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おぢばにおかえり

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第五十二話 おせちひのきしんその十

「長池先輩と最初にお会いして」
「ああ、長池先輩ね」
「ちっちあの人と同じ部屋だったわね」
「凄く助けてもらったわ」
 最初にお会いしてから一年間ずっとでした。
「絶対に怒ったりしない人手何でも何度も親切に教えてくれて」
「それでちっちは助かったのよね」
「あの人が同じお部屋で」
「そうだったのよね」
「そうよ。怖いって言う娘もいるけれど」
 それでもです。
「私にとってはね」
「凄く優しい人だったのね」
「よく気がついて親切で」
「あんないい人いないわよ」
 このことは誰にも言えます、本当に一年間同じ部屋にいてどれだけよかったか。
「けれど怖いって言う人もいるのよね」
「それね」
「そのことよく言われるのよね」
「一年上の人でもそう言ってる人いたし」
「二年上の人でもね」
 つまり先輩の同級生の方でもです。
「実際神殿本部で誰か思いきり怒鳴ったのよね」
「それで高校の玄関で待ち伏せして聞こえる様に陰口言ったり」
「そんなことしたっていうけれど」
「本当かしら」
「そんなことする人じゃないわよ」
 私が知っている先輩は絶対にそんなことする人ではないです。
「私よくわかってるから」
「同じ部屋にいたらね」
「だからね」
 断言せえ出来ます。
「あんないい人いないから。けれどね」
「怖いって言う人いて」
「ちっちとしては嫌なのね」
「先輩がそんなことされるなんて」
 さっき皆が言ったみたいな残酷なことをです。 
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