使った料理だと言い俺は台所に行く。

『今回もお喋りは俺だけなのか?』

『やっと起きたかドライグ』

『ああ、最近だと俺のみとされているが他の皆は寝ているな。ところでここは魔法と魔道具を教えたのが相棒になってるとか』

『まあな。魔道具はイメージした魔法とその道具に文字を書き込む事で付与される。文字数に制限されてて、多い少ないによって値段も変化する。この世界はアルファベットのようにいくつかの綴りとなり意味を持つ。一言で文字数オーバーになる事もよくあるらしい』

『なるほどな。で、相棒の魔道具はあるのか?』

『正直言っていらんよ。この世界の文字は複雑過ぎて分からんし、漢字を使ってやってみて成功させたが邪魔にしかならない』

そう言いながら料理を作ってたが、ここにいる者らが独り言をしているから頭の可笑しな人間だと思っていない。銃器は空間に入れてあるし剣は擬態化されたアクセサリーだし、ぶっちゃけ聖剣エクスカリバーだと知っているのもここに居る者のみ。

空間と言えばここで言う異空間収納と呼ぶ、が、俺が使ってる空間と異空間収納での違いとして魔法と神の力による違いのみ。ミッシェルと言えば日頃の鍛錬相手とされていて、元騎士団長で剣聖と呼ばれた二つ名を持つとか。

『で、今は何してるんだ?』

『見りゃ分かるだろ、魔物狩りと言うよりドウター狩りだ』

あれから二年経つけど俺らの生活に変化があると言えば、最近だと魔物化されたドウターが結構いる。なので最近は俺や蒼太と沙紀を護衛にして狩ってきたんだが、どうやらマーリンも狩場を見てみたいと言ってきた。

魔力が充満し生命活動にさえ影響されている世界は、全ての動物が魔力の恩恵を受けているらしい。魔力制御に失敗すると魔物化して凶暴になると言われていて、実際俺らは何度も狩ってきた。

ただの魔物かドウターの区別は俺らしか分からないぐらいの認識阻害されてるとか、だからマーリンも魔物かドウターかの区別が出来ていない。

「おいおい、俺らや元部下でさえも区別できるのにお前は区別できないのかよ」

「ほっほ、ワシやメリダが如何に元部下であったとしても無理じゃ」

「確か人間は自分の意思で魔力制御する術を持ってるらしいな」

「滅多にならん事が過去に起こり、自我を持たず暴れまくったのを鎮めたのが表では爺さんとなってるが」

魔物化した人間は『魔人』と呼ばれる代物、それを倒したのが表では爺さんとされていて裏では俺が刈り取った。過去の武勇伝ではないが、毎年のように語られていて王都でも表の部分しか語られてない。

「さてお喋りはここまでにしようか、そろそろトレミーからの索敵が終わる頃だ『こちらトレミー』来たな」

『今回のターゲットは熊ですが、一体は魔物化しておりもう一体はドウター化してます』

「レーダー使わなくとも索敵魔法で何とかするが、ドウターだけ索敵魔法に引っ掛からないのが癪だ」

「禍々しい魔力じゃが、一真様なら一撃で済むじゃろうにて」

俺らは一瞬で巨大な熊を認知しながらも、魔物化した熊はこちらを向くまでもなく猪を喰ってたがドウター化した熊は俺らを見ると戦闘態勢に入ってた。禍々しい魔力と未知数の魔力で、マーリンにとっては久し振りに感じたのだろう。

だが俺が剣を抜いたと同時に鞘に納めると二体の熊は同時に倒れており、魔物化した熊は首チョンパで絶命したがドウター化した熊は首チョンパ後に消え去って行く。いくら身体強化を使ってたとしてもだ、俺の剣を喰らって生きてる者は今のとこいない。

「ほっほ。久しぶりに見ましたが、相変わらず早いのぅ」

「そりゃそうだろう。朝の鍛錬から始まる我が神国の強さを知ってる癖に」

「魔物化した熊とドウター化した熊の浄化をしましょうか、沙紀はここら周辺にいるか確認を」

「了解、すぐ確認してくるわ」

ISを展開後、この辺り周辺を見て回ったら動物の残骸があったから纏めて浄化をした。で、夜中にメリダとミッシェルが来たから事後報告として報告した。

「まさかレッドグリズリーの魔物化とドウター化してたとはね」

「魔力感知でもドウター化した魔物を認識できないからな」

「それはそうと破壊神や業火の魔術師と呼ばれてたとは、それが今だと賢者や英雄と呼ばれていて自分らにとっては黒歴史だと認識しているようで」

「本当は一真様お一人でやった事をマーリンとあたしらがやった事になってるからね」

過去の二つ名に悶絶しているマーリンだがな、魔物化とドウター化の二つを単独撃破できたのは何も織斑一真だけではない。ここに住んでる住人なら対処可能だったんだが、ここにいるマーリンとメリダにミッシェルと言った弟子達はこの外史での設定を守ってるから撃破できない。

また数年経過するが、ここでの物語の前書きが長い事を知った俺らは外出しないで森の中に留まる事にしている。外に出ると何十年も経過しててちょっとした浦島太郎になった気分を味わえるが、それだと本流のストーリー通過してしまうため。

魔法よりも銃器や剣術に体術を日々のトレーニングとして積み上げて、明日で外の時刻から計算すると15歳で成人するらしい。なので外だと15年経過した事に、マーリン達でさえ外がどうなってるか知ってたらしい。

「まさかここでの成人年齢が15歳とは、俺らで言えばまだまだ子供なのだが」

「ほっほ、一真様が今後の活躍に期待じゃな」

「何か微妙な気分だがまあいいか。ゲートで帰るぞ」

俺が使うゲートは本来の主人公が使う魔法ではない、今いる場所と行きたい場所をイメージすれば簡単に行ける。魔法であって魔法ではない、俺が使う技術は最早神国だけの技術とされている。

まあこれについては後々でも言える事だが、外からの客人が翌日に来るという事でパーティーの準備をしていた。参加者はマーリンとメリダとミッシェルはいつものメンツだ、ディセウムとクリスとジークとトムは久々に来た感じ。

「国王自らここに来てもいいのか?」

「ハハハ、仮にも一真様が外では15歳と言う成人になられたのであれば出席する訳にもいけないので」

「まあいいとして、お前ら二人は相変わらずなんだな」

ディセウム達四人の外見はスルー、料理が運ばれてきてから乾杯としてからこれからどうするのか?については皆も知っている。

「で、一真様『様付けは止してくれ』ですが神皇帝でありお二人の師範であれば様付けしないといけない気が」

「私もジークも今まで通りで呼ばせてくれると幸いですわ」

「そうそう、俺らまで一真様を同年代で呼べるのはちょっとな」

「お前らが言うのであればしょうがない」

ここで言う常識を知っている俺なのか、これからどうするかと言う話などは出てこない。ゲートを使って魔法を披露するのも今更見せるのか?と思いながら使ってみたけど、宮廷魔法師団所属の魔法使いでさえ驚愕の顔をしてたが。

「社会に出した後、トラブルに巻き込む事もないとは思ってたがこれ程とは」

「そうか?これでも出力を抑えてるんだが」

「これで抑えてるとは」

「これほどの破壊力を持つ魔法に先程使ったゲート、各国が一真様を手に入れたら世界征服に乗り出す可能性が高いと思いますが」

「忘れてると思うけど俺はプトレマイオス神国所属だ、魔法よりも銃器と剣術と体術を使えるから遠距離から近距離のオールレンジ攻撃ができる。これを知ったとしても各国が俺を取り込む前に滅ぶと思うよ?」

「まあそれでもです。各国の勢力分布を狂わせる力を持ち、我が国と同等の力を持つ帝国は軍事力の拡大を狙ってる事は承知かと思います。一真様を軍事利用しようとする輩もいる可能性もあります。そこで一真様に提案があるのですが」

「お前らの考えは、アールスハイド国にある高等魔法学院に入学させる気なのだろ。いくら取り込む考えが無かろうと軍事利用しようとしたらどうなるか。お前も分かってての発現なのだろうよ」

ディセウムの考えを当てた事でマーリンは今更ながら険しくなった。要するにだ、ディセウムの王都には高等魔法学院があり、15歳までの中等教育が終了後に魔法が優秀だった者を更に鍛え上げるための教育機関。

俺の魔法や技術が如何に規格外か、一般に優秀とされる魔法使いがどのぐらいかを見極める為に。そして外見だけなら同年代と見えるので、学院に入っても可笑しくないと思う。

「一真様、確か王都に家をお持ちでしたよね?」

「ああ。表ではコイツらの家とされているが、裏では俺らプトレマイオスの領地とされている。王族しか知らんからお前らは知ってると思うが」

「それならそれでよろしいかと。ただ形式上入学試験を受けてもらう事になります。入学後のクラス分けは入学試験結果を元にしてるから、試験を行わん訳にもいかんのでな」

「それは理解したが、貴族の権威を一切受けない完全実力主義らしいが権威を振りかざした輩の対処方は?」

「即厳罰に処するよ。優秀な魔法使いの芽を刈り取る行為だから、国家への反逆と見なされる場合もあるが一真様は心配なさらずともよいかと。それと今後の事なのですが」

「俺の呼び方や喋り方に関してか?『ええ。今までだと神皇帝や賢者と導師の師範だと知ってるのは我々一部のみですので』別に今まで通りでいいだろ、今更敬語使うと疲れるだけだ。認識阻害しとけば平気だと思う」

ディセウムは国王、クリスは近衛騎士団所属の騎士、ジークは宮廷魔法師団所属の魔法使いでこの二人はディセウムの護衛。ミッシェルは元騎士団総長、は知ってるからいいとしてコイツらが来るのは主に愚痴とかが主だった気がする。

魔人がいくつかの町や村が無くなり国一つが滅びかけた、察しの通りアールスハイドだが。コイツが高等魔法学院の生徒だった頃、アールスハイドで初の魔人になって何度も討伐隊を出しては返り討ちと言う無限ロードに入った訳だ。

で、コイツら若い魔法使いまで討伐要請が下り、王太子になったばかりでも実力主義者の魔法学院で成績優秀者だったコイツのプライドが許さなかったらしい。実際魔人を見たら絶句の一言、熟練戦士や魔法使いも圧倒されて最早ここまでか?と思った時に現れたのが。

「表舞台に出る訳もいかなかったんでな、俺はあくまで後方援護してた。マーリンとメリダに一任した・・・・ちょっとした試験みたいな感じではあったが」

「だがワシらでも退治できなかったのがドウター化した鬼であった」

「いくら付与魔法使いであってもドウター化した鬼に対処する道具も持ってなかったからね」

「突然現れた二人は苦戦しつつも魔人討伐してくれた。だが討伐後に出現したのがドウター化した鬼、その鬼を瞬殺したのが一真様であった。その場の勢いで敵を倒すマーリン殿と妖艶とも言える容姿で魔道具を操るメリダ師の姿に憧れたのだ。その後、一真様が一瞬にして滅ぼしたドウター化した鬼に関しては私と一部の王族のみ以外は記憶を消されてたようでした」

「まさか伝説やら幻とも言える神皇帝に出会えた、ともなれば我が神国を探そうと言う輩は沢山いたからな。そうならないよう記憶を消させた、魔人討伐してその場にお前がいたから国難を救い王太子まで救った者として国から英雄呼ばわり。一方俺は何とも呼ばれてないからホッとしてるが、最近だと賢者と導師の師範が存在しているとの噂が出ているな」

で、コイツらは立場を越えた友人となって即位後もちょくちょく政治の愚痴を聞いてもらうために。国の政治まで口出されちゃ困るからな、そう言う事で体恩ある人物を政治利用したり軍事利用したら即天罰が下るとされる。

王都に引っ越しするのはいいが、現代技術をそのまま持っててもいいのだろうか?執事もメイドもこちら持ちだから気にせずに引っ越しできるが、俺から言わせてもらえれば後ろから見てたけど魔人ってのは正直雑魚に近い。

ドウター化した鬼の方が厄介だが、あちらの認識では魔人の方が厄介なのだろうな。と言う事で俺らはここからアールスハイドにある家までの引っ越し準備をするのであった。 
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