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ゼロの使い魔×ポケットモンスター ネタ

作者:蜜柑ブタ
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『ルイズが召喚したのが、ドガースだったら?』

 
前書き
今回は、ドガース(→マタドガス)。



ソウルシルバーの説明文に、マタドガスのガスが最高級の香水になるとあったので、そんな話。 

 

 ドガ~ス。っと、その物体は、間抜けな声で鳴いた。

 宙に浮いており、体中のイボのような穴から時折、色の付いたガスを吐き出している。手足はなく、体は紫色の球体で、間抜けっぽい顔があり、腹部と思われる部位には、バッテンの白模様の上にドクロっぽい形の白い模様がある。

 もう…、いかにも毒ありますよって、主張しているみたいだ。

 不意に、強い春風。風下には、すでに使い魔を召喚し終えた生徒達。宙に浮いている物体(?)が放出しているガスが思いっきりそっちへ流れた。

 途端、生徒達と使い魔達が咳き込み、涙が止まらなくなり騒ぎになった。

 コルベールが慌てつつ、ルイズに急いでコントラクトサーヴァントの儀式をするよう言った。

 ドガ~スっと声を漏らしているソレは、フヨフヨと浮いている。

 ルイズは、急いでその物体(?)に近寄り、コントラクトサーヴァントの儀式を行った。

 あとはキスだけっとなった時、その物体(?)がブシュウ!とガスを大量に吐いた。ルイズも涙と咳が止まらなくなったが構わず、捕まえ、間抜けに空いている口に無理矢理口づけた。途端に、体中を駆け巡る毒。ルイズは、その場で倒れた。

 次に目を覚ましたら、そこは保健室だった。

 ポワ~ンと色の付いたガスが漂ってきてギョッとして起き上がると、ベットの横にあの浮遊物(?)が浮いていた。ルーンが刻まれており、コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式が成功したことを伝えてきた。

 コルベールの調べだと、もうどう調べても毒を持つ生物(?)の一種だと分かり、体内にガスをため込んでいるため風船のように浮遊していると言った。

 ルーンを刻んでからガスの効果を変えたらしく、吸い込んでも咳き込んだり涙が止まらなくなったりはしなくなったそうだ。おそらく自分の意思でガスの性質を変えられるとコルベールは、熱弁した。ルイズは、そんなコルベールに若干引いた。

 その時、ドガースだ!っという驚いた声が聞こえた。見ると一人のメイドが保健室の出入り口で驚いた顔をしていた。

 逃げようとするので捕まえて話を聞くと、この生き物の名は、ドガース。

 タルブの近隣の森の中にひっそりとある廃墟内でたまに現れる毒性の強い謎の生物らしい。

 また、成長するとマタドガスという形態になるそうだが、こちらの方は、体内のガスをギリギリまで薄めると、超高級品の香水になるとか。

 その香水名を聞いて、ルイズはびっくりした。公爵家クラスや王家でも中々手に入らない希少な香水だったからだ。身体にも良いとかで、手には入ったら身体が弱い姉のカトレアに与えられることがあったはずだ。まさか、元を辿れば毒ガスだったとは……。

 なぜその原材料を知っているのかと思い至り、まさか…っと聞くと、シエスタは、恐縮し、タルブ村にいる自分の家族、とりわけ亡くなった曾祖父がかつてマタドガスを飼っていたそうで、その影響か曾祖父から受け継いだ黒髪を持つシエスタの親族のところにたまにマタドガスがやってくるので、その時だけガスを調達できるそうだ。ただし、ガスの濃度の調整が難しすぎるため、香水にまでできるのは僅かになってしまうそうだ。毒ガスから香水になっているかどうかは、身体を張って嗅いでみてるそうだ。

 その香水にそんな怖い一面があったなんて…っと、ルイズは、香水を与えられているカトレアを心配した。

 コルベールが、良薬は口に苦しっと呟いた。いや、毒ですよっとルイズはツッコんだ。

 ルイズがドガースを使い魔にしたのはいいが、連れて歩いてるとメッチャ周りから避けられた。というのも、春の使い魔召喚の儀式の時の、ガス事件だ。あの時酷い目に遭わされたのだから、避けるのも仕方ない。だが、今は害が無いと分かるとそれはなくなった。

 間抜けな顔と鳴き声をだすが、見かけによらず賢かったドガースは、ある日、香水の瓶を拾った。口にくわえて持ち主を探してフヨフヨしていると、ギーシュがドロボー!っと難癖付けてきたため、決闘沙汰に。しかし、毒ガスで一撃でノックアウトされていた。その後、倒れているギーシュにドガースはすぐに香水の瓶を返し、誤解だったことが分かってギーシュから謝られていた。

 土くれのフーケの事件では、土くれのフーケのみに効くよう調整したガスでロングビルとして潜入していたフーケをノックアウトさせる武勇を見せた。

 それらの経験を積んだおかげか、ドガースは、マタドガスに進化した。

 ルイズは、公爵家お抱えの香水師にマタドガスのガスから香水を作って貰おうとしたが、まずガスの段階でノックアウトしてしまうため何人もぶっ倒れた。

 どこから聞きつけたのか、モンモランシーがぜひ私にやらせて!っと言ってきた。

 水の魔法で身体に入る毒を中和しつつ、香水の二つ名を持つモンモランシーは、苦労の末にマタドガスのガスから香水を作り上げた。

 貧乏貴族であるモンモランシーは、どうかマタドガスの香水の生産権利を自分に譲ってくれないかとシエスタに土下座。困惑するシエスタは、親族に聞かないと…っと言った。

 ルイズは、それについて待ったをかけた。そもそもマタドガスは自分の使い魔なんだからっと。それを聞いてモンモランシーは、根本的な問題だったと、ガクーンと項垂れた。

 その後、様々な交渉の末に、マタドガスのガスの共有と売り上げの何割かをマタドガスの主人であるルイズに収めることなどが決まり、マタドガスの香水自体もモンモランシーのオリジナル性を加えてタルブ村から発送される物とは別物として売り出されることになったのだった。

 一方で、問題のマタドガスは、マ~タドガ~スっと、今日ものんびりと浮いていた。
 
 

 
後書き
モンモランシーは、香水の二つ名を持つだけに香水には絶対的な自信と意欲があるでしょうから、幻の一逸品の香水の原材料と生産元を聞いたら、そりゃ挑戦するかな?

なお、シエスタの親族は、マタドガスの香水を作るために身体張ってるので、毒に対する耐性が非常に強いです。

マタドガス的には、自分のガスが利用されてても別に気にしないし、興味も無い。 
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